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1999.8.1.発行 vol.6 [非可視的を英訳すると? 号]
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■■ [本]のメルマガ 1999.8.1.発行
■■ vol.6
■■ mailmagazine of books [非可視的を英訳すると? 号]
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■CONTENTS---------------------------------------------------------
トピックス
→トンデモ本発覚!!『編集者の仕事』
【新連載!】「一字千金の記」/グッドスピード
→編集者の語る、活字版なんじゃこりゃ!の世界。
「マエストロ鏡玉のメディアジャーナル」/マエストロ鏡玉(きょうぎょく)
→今回は、世紀末の徳政令と易の流行を取り上げます。
「私小説的書店員」/キウ
→モデル小説と私小説の違いがわからなくて、それでホントに作家?
「本の周りをうろついて・・」/湯川新一
→流通の制度疲労と書店不況の恐るべき実態が明らかになります。めちゃ
長文です。
「美人書店員の赤裸々な日常」/あくびちゃん
→美人書店員が読者のみなさまに夏のお便りをお送りします(←いつまで
も猫かぶってんじゃねーよ BY編集部)
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■トピックス
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■人文書注目の新刊。
『齟齬の誘惑』蓮實重彦(東京大学出版会)
9月刊行予定。97年4月の東大総長就任以降、さまざまな場所で行われ
た講演・挨拶をまとめたもの。スポーツの式典での短い挨拶や、文京区主
催の会における小津映画に関する講演も収録。ながーい式辞のあとは、短
いお話をいくつか。そして、ちょっと長めの小津映画への愛で締める。ま
さに絶妙なブレンド。
■トンデモ本発覚!!『編集者の仕事』(マガジンハウス)
この本の著者である安原顕は、前書きで、雑誌『海』のバックナンバーを
出版社のメタローグに預けていたのだが、勝手に捨てられてしまったと罵
倒調で記しているのですが、実はその雑誌、きちんと出版社内で保管され
ていることが確認されました。この自称天才エディター、事実を確認しな
いわ、いきさつをでっち上げるわ、それが<編集者の仕事>?!
■海越出版社、倒産。
中京地区の文化のシンボルの一つであった。海越出版社が倒産しました。
京都地区の美術系出版社の倒産といい、地方出版社冬の時代が続きます。
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■ 【新連載!】「一字千金の記」/グッドスピード
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[本]のメルマガの読者の皆さん、はじめまして。グッドスピードです。
全国的に猛暑が続いていますが、お元気でしょうか。
さて、今回から始まるこのコーナーでは「一字千金の記」というタイトルの
通り、文字にまつわる話からリテラシーの問題、ひいては文化の問題につい
て考えていきたいと思っています。
「一字千金の記」とは、岩波書店の『国語辞典』によると、一字が千金に
もあたるほど立派な文章(または文字)であること。」とありますが、当然の
ことながら、私の書く文章のことを言うのではありませんし、そういう文章
をこれから書いていくということでもありません。
小学館の『大辞泉』にはこのような解説が載っています。
`の呂不●(偉の字のにんべんを除いた字で、[りょふい]と読む。筆者註)
が『呂氏春秋』を著した時、それをカン陽の城門に置き、一字でも添削でき
た者には千金を与えようと言ったという、『史記』呂不●伝の故事から。」
いずれにしても意味としてはまったく恐れ多いのですが、ここでは「文字
や言葉を大事にしよう?」という意味で使います。つまりはこういうことで
す。仕事柄、校正(文字の間違いや脱字、言い回し等を正すこと)をする機会
が多いので、その中で気になったことや感じたこと、考えたことをご紹介す
る、ということです。
先にリテラシーの問題、ひいては文化の問題について考えていきたい言い
ましたが、実はそんな大袈裟な話ではなく、もっと簡単に言うと、活字版「
VOW」を私なりにここでやってみたいということです。(多少は、いや大
いに脱線すると思いますが)。
そこで、読者の皆さんからも、この活字版「VOW」ネタを募集したいと
思います。日頃お読みになっている雑誌や書籍で、誤字や脱字はもちろん、
変な言い回しや気になる言葉遣いがありましたら、具体的な媒体・当該箇所
のページ数と合わせてお寄せ下さい。ここでご紹介させていただきながら、
私なりのコメントも付けさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
さて、ここで一つ、ある文章をご紹介します。
「…この文明化の過程、つまりハビトゥスの変化はーーこの変化それ自体
は、肯定・否定のいずれの価値判断の対象でもあり得ませんがーーエリアス
が、非作為的ないし非可視的な社会的過程〔unplanned or blind social
processes〕と表現した、ある一貫した過程の一部として発生したものです。
…… 某文化誌に載っていた外国人インタビューの翻訳です。文意はともか
く、この一文で問題となるのはどこでしょうか。言葉に敏感な方ならもうお
わかりでしょう。
そうです。「非可視的」という言葉です。この文の訳者は、親切にも〔〕
内に原文を示してくれていますが、「blind」が「非可視的」になるのは尋
常ではありません。
タネを明かしますと、実はこの文章が載っている某文化誌の校正をしたの
は私なんです。当初この部分は、当然のことながら「盲目的」になっていま
した。まあそれが普通でしょう。なぜなら、どの英和辞典にも「blind」の
訳語は「盲目的」とあるのですから。
しかし、編集長のチェックが入ったのです。「『盲目的』じゃまずい。
『非可視的』に直してくれ」と。
この某文化誌は、某企業がお金を出して作っている雑誌で、その某企業の
用語コードに引っかかったというわけです。編集長の話によれば、特定の思
想をあらわす用語や特定の宗教をあらわす用語、そして差別用語の使用はで
きない、ということなのです。言ってみればCMと同じ、あるいはNHKと同じ
ですね。
しかしながら、言葉本来の意味としては間違っていますし、とても変な言
葉遣いであると言わざるをえません。
私は、こういう言葉に出会うたびに、どうも最近偏屈な世の中になってい
るなと思うのです。
さて次回から本格的にいきたいと思います。次回はいまベストセラーの大
野晋氏の『日本語練習帳』(岩波新書)と、少し前ベストセラーだった倉阪鬼
一郎氏の『活字狂想曲』(時事通信社)について触れたいと思います。
それではごきげんよう。
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■「マエストロ鏡玉のメディアジャーナル」/マエストロ鏡玉
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第三回 今後の方向性について3
いやぁ、過去二回展開なり方向性をのべてきましたが、「そればっかり」と
いう厳しい意見もでてきたようです。最初から、「このコーナーは、私が面
白い、気になったものについて書きます」といえばよかったんですが。もっ
たいつけたい年頃なのよね。ついでにもう1回。今回はテレビから。数字、
人名間違いなどに気づいた方はご指摘お願いします。いずれ再放送すると思
いますし。
99年7月20日(火)AM11:00
NHK衛星第一 特集「巨額債務からの解放を−NGO」
「Jubilee2000」(ジュビリー2000)というNGO団体の運動に焦点をあ
てた特集。ジュビリー2000は、世界40数カ国の債務国における20兆円に
およぶ対外債務を、西暦2000年を区切りというか機会に帳消ししようと
いう運動。代表のアン・ペティフォー女史がカソリック修道会にはたらきか
け、今では世界的な運動となっている。もとはイギリスの学者の論文から生
まれた考えで、「ジュビリー」は旧約聖書にでてくる、50年おきに奴隷な
どを解放するという制度である。
これら債務国の多くはアフリカの国で、これらの国々の多大の債務の原因
として、世界銀行の誤った投資(安易な国家プロジェクト)を理由にあげて
いる。二度のオイルショックで銀行にだぶついた資金が投資先をもとめて発
展途上国に流れこみ、このような結果を産んだのだ。これはさきのアジアに
おける経済危機を想起させる。
債務国の一つであるタンザニアのニエレレ元大統領は「国には破産がない。
ゆえに貸し手にはリスクがない」という。返済は歳入の35%にも及び、こ
れは第二次世界大戦後のドイツの債務が歳入の3%だったのと比較しても非
現実的な返済金額である。
途上国の債務はいずれ戦争・難民などさまざまなかたちで債権国にはねか
えってくる、そう指摘するフランスの学者もいる(『債務ブーメラン』朝日
選書)。コソボの問題も、1980年のユーゴスラビアにたいするIMFの重債
務に一因があると彼女は指摘する。
債務国にはIMFが介入、構造調整プログラムとして、国家事業の民営化
をはかり、教育・医療を有料化するなどの処置をとる。年数千円の授業料を
払えず、就学できない子供たちがかなり多い。多大な債務が解消できれば、
こうした問題を解決できるのか、一部の官僚・軍部にお金がまわるだけでは
ないのか。そうしたことがないよう、ジュビリー2000ではその国の人々によ
る監視組織をつくるよう働きかけている。
今回のサミットで20兆円のうち7兆円(7000億円?)の債権放棄が
決議されたが、救済される債務国がまだまだ少ないなど問題は山積している。
次回2000年のサミットは沖縄で行われる。
ざっとこんな内容でしたが、もうひとつの2000年問題という番組でした。
対外債務の帳消しってのは分かるけど、「西暦2000年を機会に」というとこ
ろがすごい考えじゃない? 西暦2000年という区切りがキリスト教国に与え
ている影響はすごい。2000年のお祭り騒ぎによって、成功しちゃうんじゃな
いだろうか、この運動。
また日本の中世の徳政令が、未成熟な貨幣経済における債権・債務問題の
解決法とすれば、ジュビリー2000は、より強固な世界経済システムの構築の
過程のひとつといえるかも知れない。
教訓:もどらないお金は貸したほうが悪い
99年7月20日(火)PM10:00
NHK衛星第一 特集「蘇る易」
先に豊かになれるものだけが豊かになれるという開放政策により、急速に
資本主義化がすすむ中国。貴金属をあつかう店をつくりたいというタクシー
運転手。事業に失敗し、借金を背負った元モデルの再出発。ホテル経営を成
功させたい事業家。非科学的・俗信ということで、駆逐されていた易を指針
に経済的な成功をもとめようとする人間模様を描いた番組。
ふつう易では50本の筮竹を用いて占うのだが、3枚のコインを用いて占
っているところは面白かった部分。占いが認められていないために、目立つ
筮竹からコインを使うようになったのだろうかと想像された。また道教のえ
らい人で、易の達人が、ホテルの建築にあたってコンサルタントするさまは、
Dr.コパの風水占いみたいに俗世にまみれている感じがでててよかった。
資本主義化あるいは都市化と占いの関係って、かなり面白いテーマだなぁ。
訂正 コインを3枚使うやりかたは擲銭法(てきせんほう)として唐の『儀
礼正義』(士冠礼)にもみられるやり方でした(本田わたる著『易』朝日選
書)。考えすぎでした。
教訓:信じるものは救われる、多分
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■「私小説的書店員」/キウ
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「私小説」
最近は、ある作家によって「私小説の危機」が騒がれる時代でもあるし、
この連載のエッセイのタイトルでもあるので、その辺りのことを書いてみた
い。
私小説作家。と言われても、どんな作家がいるのだろう。志賀直哉、葛西
善蔵、嘉村磯多、宇野浩二。心境小説を含めるのなら梶井基次郎などもそう
だろうか。尾崎一雄、上林暁、木山捷平。永井龍男は? 最近だと、車谷長
吉。三浦哲郎も? そう括りきれないけれど。
名前を適当にあげてみて、ひとつ言えることは、私小説作家と呼ばれる人
たちはみんな優れた短篇小説作家だということだ。「内向の世代」の中でも
阿部明は私小説作家と呼びうる存在だろうが、やはりその本領は短篇小説に
おいて発揮されていたと思う。個人的には須賀敦子のエッセイ群も優れた短
篇小説であり、私小説であると思っている。
「私小説の危機」ということでなら、むしろ「短篇小説の危機」というこ
とをいった方が、問題は明確になると思う。もちろん私小説に限らず、どの
分野においても短篇小説の劣勢は明らかであろう。最近の作家で、短篇小説
作家を自称する人はあまりいない。大正時代、あれほど隆盛を極めた短篇小
説という形態は、今や長篇を書く合間の小仕事程度の扱いを受けている感が
ある。作家としても出版社としても儲からないからなのだろうか。おそらく
編集者にも「短篇小説作家」を育てようなんて気はないのだろう。長篇こそ
小説家の仕事なのだ。
「私小説的書店員」などというタイトルで文章を書いている著者はもちろ
ん私小説が大好きであり、短篇という形態も愛して止まない。中上健次は好
きだけれど、著者の偏愛するのは「化粧」のような私小説的な世界と物語的
な世界を往復している作品集であったりする。累々と積み上げられたあの長
篇群でなく。
ある作家が裁判をきっかけに「私小説の危機」を訴えるまでもなく、私小
説は危機的であり、それは作品形態としての「短篇小説の危機」と軌を一に
している。「モデル小説の危機」ではなく、あくまで「私小説の危機」の話
だけれど。本来、私小説というのは裁判に訴えるのが馬鹿馬鹿しくなるくら
い「わたくし的」なのではないだろうか。あくまで、描きたいのは自分なの
だ。そういう意味でナルシズムの臭いさえする。心境小説までいければ意識
が風景に乗り移るので臭みもないが。特定のモデルがいなければ成立しない
小説とは違う。「見ろ、これが俺だ」的な気持ち悪さが私小説にはある。そ
こが面白いのだけれど。
先日、八木義徳婦人が店を訪れた。「文章教室」(作品社)の書評が掲載
された雑誌を買われに来たのだが、私は個人的に、とても感動していたりし
た。しばらく会話を交わしたあと、お帰りになられ、この感動を誰かと分か
ち合おうと何人かの人に話してみたが、八木義徳氏の名前を知る人は誰もい
なかった。そういえばその作品を私も読んだことがなく、現在書店で手に入
れることができるのかも不安になった。「私小説の危機」とは、むしろ、こ
のような部分にあらわれている。
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■「本の周りをうろついて・・」/湯川新一
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大丈夫?本屋さん
7月某日、図書館で『新文化』と『出版年間99』、その他を拾い読みをし
た。短時間であったにもかかわらず、気になる記事の羅列で「業界の原点は
三位一体」というものが崩れようとしている時に出会っていることを感じる
私自身「三位一体」の神話にこそ「ある種」ドンくささを感じているのだが
・・。
いくつか目にとまった記事を羅列してみる。
◎インターネット白書99
「インターネット利用者の推移。自宅から前比251.5%、勤務先から
115.6%TOTAL前比149.4%。インターネット世帯普及率12.
9%、オンラインショッピング経験者44.1%(購買内訳、コンピュータ
機器関連26.9%、コンピュータソフトウェア関連26.3%、書籍・雑
誌23.6%)今後購入したい商品として、映画・演劇・コンサートチケッ
ト、旅行・宿泊・航空・鉄道チケットなどで書籍・雑誌は52.4%がネッ
トでの購入を希望している」
◎「オンライン書店の市場規模は現在、35億円程度とみられる。先に設立
したヤマト運輸と取次の栗田出版販売のブックサービスが受注をはじめた9
6年5月、1ヵ月間の注文はわずか71冊だった。3年後の99年5月の注
文数は2万4千冊。
紀伊国屋の「Book Web」は会員制で、月に5千人の入会がある。今
年は年商20億円を見込み、「長期目標としては年商1200億円の10%
程度」という。
東販、セブンイレブン、ソフトバンク、ヤフーの「eS−Books」は周
知の通り。
そういえば、◎98年11/26付日経流通では「月刊誌予約販売がいずれ
一般書籍に拡大するのではという問いに対して東販・セブンイレブン両社は、
「雑誌以外の一般書籍の予約販売に乗り出すつもりはない」と口をそろえて
いる。」とあった。
「eS−Books」に対する中小書店の当然のようなクレーム?に対して
◎東販副社長「お付き合いの一環・・」
また、◎北海道書店商業組合の「出版業界全体で、本格的に客注も含む流通
改善に取組もうとしている矢先に、書店より便利だからとCVSを利用する
やり方は出版業界の三位一体そのものの崩壊につながりかねない大問題です」
に対して
◎東販社長は「書店の物流をないがしろにするつもりはない。書店でも同じ
レベルで客注品が扱えることが前提で、当然書店の物流改善も進めていく。
できることとできないことをはっきりさせて、できることから実施していき
たい」
・ちなみに東京都書店商業組合青年部調査の客注品平均着荷日は8.2日。
◎2日から5日の配送日短縮に対して東販広報室「なかなかむずかしい」。
◎ローソン(7,040店舗・・・ちなみにセブンイレブンは7,778店
舗)も書籍ネット販売。供給会社は日販?
「99年11月をめどに、書籍、航空券、衣料品などで店頭での受け渡し代
金決済を実施していく。3日以内に商品着荷。2001年に200億の取扱
高を設定している。書籍に関しては不明。
ローソンとの提携に対して◎日販文化広報室「今はなんとも言えない」。
どうも取次の乗りの悪さばかりが目につく。「三位一体」という売り手の論
理でずっとやってきたんだから、もうそろそろ買い手のことを考えてもいい
のではないだろうか?
◎三位一体のもうひとつの柱である取次は・・98年実績。
東販 売上 7,687億8,300万円(前比97.8%)
経常利益 67億9,400万円(前比138.1%)
日販 売上 7,914億0600万円(前比97.0%)
経常利益 19億3,700万円(前比123.9%)
◎2年連続のマイナス成長 98年書・雑販売額2兆6千億円
98年雑誌動向
98年雑誌売上額は対前年比▲1.0%の1兆5,562億363万円。
創刊誌170点(前年192点)、休刊誌160点(前年138点)、改題誌
65点(前年48点)、発行所変更誌28点(前年42点)、復刊誌8点。
98年書籍動向
98年書籍売上額は対前年比▲4.1%の1兆0,610億2,638万円。
新刊点数63,023点(前年62,336点)で687点増。
書籍返品率 94年33.6% 95年35.4% 96年35.5%
97年38.6% 98年40.0%
厳しいと言われている書店の現状はというと以下のようになっている。
◎(99年7/8日経流通新聞) 98年書店の売上高ランキング、下段は
97年版
売上高(100万円) 伸び率(%) 経常利益(100万円) 店舗数
1.. 丸善 130,356 ▲1.6 1,216 36
2.. 97 132,475 ▲2.9 1,628 30
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3.. 紀伊国屋 113,135 ▲1.3 911 52
4.. 97 114,671 2.0 81 50
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5.. 有隣堂 45,381 3.3 − 30
6.. 97 43,952 1.1 − 29
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7.. 文教堂 40,443 10.9 242 200
8.. 97 36,474 17.4 273 186
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9.. アシーネ 28,320 6.7 − 348
10.. 97 26,941 0.7 − 332
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11.. ブックバーン 23,457 6.6 − 125
12.. 97 − − − −
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13..三省堂 20,465 ▲3.9 238 17
14.. 97 26,643 3.1 348 26
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15.. 平安堂 19,719 ▲0.1 23 100
16.. 97 19,729 ▲2.1 22 103
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17.. 明屋書店 19,596 1.9 860 73
18.. 97 19,230 2.9 800 69
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19.. 文真堂 18,991 1.7 103 51
20.. 97 18,674 6.4 429 49
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21.. リブロ 18,532 ▲19.5 96 45
22.. 97 23,020 ▲36.9 32 43
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23.. 明林堂 17,089 7.4 262 106
24.. 97 15,910 11.5 405 99
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25.. ジュンク堂16,805 21.2 − 18
26.. 97 13,863 21.8 − 18
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27.. 三洋堂書店14,151 5.8 90 59
28.. 97 13,369 6.8 129 57
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29.. ブックオフ 9,061 − 500 371
30.. 97 − − − ー
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31.. 芳林堂 8,804 2.5 77 10
32.. 97 8,586 3.4 85 8
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33.. 戸田書店 8,782 6.2 176 58
34.. 97 8,271 ▲4.4 20 58
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以下、ブックランドカスミ、よむよむ、エイシン(ブックストア談)、加登屋、
福岡金文堂、ブックプラザ、久美堂、文秀堂、日進堂、コーベブックス、岡
村文具・・・と続く。
初登場のブックオフコーポレーションの売上高経常利益率がナント5.5%。
◎ジュンク堂池袋店。平成13年1月に向けて工事再開。
現在の1,060坪から70万点2,000坪ヘ。もちろん日本一の坪数。
そういえば、ジュンク堂の道を一本隔てた西武百貨店の中にリブロ池袋店
がある。直線距離で150メートルぐらいか。ジュンク堂オープンの同じ年
迎え撃つ形で拡大改装したリブロ池袋店。現在はほぼ同坪数のはずである。
売上高で約45億のダウン、順位も7位から11位と大きく後退したが、経
常利益は3倍増と回復の兆しを見せている。
指をくわえて・・・の本屋ではないはずだ。
ジュンクの工事再開で2003年1月という新たな危機にどのような迎撃態
勢を見せるのか。
坪数と品揃えのジュンク堂と好立地と百貨店がらみのポイント・カードを有
するリブロの生死をかけた闘いは再度興味津々。
上記の書店は当然のことながら、なんだかんだいっても基礎体力のある
大手の書店ばかりである。約2万件あるという多くの中小書店はジリ貧で
あることの想像は容易である。一昨年は全国で約1,100軒、昨年も
約1,000軒が店を閉じたといわれる。
◎98年新規出店売場面積は6万5千坪(前比2万坪減)
98年1月〜12月の新規出店数は742店で、97年の847店から10
5店減と前年を大きく下回った。近年の記録的な増床傾向から一転して調査
開始以来、最大の落ち込み幅を記録した。
確かにオンライン書店の出現でより一層という感のある書店ではあるが、先
に伝えられている「崩れるアマゾン神話。膨らむ物流投資、ネット運営費も
巨額に・・・」。
「eS−Books」にしても140万冊のデータベースを目の前にするこ
とができても東販の倉庫在庫は10万冊・・・。2、3日で荷着?単なる宣
伝文句?版元の協力体制は?受注開始まであと何ヵ月もありません。最初が
肝心なような気がする。
ローソン(日版?)にしても同様の問題を抱えているはずである。
決して楽観視できるものではないと思うが。
実は今が書店の真の実力が見えてくる時なのではないだろうか?
私見、書店の現状について・・・は次回以降掲載予定。
一読者としては、どんな本(情報)が出ているかという情報と読みたいときに
読みたい本(情報)が早く安く簡単に入手できればいいわけで、入手方法・経
路には興味はない。
旧態以前とした「三位一体的やり方」には多くの疑問を持たらざるを得ない。
昨年、東販社長が以下のように話した。
◎「出版が不況に強いという神話は崩れつつある。」そこで、提案するのが
売れ残った商品を自由に返品できる「委託制度」の改革。この制度がある為
に「競争原理が働かず、大量の返品で業界の負担は重い。」長年、維持して
きた仕組みだけに、簡単でないことも承知の上で、「今、メスを入れないと、
これからの大変革期は生き残れない。」とした。
自慢ではないが私は4年前から「出版は好景気に弱く、不況にはもっと弱い」
と言っていた。独楽作りの名人は好・不況を感じたことがないと言っていた。
よし、独楽作りの修行でもはじめるか。
唐突に終わりにします。途切れ途切れに書いたので、雑然としてしまった。
あまりの蒸し暑さで私より先にクーラーがバテてしまった。
汗を書きながら結局何を言いたいかというと「私は本屋が好き」
ということに尽きる。
おしまい。
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■「美人書店員の赤裸々な日常」/あくびちゃん
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夏のお便り
やっと梅雨が明けたと思ったら、猛暑が続きます。
売り場ではクーラーが効いているのにもかかわらず、私たち書店員は汗だく
です。
一般的に書店の仕事は楽だと思われているようですが、とんでもありません
。これがなかなか重労働なのです。
私の働くフロアーでは、売れて再び入荷した(これを回転するといいます)
本や新刊をあわせると、毎日数千冊の本が入荷します。
仕入れから上がってくるこの荷物をジャンル別に分け、棚に並べ、新刊本と
既刊本を差し替え、新刊をストックするために、売れ行きが良好でない商品
を返品します。その合間を縫って、カウンターに立って接客をします。
現場は、ほとんどが女性で支えられています。荷物が重たかろうが、何でも
自分たちでしなければなりません。本がいっぱいに詰まったダンボールを2
箱持つなんて朝飯前です。おかげで二の腕がたくましくなるので、女性の書
店員にとって、露出度が高くなる夏は悲しい季節です。
ところで、一般的に書店の利益率は、定価の2割前後といわれています。本
体価格が1000円の書籍であれば、だいたい200円が書店の儲けになり
ます。ですから、利益が薄いので、やはり数多くの商品を売らなければなら
ないのですが、目先の利益にとらわれて、定価が高いので、一冊売ればそれ
なりにお金になるような人文書は、回転が遅いがために歓迎されないという
のが実状です。
この不況下、経費削減といえば真っ先に人件費からです。前にも増して売り
場にはぎりぎりの人数しか配置されなくなってきました。ですから、たいへ
ん忙しいのですが、忙しさを理由に、店員の接客態度が悪くなったり、不勉
強であるというのは如何なものかと思います。
最近では、注文した書籍をコンビニで受け取れるシステムが整いつつありま
す。また、在宅しながら、インターネットによる書籍の注文、宅配の利用も
確実に増えています。
交通費をかけて売り場に足を運んでもらうという、私たち書店にとってはか
なり不利な状況になりつつあります。今一度、書店、書店員のあり方を考え
なければいけない時期に来ているのではないでしょうか。
たとえば、一番大切であるけれども、一番おろそかにされがちな棚作りとい
う仕事。書店の棚は生き物です。日々学問が進歩し、書籍という形態をとっ
て、書店に運ばれてくるのですから、1年間丸っきり同じ棚の構成で対処す
るには無理があるというものです。棚に並んでいる1冊1冊の書籍は、私た
ち担当者が何らかの考えを持って集めた本で満たされて、初めて鼓動を始め
るのです。
新刊や回転した商品を並べるルーティーンワークではなく、埋もれてしまっ
た良書を発掘して販売するのも一つの醍醐味でしょう。出版されるのが早す
ぎて、当時は話題にならなかった本が、今、脚光を浴びるというのは、良く
ある例です。
1年ほど前、河出書房新社から1992年12月に出版された『文藝』のス
ペシャルイシュー「越境する文学」を積本で展開したことがあります。この
本はサルマン・ラシュディとエドワード・サイード、今福龍太と四方田犬彦
の対談や、イ・ヨンスク、ガヤトリ・C・スピヴァック、ホミ・バーバの論
文も掲載されています。巻末には「ポストコロニアル・ファビュレイターズ
名鑑」もついています。たしか、2週間で30冊前後売れたような。
また、今でこそ以文社版で入手可能になったヘーゲルの『大論理学』もかつ
ては岩波版でしか、入手出来ませんでした。しかし、肝心の商品は品切れ。
そこで岩波書店の営業の方に無理を言って、揃えていただいたこともありま
す。こちらも、入荷してすぐに売り切れました。
このように、品切れとは言いつつも、探せば意外と出てくるものです。面倒
くさがらずに、電話一本を掛けることから始められるのです。
池袋のリブロブックセンターの人文書売り場では、不定期ではありますが、
在庫僅少本フェアーを行っています。見習いたいものです。
本は売れないのではありません。手を掛けることで、きちんと本は売れてい
くのです。もちろん例外はありますが。出版されるからには、必ず読者がい
るのです。それを発掘するのも私たち書店員の仕事ではありませんか?
間もなくお盆休みが始まります。この期間は取り次ぎがストップするので、
在庫が薄くなります。休みを使って読書予定の方はお早めのご来店をお願い
申し上げます。
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■あとがき
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>ところで、注文した本をコンビニで受け取れる「eS−Books」、話
題になってますね。
>既存の本屋の客注品に2週間以上かけといて、コンビニには2日から5日
で届けるとは、トーハン、どういう了見だ、とかね・・
>ま、取次ぎは弱い者切り捨てでなりたってますからね・・。掛け率だって
新規出版社が実質62%で、古株出版社は70%以上ですからねえ。まるで
牢名主の弱い者いじめ。
>参入障壁だってアメリカに圧力かけてもらうしかないですな。あとは外資
系か黒猫ヤマトにでも新しい取次ぎ作ってもらってみんなで寝返るとか。
>しかし、取次ぎ批判はマスコミ最大のタブーですからな・・弱い者苛めは
凄いけど強い者にはからっきしのS潮社あたり、イメチェンでやってみれば?
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