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2004.08.05.発行 vol.185 [首相、決勝前に参拝はしませんよね? 号]
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■■ [本]のメルマガ 2004.08.05.発行
■■ vol.185
■■ mailmagazine of books [首相、決勝前に参拝はしませんよね?号]
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■■ 創刊は1999年5月10日、現在の読者数は6500名です
■■ 「まぐまぐ」で、殿堂入りメールマガジンのひとつに選ばれました
■CONTENTS-----------------------------------------------------------
★「脱書脳記3」/aguni(あぐに)
→ そして雑誌は0円になった
★「出版☆広告批評」/グッドスピード
→ 夢の本棚
★マエストロ鏡玉のメディア・ジャーナル
→
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■トピックス
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◆佐藤秀明写真展 「グランドゼロ」
ニューヨークの世界貿易センターの誕生からグランドゼロまでを写真で振り返る。
場所:調布市文化会館たづくり1階展示場
日時:8月14日〜9月19日(休刊日8月23日-24日)
9月5日午後2痔(1時30分開場)より佐藤秀明氏講演会あり。当日先着100名。
問い合わせ:0424-41-6171(調布市文化・コミュニティ振興財団事業課)
◆ジュンク堂書店新宿店 オープニングスタッフ募集!
オープン予定:10月下旬
募集内容
・定時社員 時給900円、交通費支給、社保完備
・アルバイト社員 時給860円
詳細は、ジュンク堂書店ホームページ(www.junkudo.co.jp)
をご覧下さい。
応募、お問合せ等は池袋本店矢寺、福嶋まで(?03-5956-6111)
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『貸本マンガ史研究』15号●特集/追悼・佐藤まさあき/8月10日発売
A5判/92ページ/定価600円/送料160円
お問合せ、ご注文は 貸本マンガ史研究会(synapse.m@dream.com)まで
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■【脱書脳記3】/aguni(あぐに)
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その13 そして雑誌は0円になった
ちょっと前のことになるのだけれども、電車の中で大学生ぐらいの女の子が
読んでいる雑誌の記事が気になった。疲れていたのだろうか、美味しそうなス
イーツのお店を特集していて、それが目に留まったのだ。情報誌のグルメ記事
のようだったが、あまり見たことない雑誌だなぁ、と思ってよく見たら、大学
生向けのクーポンマガジンのようだった。これは本屋には売っていないので立
ち読みもできないなぁ、と思ってちょっとがっかりした。
先日、街を歩いていたら、割と厚めの雑誌を配っているお兄さんお姉さんが
いた。何かの創刊キャンペーンかなぁ、と思ったら、とあるスクール情報誌が
今度から無料になりました、とのこと。おいおい無料かい、と思ってもらって
見てみたけれども、もちろん中身はちゃんと作ってあって、電車の中で、そこ
そこ時間潰しになった。
日本出版学会編『白書出版産業−データとチャートで読む日本の出版』(文
化通信社)によると、今の出版業界、雑誌の状態はこんな感じらしい。
「雑誌の推定販売金額(雑誌扱いのコミックスを含む)は、90年の1兆2638億
円から97年には1兆5644億円とピークに達したが、98年に戦後初めてマイナス
に転じ、02年では1兆3615億円まで縮小した。収益性の高い雑誌部門の不振は、
出版業界全体に大きな影を落としている。」(P12)
で、不振の原因としてよく挙がり、私もそうじゃないかな、と思っていたの
がインターネットの普及。しかしよく考えると、インターネットが即モバイル
人口の増加をもたらしたわけじゃないから、雑誌の暇つぶし機能がそのまま失
われたわけではないだろう。だとするとむしろ敵は携帯電話や携帯ゲームなん
じゃないかという気がする。
もう少し細かく考えてみると、まず、インターネットの普及が、情報はタダ
で手に入るという意識を広めた。今や情報そのものにお金を払う人は少なくな
ってきており、むしろ不要な情報を遮断してくれたり、自分好みに編集してく
れるサービスの方が、お金を払う理由になっている。人はマクロコスモスは認
識できないから、ミクロコスモスとして象徴してくれるものを求めているわけ
だ。で、情報自体には価値を見出さなくなっているから、雑誌にお金を払おう
とは思わなくなってくる。で、若者は雑誌を読むくらいならゲームをやってる
わけ。ゲームなら情報が入ってくるわけじゃないから疲れない。情報過多は疲
れる、というのが現代の若者なのだろう。やれやれ。
で、その結果、雑誌は0円になった。私がここでこれを「NEOフリーペー
パー」と命名してもいいだろうか? バブルの頃にはほんと、同人誌的で個性
的ななフリーペーパーがいくつもあった。(今もあるのかな?)そして今、不
景気の時代になって普通の雑誌そのものが0円になった。この「NEOフリー
ペーパー」が従来のフリーペーパーと違うのは、0円雑誌そのもの単体でビジ
ネスとして成立させようとしているところにある。
気をつけて街を歩いて見ると「NEOフリーペーパー」はいくらでもある。
有名なのはクーポンつき情報誌。これのビジネスのモデルはバナー広告付き
のサイトと同じ。クーポンつきならアフィリエートモデルであるとも言えるだ
ろう。無料だったら手に取ってもらえる。お客さんはちょびっとオトクだがら、
クーポンを利用する。利用してもらえれば広告主にとっても利益が出る。利益
があればまた広告を出してもらえる。これを地域毎で展開しているのがリクル
ートのホットペーパーで、よく考えられた仕組みだ。あまりに良くできている
からか、7月号の日経情報ストラテジーで特集を組んでいて、これは驚いた。
何でもブランドを維持するために、地面に捨てられたホットペーパーを回収す
る作業も人知れずやってたとか。涙ぐましい努力が実って、NEOフリーペー
パーの世界では押しも押されぬ巨人に成長した。(正確にいうと小さな地域別
の冊子のあつまりだから、巨人っていうのはちょっと違うかもしれないけど。)
無料といえば求人誌も忘れてはいけない。昔はバイト情報誌なんかもお金を
出して買ったものだが、デイリーanもそうだし、他にも無料で手に入るバイ
ト情報誌はごろごろある。考えてみればネットを使えばこれも無料な世の中だ
から、0円じゃなくちゃ誰も手に取らないだろうなぁ。というわけで住宅情報
誌ももちろん無料。不動産屋の前や私鉄の駅では、無料の情報誌がいくらでも
手に入る。
何かのショップに入れば、そのお店で出しているものが手に入る。ハンバー
ガーチェーンのもの、コーヒーチェーンのもの、CDショップにレンタル屋、
もちろん旅行会社にデパートまで。一体、この市場はどのくらいの大きさなの
かと想像もつかない。無料の情報を集めるだけでおそらく暇つぶしのネタには
事欠かないだろう。(でもこのあたりは「0円雑誌そのもの単体でビジネスと
して成立させようとしている」わけじゃないから、厳密には「NEOフリーペ
ーパー」とは言わないんだけど。)
そしてNEOフリーペーパー業界(?)で最近話題なのは、やはりリクルー
トが7月に発刊した『R25』だろう。これは団塊ジュニア層を中心としたM
1世代(20〜34歳の男性)を対象として創刊された、50頁程度の情報マガジン。
もちろん0円である。劇団ひとりが出演するCMも流れたので、ご存知の方も
多いとは思うけれども、念の為、URLも記載しておこう。
http://R25.jp/
編集長が何かのニュースで取材を受けていたけれども、この世代は長い文章
を読まないんだという。無料だったらさすがに持ってはいくだろう、というこ
とで、こういうことになったらしい。長い文章を読まない前提で作られている
から、全頁800文字のコラムが政治・事件・マネー・雑学など25本+インタビュ
ー。しかも全編カラー。薄いとはいえ、こんなのが毎週、無料でできてしまう
のかー、とかなり驚かされる。・・・でも通勤の途中にでもない限り、毎週揃
えるのは結構、キツイかも。
衝撃的なのは、この雑誌がこれまでのNEOフリーペーパーのような広告主
体のものではなく、読み物主体の情報誌である、ということだ。
考えてみればインターネットの普及で「書きたい人」というのは無限に増殖
し、逆に「読みたい人」は急激に減りつつある。この「書きたい人」を利用し、
きちんと「編集」するだけで、今後も低価格の情報誌はいくらでも作れるだろ
う。例えば、コレクターやマニアに自慢させるだけでもこだわり逸品情報誌や
映画情報誌などが作れそうだ。おそらく記事主体の「情報誌」であるNEOフ
リーペーパーが登場することにより、この市場はさらに拡大していくことだろ
う。そして雑誌の売上げ自体は今後も激減するかもしれないが、NEOフリー
ペーパーまで含めた発行部数は、復活していくのではないだろうか?
クーポンや広告モデルではないR25という試みがどれくらい続くかわから
ない。しかしNEOフリーペーパーの時代の到来を告げる予兆として、その展
開には注目していきたい。
ちなみにR25は自らの定義を「フリーマガジン」としている。うーん。こ
っちの呼称の方がスマートかな?
* * *
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■「出版☆広告批評」第5回/グッドスピード
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このメルマガの読者のみなさんは、本の収蔵に困っていないだろうか?
私はとても困っている。本を読むことを商売にしている人や、本そのものを
なんらかの目的で(あるいは単に)集めている人には遠くおよばないものの、
それでも知らないうちに、本が増殖している。
そのとき、通常、人は本を「本棚」に片付ける。が、その「本棚」をめっ
きり見かけなくなった。自宅で重宝しているのは、ひとり暮らしをはじめた
学生時代に、大学生協で購入したスチール製の本棚である。第一軽いし、棚
板が可動式で好きな高さに調節できるし、奥行きも四六判やA5判の本がスッ
ポリと収まるサイズ。汚れが着いても拭き取りやすい。
というわけで、このところ、スチール製の本棚を探しているのだが、なか
なか見当たらない。オフィス向けの家具としては、それに近いものを、店舗
や通販で売っているのだが、正確にはそれは本棚ではない。書類棚だ。それ
が証拠に、奥行きがありすぎる。奥行きがありすぎると、本を収めたときに
スペースにあまりが出てしまい、前にもう一列、本を並べることになる。そ
れでもいいといえばいいのだけれど、いうまでもなく、奥の本が取り出しに
くくなる。くわえて、奥行きが中途半端だと、前後二列に本を収めた場合、
前列の本の背の部分が飛び出してしまう。
一方で、じぶんでは組み立てられないような重厚な本棚は、よく見かける。
いわゆる家具のひとつとして、家具屋で売っている。ガラス張りの観音扉な
んか着いていたりする、しかし、だいたいそんなものは数十万円はするし、
重いし、偉そうなので買う気はしない。
街のリサイクルショップや、通販カタログなども漁っているけれど、眼を
惹く本棚はない。通販カタログでは個人向けの本棚も掲載されてはいるけれ
ど、だいたいが文庫本、コミックス用である。もちろん、それはそれで、ひ
とつ買っておくのが手だと思っているが、それで問題は解決しない。ハード
カバーの本を収める本棚が、私には必要なのだ。
朝日新聞には月に数回(たぶん)、本棚の通販広告が掲載される。最近で
は、8月3日付夕刊に、(株)朝日興発という会社の広告として載った。キャ
ッチコピーは「本もCD/DVDもVHSも→スライド書棚」。かたちやサイズや
色や価格の情報が写真付きで載っている。けれども、それだけじゃあ買う気
はおきません。本を所有する人向けの宣伝としては大いに不満である。
もうこの世には、本だけで勝負する本棚はないのだろうか? 本棚は卓袱
台のように、いずれは絶滅してしまうのだろうか? 本の危機は叫ばれるが、
本棚の危機は叫ばれないのだろうか? 本探しではなく、私の本棚探しは、
まだまだ続きそうだ。
(隔月掲載)
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■マエストロ鏡玉のメディア・ジャーナル
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死んでしまいたいときもある
自分から命を絶って
でも死んだらダメ、それは絶対に
良い子も 悪い子も 庭に出て遊ぼう
(Song by 2-3’s)
「中小企業の倒産自殺もやむなし」とする通産大臣の言明があったのは、昭
和27年(1952年)11月27日の国会本会議で、その発言の主は池田勇人である。
実際の発言内容は「インフレ経済から安定経済に向いますときに、この過渡期
におきまして、思惑その他の、普通の原則に反した商売をやられた人が、五人
や十人破産せられることはやむを得ない――お気の毒ではありまするが、やむ
を得ない」 http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/015/0512/main.html
というもので、先の言明は池田憎しで誇張された感があるものの、その時、
中小零細企業切捨ての政策が施行されつつあったのだろう。その政策は、大企
業と農民を支持層とする自民党と官公労労働者を支持者とする社会党による
「55年体制」で完成されるだろう。大企業社員と農民、官公労労働者以外の人
間はこのとき国家からは切り捨てられたのであった。ちなみに昭和29(1954)
年から昭和34年(1959)の6年間は明治以来日本の自殺率がピークに達した時期
であった。その後、日本は高度成長の道をひた走る。これらの死者があったこ
とも忘れて。
2003年の自殺者が3万4427人に達したというニュースほど、今の日本社会の生
きにくさを表わすものはない。いったい今、何が起きているのだろうか。
平成15年版国民生活白書は「デフレと生活−若年フリーターの現在(いま)」と
いう題で、まとめられていて、今の日本社会の現状を淡々と報告している。
→ http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h15/honbun/index.html
自殺の原因として急増しているのが「経済問題」である。自殺者の60%は
五〇才以上であるけれど、30代-40代の自殺者の急増も目立つ。白書にもある
が、97年までは2万人代の前半であった自殺者の数が、98年には3万人を越え、
その後下がることなく続いている。6年間で18万人以上! 自殺と失業率に
は密接な関係があると言われていて、今年、失業率低下の兆しがあるものの、
この苦しみはさらなる成長のため、「痛みに耐えよ」という悪魔のスローガ
ンを錦の旗に、企業の大胆な雇用調整はまだまだ続くのではなかろうか。こ
の多くの自殺者たちが教えてくれるのは、今後ある特定のものだけを栄えさ
せるための政治的・経済的な決定が、この何年かの間になされ、また今なさ
れつつあるということだ。
先日手に取った、野口やよい著『年収1/2時代の再就職』(中公ラクレ)は、
既婚女性の再就職をテーマにしつつ、今の日本社会の生きにくさを伝えてく
れる好著である。「AERA」の記事を読むみたいなところもあるけれど。
男性の雇用や収入が不安定になってきて、専業主婦である妻の再就職を必要と
する夫婦を著者は、HIKSカップル(Half Income with Kids)と呼ぶ。お
互いのことを思いつつ、きびしい労働−経済環境からすれちがっていく彼ら
夫婦、家族の姿を他人のものとしては読めなかった。
本書の最終部に家族そろっての散歩や食事、子どもとお風呂で遊ぶ「当たり
前の幸せ」を享受する一家の様子が描かれている。そう、そんなに大それたも
のを望んでいるわけではない。「当たり前のもの」でいい。ともに一緒にいら
れる時間と場所。それが、今や、なんて輝いて見えるのだろうか。
家族の食卓に湯気立てて寄り添う
みんなで決めた週末のメニュー
明日の朝、目覚めることがたのしみならいいね
幸せなんて本当は ありきたりさ
続くよ 続くよ
(「家族の食卓」Song by 斉藤由貴)
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■あとがき
前回は熊野詣のため休みました。とにかく遠いところですね、ハイ。前回紹介
し忘れましたが、初登場の八條稲作さんは、私の敬愛する現役の書店員さんです。
私ではありません。これからたびたびお出ましになるかと思います。ご期待く
ださい。(鏡玉)
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