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2000.12.25.発行 vol.55 [桜庭、次はヒクソンだ 号]
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■■ [本]のメルマガ 2000.12.25.発行
■■ vol.55
■■ mailmagazine of books [桜庭、次はヒクソンだ 号]
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■CONTENTS-----------------------------------------------------------
★トピックス
→イベント、書店情報、米国「サヨク」知識人事情
★「SM日記」/本屋のSM嬢
→ボ客様第二弾と、読者の方からのご投稿。いるいる!
★「脱・書店員日記」/aguni(あぐに)
→脱ベストセラー時代の販売戦略は? ヒートアップするシリーズ第二回。
★「現代思想の最前線」/五月(ごがつ)
→Any会議以後の、20世紀末最後と新世紀の建築理論系新刊の顔ぶれは。
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■トピックス
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■間に合うか本日最終日! クリスマス必見イベント
ペヨトル工房主宰の今野裕一氏による、解散後のパフォーマンス演出第一作が
本日最終日! 身体の痕跡を残していく砂塵と、林立する光のインスタレーシ
ョン、陰Yingと陽Yangあるいはドゥブル(分身)のような女性たち、激しい駆
け引きを交わす男と女、加速するココロ、そしてこっぷノなかノ太陽。新ユニ
ット、2マイナスコンプレクスによる、必見の舞台をお見逃しなく。恋人同士
で行かれる方、必ず「思い当たり」ます。アナタガ死ンデモ傷ハ消エナイ……
2マイナスコンプレクス公演「こっぷノなかノ太陽」
日時:1999年12月25日(月)開場午後6:30/開演午後7:00
当日券:3000円税込、電話:03-5802-5387(解体社)
会場:劇団「解体社」FREE SPACE カンバス http://www.kaitaisha.com/
JR山手線・営団地下鉄丸の内線「御茶ノ水駅」下車、湯島方面へ徒歩五分。
台本・演出:今野裕一、出演:片上守/中嶋みゆき(解体社)/長沢恵
■オンライン書店BOL、中国語サイトが誕生
二年前までは低調と言われた中国のドット・コム産業は、シンガポールや香港
などの東アジア市場の成長の影響を受けるようにして、IT系の進展が目立っ
てきた。ドイツのメディア複合企業ベルテルスマンは、さる2000年12月20日、
グループで第16番目となるオンライン書店を、中国の上海を拠点にオープンさ
せた。「BOL日本」の開設からわずか6ヶ月、アマゾンより先んじていた全世界
展開をまた一歩進めたかたちになる。中国語の書籍約11万タイトルを扱う。
英文詳細 http://newsroom.bol.com/english/press/2_2_pm14.html
■神保町新聞ミレニアム最新号
三省堂書店神田本店が発行しているフリーペーパー「神保町新聞」の最新第六
号がミレニアムを記念し、2000年12月末より配布開始。特集は、出版人・書店
人による「20世紀、私の三冊」。好評連載は、書き下ろし詩篇、一押しコミッ
ク、現代思想先物買いレポート(ジュディス・バトラーの新刊を紹介)です。
店頭にて無料配布。なお休業は2000年1月1日、2日。6時までの短縮営業が1999
年12月31日と2000年1月3日。その他は通常営業10時-19時です。[本]のメルマ
ガは、リアル書店発の情報発信を応援しています!
■本屋+フレンチ・レストラン、千代田区麹町に開店!
千代田区麹町3-12-6、地下鉄有楽町線・麹町駅3番出口から日テレ方向に出て
1つ目の信号を左へ、徒歩2分、「A|Z Books&Cafe」という名前
のお店が誕生した。地下鉄半蔵門線・半蔵門駅からも近い。営業時間は午前11
時から午後11時(土・日・祝は午後7時まで)。きちんとした食事ができて、
ワインも美味しくて、落ち着けて、セレクトされた本もきちんと買えて、きち
んと読める、そんなお店を目指す!、とのこと。皆さんのお越しを、心よりお
待ち申し上げます。お店に関するお問合せはNPVマネジメント電話03-3511-
1539まで。サイトは現在一部公開中 http://www.npv.co.jp
■ローティの当たり年?
現代アメリカ哲学におけるネオプラグマティズムの旗手リチャード・ローティ
(1931-。スタンフォード大学比較文学教授)の著書邦訳や研究書が昨年末以
来目立っている。岩波モダンクラシックス・シリーズの一冊として『連帯と自
由の哲学:二元論の幻想を超えて』(岩波書店1988年)が1999年11月に再刊され
たのを皮切りに、渡辺幹雄氏(1967-。山口大学経済学部教授)による研究書
『リチャード・ローティ ポストモダンの魔術師』が翌12月に春秋社から刊行
され、再び2000年の年末が迫る10月に岩波書店から『偶然性・アイロニー・連
帯:リベラル・ユートピアの可能性』が発売。翌11月には原著1998年刊の最近
作『アメリカ 未完のプロジェクト:20世紀アメリカにおける左翼思想』が晃洋
書房から出版されている。アメリカの「誇り」を復権させ、左翼知識人の衰退
を批判したこの最近作(原題は『国家を成就する』)は、国内で大いに物議を
醸してきた話題書。著者自身による自著の弁明は以下で読める(英文)。
http://www.theatlantic.com/unbound/bookauth/ba980423.htm
なお原著近刊は、二人の学生Derek NystromとKent Puckettによる四時間にわ
たるインタビューのパンフレットで、2001年1月発売予定だ。
"Against Bosses, Against Oligarchies: A Conversation with Richard
Rorty" Prickly Pear Pamphlets. paperback, 64pages, $6.00-,
ISBN:1891754106
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■「SM日記」/本屋のSM嬢
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第2回 お問い合わせカウンターでの出来事(2)
皆様こんにちは、本屋のSM嬢と申します。年末の新刊ラッシュで目が回りそ
うです。注意力がとぎれるとふとしたミスで、お客様からお叱りを頂戴するこ
ともあるこのシーズン、帰宅途中の寒い北風が頬に沁みます。今回もお客様と
の素敵な、勉強になった出会いをご報告させていただきます。
お題(1):「ボ客」様!特別篇
40代とおぼしき男性のお客様からのお問い合わせです。「『***』という題
名の本を探しているんですが」「お客様、出版社の名前はお分かりになります
か」「ええと「しょうしゃ」ってあるね。小さい社と書いて」「あの、それは
社名ではなくて「わが社」というほどの意味かと……」「えっ、じゃあこちら
の本屋で出版しているんだね!」。突っ込みたい、ああ。
お題(2):投稿を頂戴しました:「良くお見かけするタイプ」
こんにちは、わたしも書店の案内所で働いています。私の職場(カウンター)
にも、同じようなお客さんがたくさんいらっしゃいます。どこも同じなのです
ね。よく新聞の切り抜きを持って来て「これある?」とお尋ねの方がいらっしゃ
いますが、「少々お待ち下さいませ」と棚からとってきて「こちらでよろしい
でしょうか?」とお渡ししてホッと一息ついていると「じゃあこれは?」とも
う一枚切り抜きを出される方がいらっしゃいますよね? 一度カウンターから
出て探して来た手前、2回目も同じように棚から見つけて来るのですが、それ
をあと何回も繰り返されるのです。切り抜きをあちこちのポケットやら手帳や
らからバラバラ、バラバラ出されるので、私達の間ではこういうタイプのお客
様を「マジシャン系」と呼んでいます。 [キョウコ様からのご投稿]
キョウコ様、お声をお寄せいただきましてありがとうございます。共感の嵐で
すぅ! 私が勤務しております本屋にも「マジシャン系」のお客様がおいでに
なるときがあります。きっとお客様にとっては「お、この本屋ならありそうだ
ぞ」と期待していただいているのでしょうから、私たちも一生懸命お応えしま
すよね。
※皆様からのご意見ご感想、あるいは体験談を kleinwald@hotmail.com まで
お寄せいただければ幸いです。
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■ 「脱書店員電脳日記」/aguni(あぐに)
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第20回「本」にとってのパーミッションマーケティングとは何か? その2
パーミッション・マーケティングの「パーミッション」というのは、「許容」
という意味である。ではパーミッションがないマーケティングは何かというと、
これはメールの用語を使っていえば、「スパム」である。迷惑なだけでマーケ
ティングとしてはまったく効果がない。
これはセクハラの事例と良く似ている。例えば女の子に「今日は奇麗だね」
と言う。相手の子が少しでも自分に対して好意(別に恋愛感情でなくてもいい)
を持っていてくれれば、この発言を彼女は「許容」してくれるだろう。しかし、
彼女がまったく私に興味がなかった場合、あるいは悪意・敵意すら持っていた
場合、これは立派なセクハラになる。
相手の「許容」を得て始めて効果的なマーケティングが成り立つ、という考
え方こそが「パーミッション・マーケティング」の意図するところである。
本の一つの特徴として、中身が買う段階ではわからない(あるいは使えない)
ことがある。
本の魅力がそれを保持していることにあるのか、読後感の楽しみにあるのか、
はてまた読んでいる時間の充実さにあるのか、それは議論の分かれるところだ
ろう。しかし基本的に中身を全部知っていてその本を買うことは稀である。
本は基本的に多品種少量販売の商品である。そして若干のグレーゾーンがあ
るにしても、基本的にはお客のすみわけがきっちりとなされている。例えば、
スティーブン・キングの『スタンド』の下巻を買う人は上巻を買った人に決まっ
ている。『このミス』を買う人はミステリ好きだろうし、赤本を買う人は受験
者か関係者だけだろう。
ということはどういうことか。適切な相手に適切に情報が届けば、その人は
きっと本を買ってくれる(という希望はある)ということだ。
本の広告手法といえば、あいも変わらず新聞のサンヤツや雑誌広告などが幅
を効かせているが、最近では取材やインタビューなどで、雑誌の「記事」にし
てしまう方がブームにさせやすい、という状況がある。(飯島愛『プラトニッ
ク・セックス』なんかいい例だ。)
話題になればそこに新しい許容(ブームになっている本は買う!という人た
ちの許容)が生まれ、本は売れるだろう。であるからブームにさせるためのこ
れまで型の広告、というのは意味があるのかもしれない。
一方で、ふと考えてみると、「売れている」が一つの「許容」を生み出すと
いうことはどういうことだろう?
前回も書いたが、これは「時間の節約」の論理が働いているからではないだ
ろうか。大量に刊行される書籍群。普通の人がそれらすべての情報を得ること
はできないし、読む時間があるわけもない。人がベストセラーに手を伸ばすの
は、そこにある種の選別の論理が働いていることを期待しているからだろう。
彼ら(あるいは彼女ら)に情報の飢餓感はあるのだろうし、それぞれに「許容」
している(あるいは潜在的にしようとしている)範囲はあるのだろう。しかし
出版業界はそういう個人的な「許容」範囲に対して適切に情報を与えることが
できていないのではないだろうか?
出版社から見れば、1000〜2000人しかもともと読者がいない書籍について、
何万人何十万人の目に触れるための広告のためにお金を使うのは非常にばかば
かしいことだと思う。
これと同じ構造が取次・書店にもある。全国津々浦々の書店に本をばらまく。
そうしないと欲しい人の手元に本が届かない? それは構造としてどうかと思う。
大手書店はまあ、納品・返品のトラックの運送代は持たなくていいからいいが、
地方の中小書店はダンボール代からガソリン代まで負担しなくてはならない。
これは深刻だ。しかしそうしないと本が人の目に触れない状況がある。これは
おかしな話である。
前回の最後に立てた問いをまた出してみよう。
現在、もはや従来のようなベストセラーはもはや期待できない。顧客はバラ
バラにセグメント化されており、顧客は顧客ごとに嗜好もレベルも違うのであ
る。それぞれの顧客に合わせてどのように商品を提案していけるのか?
そして私なりの答えを出してみる。
これはこと一書店だけの問題ではない。出版社の情報開示。取次の適正配本
システムの構築。書店の情報掲示能力・商品提案能力の向上。この3つが行わ
れない限り、決して改善されない。
それでは具体的にはどのようなやり方が考えられるのだろうか?
→終わらなかったので次回(第21回1/25号)へ続く。たぶん。
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■「現代思想の最前線」/五月(ごがつ)
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第17回 Any会議終了後の建築論壇事情
1991年から10年間続いた、建築と哲学を架橋する国際会議「Any」シリーズが、
中枢であるNPO組織Anyone Corporationの拠点であるニューヨークで、2000年
6月に開催された「Anything」をもって、終了した。20世紀における建築の理
論と実践を21世紀に架橋し、新旧の世代交代を促す試みであるこの会議体は、
清水建設をはじめとする各国の企業や団体からの投資と助成によって継続され
たもので、会議録は英語版はMITプレスから、日本語版はNTT出版から刊行され
ている。会議の変遷は次の通り。
http://www.anycorp.com/any2/conferences.html
第1回Anyone(91年ロサンジェルス)、第2回Anywhere(92年大分県湯布院、
空間の諸問題)、第3回Anyway(93年バルセロナ、方法の諸問題)、第4回
Anyplace(94年モントリオール、場所の諸問題)、第5回Anywise(95年ソウ
ル、知の諸問題)、第6回Anybody(96年ブエノスアイレス、建築的身体の諸
問題)、第7回Anyhow(97年ロッテルダム、実践の諸問題)、第8回Anytime
(98年アンカラ)、第9回Anymore(99年パリ)、第10回Anything(2000年
ニューヨーク)。
現在英語版が出ているのは、2000年8月に刊行された"Anymore"までで、日本語
版の方は、2000年10月の『Anyhow』までである。会議開催から3年後ごと、英
語版から2年遅れで刊行されていくことを考えると、日本語版のAnyシリーズが
完結するのは2003年ということになろうか。MITプレスはだいたい初版分で売り
切って再版しないという姿勢だが、日本語版は既刊分も在庫が揃っている。書
店では人文書と理工書ともどもにぜひ在庫しておいてほしい重要なシリーズで
ある。もともと『批評空間』の臨時増刊号として福武書店から刊行された『Any
one』も、後にNTT出版が福武側の書籍部門からの撤退方針後のシリーズ刊行を
引き受けて、増補改訂版を刊行している。大方の読者なら見当がつくように、
この移行はAny会議の中心人物の一人であり、日本語版シリーズの監修を磯崎新
氏と協働している浅田彰氏の差配によるものだったろう。
日本版『Anyhow』には、特別座談会:「建築の解体」あるいは「二〇世紀建築
の死」と銘打たれ、磯崎新、浅田彰、隈研吾、五十嵐太郎の四氏による「Anyカ
ンファレンス全体あるいは90年代の建築の状況全体」の総括が収録されている
が、刊行後間もない10月19日に新宿の紀伊國屋ホールでは、別の座談会「Anyシ
ンポジウム in Tokyo : 建築と哲学の未来」が、NTT出版及びNTTインターコミュ
ニケーション・センター(ICC)の主催と、清水建設+メディアデザイン研究所
の協力で開催された。パネリストは磯崎新、浅田彰、石山修武、岡崎乾二郎、
柄谷行人の五氏。入場チケットが完売したというから、このところ苦戦を強い
られていた紀伊國屋ホールとしては満足だった違いない。
http://www.ntticc.or.jp/event/any/index.html
さて今回の話題は、Any会議に関わってきた建築家や批評家の、会議以後の新
刊近刊関連書のうち主要なものを、ざっと見ておこうというものである。分量
が多くなるので、書誌情報は最小限に留め、概観したい。
重鎮から行こう。2000年11月にユニヴァース社から出た、ダニエル・リベスキ
ンド(1946-)による"Daniel Libeskind : The Space of Encounter"ISBN:07
89304961は、ジェフリー・キプニスが序文を書き、アンソニー・ヴィドラー
(ヴァイドラー?)があとがきを書いている。80年代に遡るテクスト、講演、
インタビューから2005年のプロジェクトまでを網羅し、彼の詩や書簡も収録。
リベスキンド関連書の決定版に数えられるだろう。一方、磯崎新(1931-)は20
00年10月に鹿島出版会から『人体の影:アントロポモルフィズム』ISBN:4306
093638を上梓、11月には王国社から『建築家のおくりもの』ISBN:4900456802
を刊行した。いずれも新聞・雑誌などの各媒体に既出の論考をまとめた評論集
である。
レム・コールハース(1944-)については建築雑誌『a+u(建築と都市)』がOMA
特集の臨時増刊号を2000年5月に刊行し(ISBN:4900211532)、多数の図版で19
72年から2000年までの仕事を総括した。1995年の問題作『S,M,L,XL』も『錯乱
のニューヨーク』に続いて筑摩書房から刊行されるというから楽しみだ。問題
作といえば、コールハースと同年生まれのベルナール・チュミ(1944-)が、つ
いに"Event-Cities 2"ISBN:0262700743を、2000年12月にMITプレスから刊行
した。1994年の第一作目からこのかた、ニューヨークとパリの事務所を拠点に
目覚しい活躍をしてきた彼の変遷譜が、690頁を超える大冊に集約されている。
Any会議でも活躍した、重鎮に続く世代の評論家に目を向けてみよう。ジョナ
サン・クレーリーとともに雑誌『Zone』の編集にたずさわっているサンフォー
ド・クウィンターは、彼の建築論の成果をいよいよまとめる時が来たようだ。
"Architectures of Time : Toward a Theory of 'the Event' in Modernist
Culture"ISBN:0262112604が、MITプレスから2001年の6月に刊行される予定
である。同じく建築評論の新世代ジェフリー・キプニスの方は、本職の編集
作業が多忙らしく、2001年1月にはギャヴィン・キーニーやジョン・ディクス
ン・ハントらとともにスイスのビルクホイザー社から"On the Nature of
Things"ISBN:3764361921を予定し、翌2月にはトム・メインやトッド・ギャ
ノンらと編んだ"Morphosis/Diamond Ranch High School : Source Books
in Architecture"をモナセリ・プレスより出版するとのこと。
会議において理論的支柱のひとつとなったと言っていいかもしれないジョン・
ライクマンは、1997年の『諸構築』MITプレスで建築理論に、『襞』などの後
期ドゥルーズ思想を援用した後、2000年の10月には120頁のコンパクトな新著
"The Deleuze Connections"ISBN: 026268120XをやはりMITプレスから上梓
した。これは建築書ではなく、ドゥルーズ哲学をこんにちのアカデミズムの
最新動向から評価しなおした研究書だ。理論的支柱と言う意味では、Anyone
コーポレーションはMITプレスと組んで、シリーズ「建築を書く」を刊行して
おり、ライクマンの先の『諸構築』もそこに含まれるし、柄谷行人の『隠喩
としての建築』の英語版(1995年)を第一弾として、イグナシ・デ・ソラ=モ
ラレスの『諸差異』(1996年)なども出版されている。
このシリーズの2001年以後の新刊予定には、エリザベス・グロスの『ヴァー
チャル・アーキテクチャーズ』、ラファエル・モネオ『七つの講演』、アンド
リュー・ベンジャミン『諸表層』、Any会議の主幹ピーター・アイゼンマンの
『インテリオリティ』、磯崎新の『建築において書く』などが予告されている。
なお、会議運営のひとつの財源となった1993年5月創刊の隔月刊雑誌『Any』は
今も刊行されている。日本ではお目にかからない雑誌だが、目次や購入方法な
どについては http://www.anycorp.com/ をご覧になっていただきたい。
世紀を掛け渡すという初期目的において、Any会議はおそらくこの先10年後に
も示唆を与えうるような問題群を提示した、という功績によって記憶されるだ
ろう。それは世代交代を促すという会議のもうひとつの目的よりはるかに重要
である。この10年の歩みの中で世代交代はつまり失敗したが、交代しうるほど
の懸隔を挟んだ未来世代は実は存在せず、大きな時代の潮流の中で別々のこと
を考えている個々人がそこにいたということを、早晩誰かが気付くのだろうと
思う。そして私たちはAnyを別のかたちで繰り返すのだ。[2000年12月24日]
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■編集同人備忘録(今回は時節柄脱力蛇尾)
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ようやく気付いたのだが、去年に引き続き、今年もまたクリスマス・イヴにメ
ルマガの記事を揃えたり、同人と連絡を取ったり、配信作業をしている。そう
か、25日号担当だから、毎年こうなるのか。きっとこれは本誌独身大連合会の
会長である掩耳氏(老荘主義。特技:デスラー砲)の深い深い計略があったに
違いない。きっと掩耳氏は今ごろ……ま、いいか……。トピックスでも紹介し
たが、「こっぷノなかノ太陽」いいですよ。ぜひご覧下さい。五月[世帯持ち]
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