1999.9.25.発行 vol.10  [五月氏回復祈念号]

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■■  [本]のメルマガ                                1999.9.25.発行  
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■■       mailmagazine of books            [五月氏回復祈念号]  
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■CONTENTS-----------------------------------------------------------
★トピックス

★「脱・書店員日記」/aguni(あぐに)
→まだまだトロくさい出版社のHPに、鋭い評論をお見舞いします。

★「現代思想の最前線」/五月(ごがつ)
→著者急病のため、休載。ファンの方ごめんなさい。今回はその代わりに
ウインダム茴香の「出版界こいつは許さん!」をお送りします。
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■トピックス
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■書店とコーヒーショップのミックス
このほど、東京の八重洲大丸内にできた書店では、店内にコーヒーショップ
が組み込まれ、そこにまだ買っていない本も持ちこんで読めるというサービ
スを始めました。アメリカの書店の形式を取り入れたものですが、好景気の
国のノウハウが不景気真っ只中の日本で商売として成功するか、見物です。
■今月の丸モウケ
・金子勝の新刊『反グローバリズム』(岩波書店)が『反経済学』(新書館
)に続いて売れている。この中身を簡単に紹介したのが、同じ著書の『セー
フティーネットの政治経済学』(筑摩書房)。今月の経済書は岩波が絶好調
で、スーザン・ストレンジ『マッド・マネー』やアマルティア・セン『不平
等の再検討』もバカ売れとのこと。
・宮台真司の新刊『野獣系でいこう!!』。ほんまたかしの装丁がお下劣で
グーと評判。もちろん中身もミヤダイ節炸裂!
■みすず書房さん社員募集
みすず書房さんが営業の社員を募集中だそうです。我こそと思う人文書好き
の人はみすずさんのHPをご覧下さい。http://www.msz.co.jp
それと、同社から『ドゴール大戦回顧録』(全6巻セット 六万円)が限定
三百セットの復刊! ほ、欲しい―。か、金くれー。
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■ 「脱書店員電脳日記」/aguni(あぐに)
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第5回  1999年秋の出版社サイトコレクション

  事情があって出版社のサイトを見て回った。今回はその感想である。結論
から言えば、まだまだ不満である。この業界、遅れている。
 
  出版社のホームページはその数500〜600。しかしそのうち見て面白
い、役に立つ、というのはごく一部だ。わりと良くできているように見える
大手のものでも、紙の発想をそのまま引きずっているせいか、構成が無茶苦
茶で使いにくかったり、重かったりするところも少なくない。

 さらには、結局、このサイトを何の為に作ったのかわからない、というの
も結構ある。会社情報(どこにあって、どんな歴史で・・・)と日本書籍協
会が提供する書籍検索サイト、books.or.jp へのリンクだけで構成されるも
のなどは最たるもので、そういうサイトが増えてしまった背景には、まだそ
んなに出版社サイトがなかった1988年に、私が呼称するところの「イースト
菌系サイト」が増殖してしまったことが大きい。

★注★
イースト菌系出版社サイト(かなり偏見。)
  サーバーは日本書籍協会のレンタルサーバー、費用は協会からの初期投資
15万円(+?)、制作は専門業者のフォーマット通り(業者ボロ儲け?)と
いう定型白色サイト。協会が、books.or.jp を立ち上げたばかりのころ、そ
して各出版社のホームページ立ち上げに資金提供していたころに作られたサ
イトで、まだホットなうちに、あわてて増殖したのでイースト菌系サイトと
命名。なにしろこれはよくわからんけど乗り遅れないうちに作っちゃおう、
というノリがミエミエで、一回見たら二度と見ることはないといっても過言
ではないような、一度膨らんだらオシマイ、の更新無きサイト群。 

  出版社というと、情報発信を担うマスコミの一部ということで、一昔前な
ら随分と思想的には進んだイメージがあった。しかしこと新しいものについ
ては二の足を踏む、というのが実際の体質のようだ。
 元々、出版社というものは、実は自社による広告というのが下手である。
TVCMで雑誌の広告をしているのは角川書店と扶桑社、宝島社ぐらい。超
大型企画以外はたいして効果もない新聞のサンヤツなどと呼ばれる高価な広
告が生き延びているぐらいだから、広告の対費用効果を分析するところも少
ないのではないだろうか。
(ただし、サンヤツに載るとハクがついて、書評などでも本が紹介されやす
い、などという迷信だか幻想だかは確かにあり、もちろん書評のパワーとい
うのは依然としてあるわけで、とするとサンヤツも効果があるのだろうか?
と、このように考え始めるとこのままでいいっか。というのが大抵の出版社
の考えだ。)

  そもそもなぜ出版社が広告が下手かといえば、読者であるお客さんの姿が
見えていないからである。お客さんの顔が見えていない、と言うとマイナス
表現だが、実際、本というのはお客さんに相対する必要がないのだ。元々、
メーカーというものは流通・小売に阻まれて、お客さんの顔が見えにくいも
のなのだが、出版社の場合、さらに会社間の商品のやりとりというものもあ
まりない。その上、お客さんにしても出版社にしても、出版社=メーカーで
あるという認識があまりなく、業界全体で一つの会社とでも思っているフシ
がある。メーカーもわからずに物を買おうとするお客さんにしても、実際、
メーカー名よりも商品名の方が有名だったりする発行元にしても、それで双
方よかったから問題ないのだ。

  ところがここでインターネットである。これは明らかにメーカーがお客さ
んの前に直接情報を突き出すものだ。慣れていない上に、お客さんが自社に
何を求めているのかわからない。っていうか、直接お客さんを前にしてどう
しろと言うのだ?そんだけあいまいな立場で各社がホームページを作ってい
るから、何だか個性のない、内容も無い、印象の薄いホームページばかりに
なっている。ショップも兼ねているのが普通のメーカーページと比べてみる
と、情報量の違いは一目瞭然である。

  結局、今回面白かったのはやはり情報提供をしてくれる出版社だ。旅行人
や医学書院や音楽の友社、公募ガイド社などはマニアックとはいえ、素人目
にも楽しい。PHP研究所は書評を一つのビジネスにしてしまったようで、
ブックサービスとも連動している。リクルート、インプレスなども総合的な
情報を得られて楽しい。 

  ホームページにはそのタイプというものがある。日経ホ−ムページの記事
(99年7月号)によると、それは次のように分類される。
 
1.表現型:日記公開など、作者が自分で情報を発信するタイプ
2.実用型:実用的な情報を中心としたタイプ
3.娯楽型:娯楽的要素の強い楽しめる内容のタイプ
4.参加型:ページに参加する人が情報提供していくタイプ 
1+2.実用系表現型:新聞社、天気予報
1+3.娯楽系表現型:アーティストサイト、料理レシピ、日記
2+4.実用系参加型:読者も参加できるコミュニティーサイト
3+4.娯楽系参加型:インタラクティブ性を持ったゲーム、投稿サイト

  このうち出版社が目指すのは「1+2」ということになるのかもしれない
が実際のところ、出版社がインターネット利用者に提供できる実用的な情報
など、そんなにないのだ。新刊情報とベストの紹介、それから雑誌があれば
その記事の一部。小学館の「週刊ポスト」新潮社の「インターネットフォー
カス」講談社の「web現代」なども、広告収入を狙って発信されているが
さてどのくらいの人が実際に読んでいるのか不明である。というのも、そこ
いらで立ち読みできる雑誌がウェブ上にあっても、通信費かけるだけ高くつ
くからである。(しかもたいてい、無茶苦茶に重かったりする。テキストだ
けにしてくれ、っちゅーの!)ましてや特集タイトルと表紙だけ置いといて
雑誌を買ってね!型のものなど、見るだけでがっかりするヘボサイトの1つ
である。ネットならではの情報なり便利さ、あるいは楽しさがないと、頻繁
に見てもらえないものなのだが、情報を金に変えるのが仕事の出版社。無料
のネットで情報提供する、というその行為自体に矛盾を感じているのかもし
れない。
 
  自社で映画という仕掛けを作り、それに巻き込むという形で書籍を売って
いく、というのが角川書店の戦略だ。確かにサイトを見ると、情報誌のウォ
ーカーなども連動させて、コンテンツ自体は面白そうだ。株価取得の際に角
川はリクルートのインターネットのノウハウが欲しい、と表明していたが、
情報の見せ方、使い方を模索中ということなのだろう。さすが超大手総合出
版社である。しかしそれに近いことは、ネットを使えば格安でできる。

  最近、面白いと思ったのは、【WRITER'S CHAT MAGAZINE】というまあ、書
き手が集って作っていたメルマガがあって、これはまあサブタイトルが「一
緒に単行本を作ろう!」とあるだけあって、ライター仲間のおしゃべり、み
たいなノリのメルマガだったのだけれども、なんとこの主メンバーが果林舎
という出版社を設立してしまった。この前読んだ号では営業の募集とかして
いた。このメルマガ、ライターさんが書いてるだけあってなかなか面白かっ
たのだが、これを出版社のメルマガとして考えるとまた意味合いが違ってく
る。このメルマガの場合、書き手の個性が強いので、好みがわかれるだろう
が、ここまでカラーを出せる出版社というのもなかなかないのではないだろ
うか。しかもこのメルマガ、本を出した、反響があった、営業クビにした、
インタビュー受けた、やれ3刷だ4刷だと、まあ、次から次へと情報が出て
くる。それが役に立つとか立たないとかいう問題ではなく、とりあえず飽き
ないのだ。そしてこの「飽きない」ということ。これがこの情報過多のネッ
トの世界では、面白い、ということなのだ。

出版社のみなさん、やるからには面白いサイトを! 
と、私は声を大にして言いたい。
まだまだ仕掛けはいくらでも考えられるでしょ?

★今回掲載のサイト★
日本書籍協会 http://www.jbpa.or.jp/
週刊ポスト http://www.weeklypost.com/jp/
新潮社 http://www.shinchosha.co.jp/index.html
講談社 http://www.kodansha.co.jp/
旅行人 http://www.ryokojin.co.jp/
医学書院 http://www.igaku-shoin.co.jp/
音楽の友社 http://www.ongakunotomo.co.jp/
公募ガイド社 http://www.koubo.co.jp/
インプレス http://www.impress.co.jp/
リクルート・イサイズ http://www.isize.com/
PHP研究所 http://www.php.co.jp/
角川書店 http://www.kadokawa.co.jp/
果林舎 http://www.karinsha.co.jp/
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■ 【読み切り】「出版界こいつは許さん!」/ウインダム茴香(ういきょう)
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五月氏が病気のため、代わりに登場したウインダム茴香(ういきょう)です
ウインダムとは、勿論ウルトラセブンのアレです。ええ!? 時間稼ぎだけで
すぐにやられちゃう怪獣だろうって? うう、ホントのこと言うなー。

1)てやんでー、取次ぎは小悪党か?

さる専門書出版社Aの話。最近、某ニッちもさっちも行かなくなっていると
いう噂の取次ぎからの返品の中で、B書店(超大手書店チェーンの本店)か
らのものが異様に増大している。しかもA社のさる女性社員の返品了解とい
う用紙が付けられているのだが・・

1 B書店は、A社に返品するとき、担当者どうしが親しいこともあってい
ちいち返品了解などとらない(チェーン全体でもほとんど取らない)。
2 了解者になっている女性は他の書店チェーン担当(笑)
3 しかも、その女性の旧姓になっている(爆笑)

これは、小さい書店などがA社に返品しにくい商品を、某取次ぎが勝手にB
書店の名前使って返しているという以外、どう解釈できるっていうのでしょ
うか。あのねー、すぐにばれる小悪党みたいなことしてんじゃないよ。だい
たい、返品率が専門書版元さえうなぎ上りになった根本原因は、取次ぎが裏
で書店出店競争あおったからでしょう。自分の責任、他人に押し付けてんじ
ゃないよ。こんなこと続けるようだったら、桃太郎侍(別名、単なる派手好
きの殺人鬼)に成敗してもらうよ。

ついでに同じA社。別のオオっと驚くような取り次ぎの方ではC堂書店の名
を騙った返品が多く、A社の担当者がC堂書店に返品していないことを確認
の上抗議に行った。すると取次ぎ担当者は「Cがこっそりやてんですよ、こ
っそり」とぬかしたとのこと。各書店、裏で責任なすりつける取次ぎなんか
取引切っちゃえば?

2)最低の出版社K

この春に倒産した、K琳社。ここも打ち首獄門級の極悪ぶり。倒産前に、K
琳社からD書店あてに納品があったのだが、それを見た取次ぎ担当者は絶句
した。D書店は二年も前に潰れてる。しかもその商品、電話注文扱い(笑)
つまりK琳社は架空の電話注文をでっちあげて商品を押し込んでいたわけ。
たまたま潰れた書店があったので、悪事が発覚した。しかもその後すぐに倒
産して、返品は一切不可。うまい商売してますねー。しかも倒産前に各書店
にはフェアのお願いもして、フェア商品納品後、即倒産。これも返品不可。
自分が苦しかったのはわかるが、だから他人に迷惑かけていい権利はどこに
ある! ここの関係者、二度と出版界にもどってこないように!

さらに、某メルマガのコラムでは、K琳社のような立派な出版社の志を継い
で・・などと書いているのもあった。おいおい、見た目カッコ付けで中身は
サイテーって、人間でいえば最も下劣な輩じゃないか、コラム書くくらいな
らそれくらい見抜いてくれよ―ハアハア(←肩で息している)

今日のところはこれ位で許してやるう(←あ、これ、ボコボコにされた悪党
の捨て台詞か)。しかし、出版界に悪事がある限りわたしは再び現れるぞお

念のため。これは実際に被害に遭われた方の証言をもとに構成されています
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■あとがき
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>当メルマガ最大の目玉の一人、五月氏が急病のため休載です。ファンの方
は、ぜひ励ましのメールを下さい。
>いま、何とか回復して検査の結果待ちのようですが、まじめで責任感強い
人ですからねー。ストレスたまっちゃったのかなー
>しかし、代わりのウインダム茴香氏は、ホント時間稼ぎ程度の文章だよね
>(茴香)うう、事実を言うな! お前は悪者に違いない! 次回のメルマ
ガで糾弾してやるう。か、覚悟しろ。
>こいつは出版界のりえぞう先生か?(笑) ま、五月氏の次回連載を楽し
みにお待ち下さい。
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