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2000.6.15.発行 vol.36 [ケンブリッジの方へ 号]
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■■ [本]のメルマガ 2000.6.15.発行
■■ vol.36
■■ mailmagazine of books [ケンブリッジの方へ 号]
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■CONTENTS---------------------------------------------------------
★トピックス
★「全点報告 この店で買った本」/南陀楼綾繁
→大好評第二弾、某有名作家からもファンレター頂きました!!
★「本の周りをうろついて・・」/湯川新一
→今回は、ケンブリッジ大学の方に研修旅行のため、お休みです。
★「今日(こんにち)の芸術」/忘れっぽい天使
→読みたい人より、書きたい人が多いというジャンルの行く末を、現役詩人
たる著者が鋭く描きます
★「中国古典で浅学菲才が直る?」/掩耳(えんじ)
→自己決定は『論語』のサルまねだった?
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■トピックス
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■bk1プレサイトOPEN!
顔の見える店員が書評や記事で本を紹介して販売する・・・。
全く新しいタイプのオンライン書店bk1のプレサイトがOPENした。
編集長の保森氏(元BizTech編集長)、コーディネーターの安藤氏(元往来
堂店長)の顔も掲載されている。
http://www.bk1.co.jp
まだ本は買えないが、書評の一部を見ることができる。
今後、予約販売を積極的に行うという販売手法が、書籍の飽和状態にある
業界にどこまで影響を与えるか、注目される。
また、メールで「bk1に期待すること」というアンケートも募集している。
あて先は
enquete@bk1.co.jp
■青山ブックセンターのイベント情報
[本]のメルマガホームページの掲示板に、青山ブックセンターさんのイベン
ト情報が定期的に書きこまれるようになりました。ぜひ、ご覧下さい。
http://page.freett.com/anjienji/index.html
今回は、二つで――
姜尚中氏と宮崎学氏が今月末に朝日新聞社から共著を出版するのを記念して
7月15日(土)にお二人のライブトーク14:00から
また、、7月18日(火)午後7時から、同じ会場で建築家の隈研吾氏の講
演会が開催されるそうです。
場所は青山ブックセンター本店カルチャーサロン。
予約専用電話番号は03−5485−5513。
■堀江敏幸(ほりえ としゆき)さんトークショウ
6月17日(土)15:00より、ジュンク堂書店池袋店の9Fにおいて三
島賞作家の堀江敏幸さんの『子午線を求めて』(思潮社)『書かれる手』
(平凡社)の刊行を記念しましてトークショウが開かれます。入場料千円
ドリンク付きです。
■これは珍しい、マッチラベル展
7月9日より15日まで、銀座のAGギャラリー(03−3573−367
6)において、日本有数のマッチラベル収集家、加藤豊さんのマッチラベル
展が開催されます。デザインとしても卓越した燐票の世界、1度覗いてみて
はいかがでしょう。
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■「全点報告 この店で買った本」/南陀楼綾繁
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全点報告 この店で買った本
第2回 行楽シーズンの五月、いろんな場所で本を買う
一カ月に買った新刊書・雑誌の全点を、買った書店名をともに公開する買
い物記録。第二回目でございます。
日記がモトになってるとはいえ、抜けてる日もあるし、値段までいちいち
書いてないので、リストにまとめるのはけっこう手間取る。ただでさえ家計
簿をつけてるみたいで消耗する作業なのに、今回は、半分まで書いたところ
でパソコンが止まってデータが吹っ飛んでしまった。さァ殺せ(泣く泣く最
初から書き直しました)。
今回から、新刊書店以外の美術館・古書店などで販売している新刊書・雑
誌も一緒にリストに入れることにした。ドコで買おうと本は本だし、その場
所でしか買えない本を紹介したい気持ちもある(ただし、あくまで新刊書に
限り、古書は除く)。そういうイミで、いわゆる商業出版物ではないミニコ
ミも入れることにする。この記録を見れば、ミニコミを買う客が他の本もよ
く買うことが判るはず。いろんな書店がメンドくさがらずにミニコミを扱っ
てくれるようになれば、ウレシイ。
五月四日
◎ 三省堂書店(神田本店)
鍋島高明『今昔お金恋しぐれ 文学にみるカネと相場99話』河出書房新社、
1800円(税別、以下同じ)
『東京人』6月号、857円
【ひとこと】『今昔お金恋しぐれ』は一階入って右の新刊コーナーで発見。
こういう地味な本は、数週間経つと極めて見つけにくくなるので(こっちも
存在を忘れる)、慌てて買う。しかもこの本、河出は発売元で、著者が所属
する「市場経済研究所」が発行所なのだ。
五月五日
◎ 神奈川県立近代美術館・売店
『20世紀最大の風刺画家 ジョージ・グロス』2400円
『モボ・モガ 1910-1935展』2200円
『コレクションの文化』300円
【ひとこと】いずれも展覧会の図録。グロス展を観に行ったのだが、過去の
展覧会の図録も買ってしまう。この美術館が出す図録はどれも本として魅力
がある。『サーカスがやってきた!』の図録(1400円)なんてヨカッタよなァ
(古本屋で買ったけど)。ちなみに、ホームページに販売可能の図録一覧が
載っている(http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/kinbi.htm)。
五月七日
◎ハートランド(西荻窪)
『言うだけ番長』第7号、571円
【ひとこと】ハートランドはカフェもある古本屋。ミニコミを何種類も置い
ている。
五月九日(火)
◎フィクショネス(下北沢)
リチャード・パワーズ『舞踏会に向かう三人の農夫』みすず書房、3200円
ミニコミ『ヒヨコア』第4号、600円
『別冊車掌2』(日記特集)400円
『フィクショネス・マガジン』第2号、?円
『HEARTdeGO』第11号、429円
『それゆけポン太』第3号、300円
未生響『回文戯詩 カイゼル製菓』空中線書局、1500円
【ひとこと】文芸と絵本の店としてスタートしたが、店の半分近くをミニコ
ミ・フリーペーパーが占めるという珍しい展開に。椅子もあるので、座って
本を選ぶことができる。ココに来ると、とにかくミニコミをみつくろって買
い込む。『カイゼル製菓』は、「ビブリオ・アンテナ」シリーズの最新作。
本としてのクオリティがじつに高い。
五月十日
◎某店(市谷)
『噂の真相』6月号、470円
『噂』6月号、429円
『文藝春秋』6月号、657円
【ひとこと】昼飯に出かけたとき、裏通りに小さい書店を発見。単行本はホ
トンド置かず、文庫もマンガもほんの少ししかない。雑誌がメインの店。奥
にエロビデオのコーナーがある。『噂の真相』のヨコに、判型もデザインも
そっくりな『噂』という雑誌が置いてあり、ビックリして買う。しかし、本
文レイアウトも一行ゴシップもそっくりパクってるのに、ナニひとつおもし
ろくない。逆にマンネリに見えても本家はけっこう大した雑誌なのだと再確
認させる結果に。
五月十一日
◎丸善(お茶の水店)
中山茂『20・21世紀科学史』NTT出版、2500円
コイデヒロカズ編『テクノ歌謡マニアクス』ブルース・インター・アクショ
ンズ、1800円
トマス・H・クック『夜の記憶』文春文庫、619円
近田春夫『考えるヒット3』文藝春秋、1524円
『本の雑誌』6月号、505円
【ひとこと】最近、この店に行くと、人文系の棚に乗せてある木村義之編『
隠語大辞典』(皓星社)というバカでっかい本を開いては、買おうかどうし
ようかと悩んでいる。古今の隠語語彙を集大成した画期的な本なのだが、一
五〇〇ページで二万八千円にはさすがに躊躇せざるを得ない。ところで、丸
善がレジで掛けてくれるカバーは、右袖は本の表紙がすっぽり入るようにな
っているのだが、左袖は折り返すだけのもの。掛ける手間は省けるのだろう
が、これだと読んでるウチにずれてくるんだよなあ。オレの経験では、右も
左も表紙を入れて込んでくれるのが東京堂書店。紀伊國屋書店や書泉はたし
か片側だけ。一番イヤなのが八重洲ブックセンターで、本の表紙よりもちょ
っと天地を短めにカバーを掛けるだけなので、後から自分で袖に入れようと
思っても、入らないのだ。中山茂の本は先月も買っているが、べつにボケた
わけじゃない。ウチの雑誌では書評に取り上げる場合、一冊を著者に送り、
もう一冊を編集用に使うのだ。
◎ディスクユニオン(お茶の水1号店)
『ラブ・ジェネレーション1966-1979』音楽之友社、1600円
【ひとこと】レコード屋にこんなに充実したカタログ本が置いてあれば、つ
い買いたくなってしまうのは人情。しかも、この店は数十点しか本を置いて
ないのに、一押しの本はどーんと何十冊も平積みするのだ。キメ売りの極致
。
五月十四日
◎紀伊國屋書店(新宿南店)
星野芳郎『インターネットの虚像』技術と人間、2000円
白川静『回思九十年』平凡社、1700円
堀田穣『図書館のある都市(まち)への旅』鹿砦社、1600円
とがしやすたか『青春くん』第7巻、小学館、800円
野中英次『ドリーム職人』第3巻、講談社、533円
【ひとこと】上の三冊はハイブリットウェブ・サービス
(http://www.kinokuniya.co.jp/01f/hybrid/hybridwb.htm)で注文してお
いた本。注文した本を買うだけだと味気ないので、つい棚を見てしまうが、
この店の人文書売場はあまり魅力ないんだよなぁ。点数もそこそこあるし、
売り場も広いのだが、買いたいと思う本がほとんど見つからない。狭くてゴ
チャゴチャしてるけど、新宿本店の方が買う気を起こさせる。
五月十六日
◎青山ブックセンター(青山本店)
佐野山寛太『現代広告の読み方』文春新書、690円
河内紀『古本探偵2 解体旧書』北宋社、1800円
巽孝之編『日本SF論争史』勁草書房、5000円
鈴木啓之『王様のレコード』同文書院、1600円
倉多江美『お父さんは急がない』小学館、505円
『マンガ・エロティクス』2000年春号、780円
【ひとこと】二カ月ぶりぐらいで来たので、いつもの通りのコースを流すか
ァと気軽に入ってみると、いつの間にやら大幅なリニューアルが行なわれて
いてビックリ。一番大きな変化は、レジから向かって右側の、カルチャーサ
ロンがあったスペースを、すべて売り場に割いたこと。その結果、入り口に
近い左側が文芸書、右側が人文社会、理工書、そして中央がアートと文庫と
いう、かなり大胆な配置になる。各コーナーに余裕が出たせいか、同じ本で
も傾向によって二カ所に置いたりしている。目的のジャンルが決まっていれ
ば、探しやすいといえる。しかし、難を言えば、コレまで一続きのものとし
て見て回っていた、近接のジャンルが離れた場所に置かれてしまった。しか
し、コレもそのうち慣れるだろう。僕は本屋のリニューアルがほとんどが経
営者の自己満足で、客にとってはメーワクなだけだと思っているが、この店
の改装にはついて行きたい気がする。んで、自分勝手にご祝儀という意味も
含め、何冊か買う。七時から、場所が移ったカルチャーサロンで、姜信子+
姜尚中の対談「〈棄郷〉という生き方」を聞く。帰宅してから積ん読してた
、姜信子『棄郷ノート』(作品社)を引っぱり出し、読み始める。
五月十七日
◎ブックサービス(オンライン販売)
阿奈井文彦『アホウドリの韓国ノート 1987年夏』現代書館、2000円
阿奈井文彦『からだとの対話』現代書館、1300円
【ひとこと】ブックサービス(http://www.bookservice.co.jp/)のデータ
ベースがどれだけ使えるか試した。同じ著者の本を五冊発注して、手に入っ
たのは二冊。コレは打率としてはどうなんだろうか。残りの三冊は、結局オ
ンライン古書店で入手した。
五月十八日
◎紀伊國屋書店(新宿本店)
山本夏彦『完本 文語文』文藝春秋
【ひとこと】二階売場がちょっとレイアウト変更。の文庫本売場の真ん中に
台を置き、売れ筋の単行本を並べていた。けっこう目立つ。
五月二十日
◎三省堂書店(神田本店)
鵜飼正樹ほか『戦後日本の大衆文化』昭和堂、2400円
川村邦光『民俗の知の系譜』昭和堂、2400円
柴田寛『機械屋の見た明治の西洋』朱鳥社、1500円
野崎充彦『青邱野談 李朝世俗譚』平凡社東洋文庫、2700円
【ひとこと】人文書売り場に行くとヘビーな本ばっかり買っちゃうから、イ
ヤなのだが。日本史のコーナーに、松本雄二郎『明治の楽器製造者物語』と
いう自費出版のジミな本が、二年以上前からずっと平積みになっている。担
当者のシュミなのか、それともこの本が「製作 三省堂書店」だからなのか
(たぶん後者だな)。オモシロそうな本なのだが、一万八千円もするので買
えない。レジで復刊された『神保町新聞』(三省堂本店のフリーペーパー)
も貰う。
五月二十三日
◎フィクショネス(下北沢)
『月蛙』第2号、999円
『のまど』創刊準備号、286円
【ひとこと】今月二回目。下北沢はキライな街なので、ふだんは滅多に来な
い。
五月二十四日
◎ジュンク堂書店(池袋店)
西野嘉章『装釘考』玄風舎、5800円
『赤瀬川原平の今月のタイトルマッチ』ギャップ出版、1600円
加藤理『駄菓子屋・読み物と子どもの近代』青弓社、1600円
岡崎武志『文庫本雑学ノート 二冊目』ダイヤモンド社、1600円
W‐J・オング『声の文化と文字の文化』藤原書店、4078円
『季刊・環』藤原書店、2000円
『胡散無産』第9号、600円
渡辺淳『パリ・1920年代 シュルレアリスムからアール・デコまで』丸善ラ
イブラリー、700円
【ひとこと】四階で「パリ」「藤原書店」「大衆芸能」と、小さなフェアを
三つも同時にやっている。以前に出た本が一つのテーマでまとめて見られる
のはありがたい。店員はタイヘンでしょうが、こういうフェアはどんどんや
ってほしい。オレみたいに、三つのフェアで四冊も買っちゃうヤツがいるか
もしれないっす(さて、どの本をどのフェアで買ったのでしょう?)。この
後、リブロに寄ったら、文芸書売り場で、二十代のサラリーマンが「相田み
つをの本ありますか?」と店員に聞いていた。そうかァ、みつをファンはリ
ストラされたオヤジだけじゃないんだ。気になるので横目で見ていたら、『
にんげんだもの』(文化出版局)をレジに。しかし、暑い日でこの本が四角
形で平べったいからって、ウチワ代わりに使うのはいただけないなあ、キミ。
五月二十五日
◎丸善(Bunkamura店)
安野光雅『おとぎの国の郵便切手』岩崎書店、1300円
『SUMMER STORE』第3号、286円
【ひとこと】Bunkamuraの地下にある本屋。オープンカフェとかスカした映
画をやってる建物なのであまり入りたくないが、書店としては美術・映画・
演劇に強いので年に数回来る。ココが丸善とは、今日初めて気が付いた。入
り口は大きいガラスの自動ドアで、開く瞬間、いつも驚いてしまう。美術書
はもちろん、ちょっとビジュアルな本をよく選んで揃えてある。奥の方に、
COLLECTERというコーナーがあり、タバコのパッケージやペッツ、おもちゃ
などのコレクションの洋書がたくさん並んでいた。
◎ ブックファースト(渋谷店)
『ぼくのシベリヤの伯父さん 長谷川四郎読本』晶文社、1800円
レコード・コレクターズ増刊『無人島レコード』ミュージック・マガジン、
1429円
江口寿史『キャラ者』双葉社、933円
藤子不二雄A『妻たおれ夫オロオロ日記』中公文庫、838円
【ひとこと】二階に行って、植草甚一などの著者名が並んでいる棚を眺めて
いたら、長谷川四郎の単行本を発見。一九八一年に出た本が、新刊でまだ手
に入るのか。この店はこういうさりげない出会いがあるからウレシイ。探し
ている本が確実に見つかるという安心感がある店は信頼できるが、意外な発
見が多い店はアリガタイ。とくにブックファーストは最初ハッキリ云って「
どーせ代わり映えのない大店舗だろ」とナメていただけに、先入観をひっく
り返されて、余計にアリガタ感が高まるのだ。その結果、何冊も買い込むコ
トに。各階を回るが、どのコーナーもイイよなァ。ちなみに、地下のジャン
ル表示のボードが、他は「クラシック」なのに、一つだけ「クラッシック」
だった。クダラン発見ですが。
五月二十七日
◎ 書肆アクセス
『遊牧民の建築術 ゲルのコスモロジー』INAXブックレット、1400円
松本大洋『メザスヒカリノサキニアルモノ若しくはパラダイス』フリースタ
イル、1500円
鈴木漁生『漁生の漫画家残酷物語』幻堂、1600円
『中南米マガジン』第7号、500円
『町雑誌 千住』第10号、300円
◎岩波ブックセンター
『遊牧民の建築術 ゲルのコスモロジー』INAXブックレット、1400円
『三田文学』臨時増刊「三田文学名作選」1333円
木村聖哉・鶴見俊輔『「むすびの家」物語 ワークキャンプに賭けた青春群
像』岩波書店、1900円
【ひとこと】今日は、INAXブックレットを二冊手に入れねばならない。
この本に妻がイラストを描いているのだが、明後日から海外にこの本を持っ
ていって知人に渡したいというので、急遽手に入れる必要が生じたのだ。こ
ういう場合、京橋のINAXのブックショップに直行するのが正しい手なの
だが、なにぶん、今日は神保町によった後、仕事場に行かねばならぬのだ。
知恵を絞って、まず書肆アクセスで一冊入手。そこで教えてもらって東方書
店に行くがココは在庫切れ(店の人に「じゃあアクセスに行ったらどうです
か」と云われた。この辺の書店はお互いの棚を把握してるんだなァ)。それ
では、ココで最後と、岩波ブックセンターへ。予想通り一冊あり、買う。こ
ういう「読み」が当たると、何だかウレシイのはナゼか。
◎モリサワ・タイポグラフィ・スペース
高橋善丸『お薬袋』500円×2冊
【ひとこと】フォントメーカー・モリサワのギャラリーでやっている「お薬
のグラフィック展」の小冊子。同じ著者で『お薬グラフィティ』(光琳社出
版)という本もあるが、こういう小冊子はパラパラ見るのも良し、ヒトにあ
げるのも良しで、二冊買うことが多い。
◎文鳥堂書店(飯田橋店)
さそうあきら『トトの世界』第3巻、双葉社、533円
猿山長七郎『はたらく漫画家』集英社、667円
【ひとこと】この店のマンガ売り場は広くていいなあ。以前に出た本を探す
のには、便利。
五月二十八日
◎高岡書店(神保町)
谷岡ヤスジ『21世紀のアサ〜ッ!』白泉社、581円
【ひとこと】大きい書店のマンガ売り場がけっこう充実してきたので、こう
いうマンガ専門店が狭くて、案外欲しい本が見つからないコトに気づく。た
だ、出たばかりのマンガがどーんと平積みされてて、仕事に行く前にちょっ
と寄るのには便利。
五月三十日
◎ブックスぱぱら(西巣鴨)
岡井耀毅『評伝林忠彦 時代の風景』朝日新聞社、3800円
【ひとこと】友人の彼女が勤めている店で、この本が出るコトを聞いて、予
約しておいてもらった(恐ろしいことに、そのことをすっかり忘れて書店で
見かけて買いそうになった。ヤバイ)。だから、この店にはまだ行ったこと
がないのだ。
今月の購入本 計69冊
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■「今日(こんにち)の芸術」/忘れっぽい天使
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文学の流通はどうすればいいのか序説
ぼくは詩を書くということをする人間だが、書き始めたきっかけは「優れ
た詩作品を読んだから」である。それまで読んだこともなかったようなカッ
コイイ言葉の群れに感動し、こういうものを自分も書くことができればなあ
と思ったわけだ(ちなみにそれは瀧口修造の詩だった)。
だが今、「読んだ衝撃が書くことのきっかけ」になっている人はどれだけ
いるだろ う? ぼくの知っている若い優秀な詩人たちは、仲間同士の作品
以外は、ほとんど詩を読んだりしない。「現代詩手帖」とか「詩学」といっ
た詩誌を購読している人も一人もいない。もちろん各々自分の好きな詩人は
いるのだが、そうした詩人たちの作品を文学史的な文脈の中で読むというこ
とは全くしない。だから「荒地」だの「列島」だのといった戦後詩に一時代
を築いたグループの名を言っても「何それ?」という顔をされる。
要するに、天才詩人崇拝と詩壇崇拝がなくなった、ということ。
それ自体は実は結構なことだと思う。
今まで「詩壇」に認められなければ、という意識が詩人たちの中で強すぎた
ように思われるのだ。鮎川信夫や吉岡実ら少数の「大詩人」に憧れ、彼らの
スタイルを真似することで詩作をスタートさせ、商業詩誌の「新人作品欄」
に投稿を続け、選者に認められるようになってようやく一人前―こうしたも
のが「詩人になる」ためのプロセスだとすると、表現へ向かう意識が、詩壇
の中央集権的な美の基準に縛られてしまう。更に、詩壇の中での自分の位置
づけなどを考え始めると、これはもう単なる会社の中の出世競争と同じだ。
皆、似たような書法で似たようなテーマを扱い、「大詩人」たる選者に認め
られようとする。詩全体がつまらなくなって詩壇が破綻するのは時間の問題
だったのだ。
では、これから詩にとって夢の未来が待っているかというと、そうではな
いのだ。各々自由に書き始めたのはよいが、その作品を評価してくれる公共
の器がない。従ってどこで誰がどんなことをしていて、そのことにどんな重
要性があるのか、全くわからない状態になっている。その詩を読むことが彼
もしくは彼女の作品の発展にとって欠かせない、という場合があったとして
も、そんな詩に出会うためには幸運な偶然に任せるよりない状態である。今
、詩人たちの間で「詩を読む力」がどんどん衰弱してしまっている。
文芸評論家福田和也氏の「作家の値打ち」(飛鳥新社)がベストセラーに
なっている。エンターティメント系・純文学系のそれぞれの小説家の主な作
品に点数をつけて格づけし、短評を加えたもの。膨大な作品を読みこなす時
間を考えると驚くべき労作だと言えるだろう。彼は、ブームに乗って質の低
い作品も持て囃される傾向のあるエンターティメント文学、「文化」として
保護された末活力を失いつつある純文学の両方に危惧を抱いており、徹底し
て作品の質を問う作業を行うことを「批評家の責任」と考えている。その意
気込みが伝わってきて、楽しい本に仕上がっている。
ところで、福田氏がここで目指しているのは、文壇の権威の復権ではない
だろうか。小説を中心とする文壇では、詩壇ほどではないにせよ、どうも相
当評論家による価値づけの権威が落ちてしまっているらしい。質を問わない
商業主義か、アカデミズムを後ろ盾にした純文学信仰の二本立てからなる文
学の流通を、かつて小林秀雄やら江藤淳やらがいた頃のように評論家主導の
ものに変えたいと考え、また変えることが文学の明るい未来のために必要不
可欠と考えているのだろう。少数しか生まれてこない偉大な文学作品を、不
特定多数の読者がどうしたら「正しく」崇敬することができるのか−福田氏
は大衆を導く指導者としての知識人(=文壇内の評論家)の役割の重要性を
信じてやまないように見える。
しかし実は、大衆は最早偉大な作品を崇拝することに飽きてしまっている
のではないか。大衆は福田氏のガイドブック自体は楽しく消費するだろうが
、そこに載っている「質の高い作品」を苦労して読もうとは思わないのでは
ないか。更に推測すると、大衆が真に望んでいることは、作品を消費するこ
とよりもむしろ生産することなのではないか、という気がしてくる。
ネットサーフィンすると、自作の小説や詩を発表する場としてホームペー
ジを活用する人が夥しくいることがわかる。それはもう、ものすごい数であ
る。昔、同人誌で文学やってました、という人が40代以上の人にちらほらお
見受けするが、それらを遥かにしのぐ数で今、若い人たちが文学作品の製作
を行っているのだ。もちろん、それらの大部分は「作品」の名に値しないよ
うな幼稚なものである。しかし、その、「自分をわかってくれ」という表現
欲の噴出だけは、消費欲を上回るものがあるのではないかと思われる(本当
は「自分」を超えるものが作品の中に表出されるのでなければダメなのだと
思うが)。
目下のところ、ぼくの関心事は、表現欲と消費欲をどう結びつかせていく
かというところにある。読み手は潜在的な書き手であるという認識を踏まえ
るのでなければ、文学や思想の流通はうまくいかなくなるのではないだろう
か。
中央集権的な「一対多数」でなく「多数対多数」の交通の中で、「良いも
のは良い」と認められていく共通基盤ができていくうまいやり方はないもの
か。
この問題は随時取り上げていこうと思っています。
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■ 中国古典で浅学菲才が直る?/掩耳(えんじ)
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ねえ、孔子さん、他人に迷惑をかけない限り、何をやってもいいの?
現在、<倫理>を語る立場には、大きく分けて二つあります。
一つは、共同体主義。
「人間はポリス的(社会的、政治的などと訳されますが)動物である」とい
うアリストテレスの言葉にもあるように、人間である限り、必ず何らかの共
同体に所属しているという刻印があるはずです。例えば、国民や家族、会社
や学校、果てはハッカーやネット荒らしの秘密組織なんていうのもあるのか
もしれませんが(笑)。
その、共同体や社会にこそ価値基準の根本を置くべし、というのがこの共同
体主義です。基本的に、自殺や売春なんて、もっての他です。代表的な論客
が、『美徳なき時代』のマッキンタイア。
もう一方が、自由主義、自己決定の立場。
「(正常な判断力のある人間なら)他人に迷惑をかけない限り、何をやって
もいい」という立場。自分の損になる行為もOK。こちらは宮台先生がその
代表。
そして、この自己決定を象徴する言葉、実は孔子の言葉にかなり似ています。
「己の欲せざるところ、人に施すなかれ」(『論語』)
まさに、前半部分は瓜二つといっていいでしょう。これは、実はキリスト教
的伝統である
「他人からして欲しいと思うことを、そのまま他人にするがいい」(『マタ
イ伝』)
と、鋭く対峙します。相手の世界観を尊重するか否かの差、と言ってもいい
のかもしれません。例えば、少し前まで、日本におけるボランティア団体の
ほとんどが、キリスト教系だったこと(仏教は、葬式挙げてるばかりで、何
もやらしまへん)をこの差異は説明するかもしれず、また同時に、ラテンア
メリカの原住民を殺戮し続けたのが、キリスト教徒であった――という事実
を重い手応えを持って感じさるものかもしれません。
しかし、自己決定と孔子の立場は、後半部分で鋭く対峙します。
「〜限り、何をやってもいい」
「〜ことを、人にしてはいけない」
そう、自己決定においては、ここから個々人の試行錯誤が始まります。目の
前に広がる膨大な選択肢から、自分にとってよりよいものを選びとらなけれ
ばならないのです。
一方、孔子は、この言葉とセットでは語っていませんが、その向かう先は―
<できれば、知識や関係性のノウハウを学び、家族を円満にして、古代の聖
王の行った理想的な政治にのっとってみんな仲良く暮らせる国を作る>
こんな道が示されています。これは、共同体主義そのもでしょう。
しかし、この部分、<できれば>のところが重要なのです。孔子は『論語』
の別の部分で、「春の日差しの良い頃合に、子供たちをつれて、外で歌など
を謡いながらのんびりすること」という理想を語った弟子に、私もまったく
同じ考えだ、と同意してみせたり、はては「俺はもう何も言わん。自然は何
も言わなくても、順調にめぐっているじゃないか」と口走ったりしています。
そう、どうも、学問して国を治めるという道は、非常に有力ではありますが、
一つの選択肢に過ぎないということを孔子は重々承知していたようなのです。
そして、そのような<立派な人物になる>道ばかりが、人生ではない、とふ
っともらすのです。
孔子って、結構、自由主義者だったかもしれない、と浮かび上がる瞬間がこ
こにあります。
そして、戦後二人目の東大社会学博士でありながら、テレクラにうつつを抜
かしていた宮台先生が、この部分にネガのように二重うつしになってくるの
です。
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■あとがき
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>精神科医の方にお話伺ったことがあるんですが
>はあはあ
>精神科って、実は、あんまりもうからないらしいんですよ
>え、そういうものなんだ
>いや、つまり、精神病の患者さんで滅茶お金持ちとか、医療費すっごくか
かって病院ウハウハって人、あんまりいないんだって
>はあ、なるほどねえ
>だから、大病院とか大学病院って、そちらにお金を投資して人材なり設備
を充実させようってあんまし、しないらしい
>はあ、元が取れないってことね
>で、最近いろいろ事件あったわけでしょ。精神科医を表層的に責めるのも
いいんだけど、それより根本のところで、社会的にも非常に重要な仕事をな
さっているわけだから、そちらにお金なり、設備投資がきちんと行くように
しないとイカンのじゃないかと・・
>マスコミってホント表層だけで、批判垂れ流しますからねえ・・このメル
マガも自戒しないとねー。あ、そうそう、今回のタイトル、ケンブリッジの
方とは、単に西の方ということです
>おいおい、インチキ消火器屋か(笑)
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