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2001.1.15.発行 vol.57 [一流を語る三流 号]
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■■ [本]のメルマガ 2001.1.15.発行
■■ vol.57
■■ mailmagazine of books [一流を語る三流 号]
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■CONTENTS----------------------------------------------------------
★トピックス
★「全点報告 この店で買った本」/南陀楼綾繁(なんだろうあやしげ)
→なんと今回、ひと月98冊も買ってますぜ!!
★「今日(こんにち)の芸術」/忘れっぽい天使
→ちょっと趣向をかえて、時事問題を斬ります。
★「本の周りをうろついて・・」/湯川新一
→今回、お休みでーす。
★「中国古典で浅学菲才が直る?」/掩耳(えんじ)
→ちょっと余談で、時事問題にアターック(笑)
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■トピックス
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■ダルタニヤン物語、復刊!
フランスの文豪デュマの『ダルタニヤン物語』(その出だしの部分が、有
名な『三銃士』なのです)が、ついに二月上旬から順に復刊されます(五
月上旬で完結)。ブック・オンデマンド形式の復刊で、一冊二千円、セッ
トで二万円だそうです。詳しくは、下記をご覧下さい。
http://www.fukkan.com/
■オンデマンド、もう一つ
ニッパンのオンデマンドでは、その特性を生かして、なんと一人一人その
個人だけの占い本を販売しているそうです。生年月日や性別、生まれた場
所などを入力する事で、その人だけの占い本を作るみたいです。いやー、
すごいですねー
http://www.uranai-ing.com/
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■「全点報告 この店で買った本」/南陀楼綾繁
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全点報告 この店で買った本
第9回 本屋でナゴむ
十二月二日
◎近藤書店
ジョナサン・マントル『ベネトンの世紀』産業編集センター、2200円+税
(以下同じ)
【ひとこと】最近、仕事で定期的に銀座に通うコトが多く、この店にもよく
来るようになったのだが、ようやくこの本屋のオモシロさが判ってきたよう
な気がする。この店の魅力は平積みではなく、棚差しされる本の豊富さにあ
るのではないかな。差さっている本のなかからイイ本を手にしたときには、
自分の手でその本を「釣り上げた」ような手ごたえがある。
十二月三日
◎書泉グランデ
いしいひさいち・峯正澄『大問題2000』創元ライブラリ、640円
おもしろニュース研究会『20世紀B級ニュース』角川oneテーマ21(新書)、
571円
『大阪人』1月号、553円
【ひとこと】この店の一階レジ横に、各地のタウン誌が置いてあるとは知っ
ていたが、それほど熱心に見ていなかった。『大阪人』はナンか大阪版『中
洲通信』というカンジで、読みどころが多そうなので、買った。バックナン
バーを見ると、「カフェと喫茶」なんて特集を組んでいるので、版元にオモ
シロそうな号の通販を申し込む。ところで、角川書店がはじめた新書ですが、
あのナマエはなんなの? 新書ってもともとワンテーマのモノじゃないのか。
あっさりと「角川新書」でヨカッタのに。
十二月四日
◎アマゾン・ジャパン(オンライン書店)
ジョイス・メイナード『ライ麦畑の迷路を抜けて』東京創元社、2900円
芦原すなお『官能記』角川文庫、629円
◎往来堂書店
エドワード・W・サイード『イスラム報道』みすず書房、2500円
歌田明弘『本の未来はどうなるか 新しい記憶技術の時代へ』中公新書、
780円
『Title』1月号、530円
十二月五日
◎大阪都市協会(通信販売)
『大阪人』1999年7、10、12号、2000年5、6、10、12号、各553円
◎bk1
阿川弘之ほか『私の死亡記事』文藝春秋、1524円
【ひとこと】発売前に予約しておいた本。内容をあまり知らずに予約してし
まったので、とんでもないハズレではないかと届くまで不安だったが、読ん
でみるとナカナカおもしろかった。いろんなヒトが自分の死亡記事を書く本
で、一本が短いのでトイレに常備しておく。ところで、今日は読書週間の
「書店くじ」の当選発表が新聞に載っていた。数枚持っていたが、まったく
カスらず。オレは毎年かなりの冊数の新刊を買っているのに、ナニかひとつ
でも当たったためしがないぞ。くじよりもポイント制を導入してくれたほう
が、よっぽどアリガタイ。
十二月七日
◎アマゾン・ジャパン
先崎学『世界は右に回る 将棋指しの優雅な日々』日本将棋連盟、1500円
【ひとこと】「年内送料無料」に売り文句につられて、けっこう一冊単位で
注文しているが、在庫を持っている本については翌日には届くので、たしか
に便利。先崎学はプロの棋士だが、『週刊文春』の連載エッセイがものすご
くイイので、読んでみたくなった。
十二月八日
◎文鳥堂書店(飯田橋店)
『荒木経惟・末井昭の複写「写真時代」』ぶんか社、3500円
都築響一『ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行』西日本編、ちくま文庫、1800円
松村昌家『水晶宮物語 ロンドン万国博覧会1851』ちくま学芸文庫、1100円
みうらじゅん『見ぐるしいほど愛されたい』文春文庫、524円
加藤典洋『日本風景論』講談社文芸文庫、1400円
森高夕次(作)・あきやまひでき(画)『おさなづま』双葉社、第6巻、
552円
柏屋コッコ『柏屋コッコの人生漫才』集英社、第8巻、390円
◎芳進堂書店(神楽坂本店)
小林信彦『2001年映画の旅』文藝春秋、1429円
都築響一『ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行』東日本編、ちくま文庫、1800円
山岸凉子『白眼子』潮出版社、552円
スピリッツ増刊号『IKKI』創刊号、524円
【ひとこと】仕事でムカつくことがあったので、早めに抜け出していちばん
近い大書店へ駆け込む。店内をうろついているウチに欲しい本が見つかって、
ナンとなく気分が落ち着く。気がついたら十冊以上買って、ナゴんでいる。
さっきまで腹を立ててたのがウソみたい。単純だなあ。ひょっとして、本屋
は「癒し」の場所なのか?
十二月九日
◎東京堂書店
沓掛良彦『文酒閑話』平凡社、2400円
【ひとこと】図書館で借りて途中まで読んでいたが、「ある畸人」という文
章あたりからあまりにオモシロいので、コレは買って何度も読まねばもった
いないと思う。かつての東大仏文科では、学内で酒宴が行われていたそうで
、「あの頃はねえ、よく渡辺一夫さんが廊下を這って歩いているのを見まし
たよ」というエピソードには、電車で読んでいて吹き出した。東京堂ならた
ぶん、と行ってみると、数カ月も前の本なのに、まだ平積みしてくれていた。
こういうコトひとつあるだけで、その書店への信頼は高まるのだ。
◎書泉グランデ
スタン・リー『ライブラリー・ファイル』上・下、創元推理文庫、各515円
リチャード・ハル『伯母殺人事件』創元推理文庫、640円
いしいひさいち・峯正澄『大問題'98』『大問題'99』創元ライブラリ、
各640円
『噂の真相』1月号、448円
十二月十二日
◎リブリアルテ(オンライン書店)http://www2u.biglobe.ne.jp/~artbooks/
Vladimir Mayakovsky&El Lissitzky『For The Voice』The Britsh Library、
5800円
【ひとこと】ロシアの詩人・マヤコフスキーと、タイポグラファー・リシツ
キーのコラボレーションによるアーティストブックの復刻版。今年、うらわ
美術館で現物を見てから、欲しくてたまらなかったのだが、内外のアートブ
ックを扱う(新刊も古書も)オンライン書店が復刻版が出るという情報を教
えてくれたのだ。日本入荷とほとんど同時に手元に届いた。オンラインでは
こういうレファレンスが受けられるのがアリガタイ。
十二月十三日
◎青山ブックセンター(表参道本店)
Il'ja Erenburg&El Lisickij『Vesc' Objet Gegenstand』Lars Muller
Publishers、13800円
『Gefesselter Blick』Lars Muller Publishers、8169円
『Russischer Konstruktivismus Plakatkunst』Weingartn、4640円
逢坂剛『牙をむく都会』中央公論新社、2000円
『20世紀SF2 1950年代』河出書房新社、950円
【ひとこと】昨日リシツキーの本を買ったばかりなのに、この店に来たら、
リシツキーが関わった雑誌の復刻や作品集がたくさん置いてある。コレはな
にかの陰謀か。久しぶりに一店で三万円を超える金額を使ってしまった。と
ころで、ぼくはよっぽどボーっとしているのか、レジ前に並んでいるときに
横入りされるコトがすごく多い。今日も大荷物を持て余しているウチに、お
じさんに横から入られてしまった。店員は忙しくてそんなこと構っちゃいら
れないだろうが、気づいたときには横入り客に一言声をかけて欲しい。
◎旭屋書店(渋谷店)
『本の雑誌』1月号、619円
山中恒『新聞は戦争を美化せよ! 戦時国家情報機構史』小学館、4600円
【ひとこと】新聞によれば、四日ほど前、この店で事件があった。店内にい
た客のうち10人ほどがのどに痛みを覚え、咳き込んだという。「催涙スプレ
ーなどを使ったいたずらの可能性もある」とのこと。しかし、今日行ってみ
るとそんな騒ぎがあった名残りはまるでなかった。
◎ブックファースト(渋谷店)
山田稔『コーマルタン界隈』みすず書房、2400円
いしいひさいち・峯正澄『大問題'96』『大問題'97』創元ライブラリ、各640円
十二月十五日
◎三省堂書店(神保町本店)
片岡義男『東京22章』朝日出版社、2800円
筑摩書房編集部編『二十一世紀に希望を持つための読書案内』筑摩書房(ち
くまプリマーブックス)、1300円
横田順彌『五無斎先生探偵帳 明治快人伝』インターメディア出版、1500円
◎書泉グランデ
都筑道夫『推理作家の出来るまで』上・下、フリースタイル、各3900円
多岐川恭『的の男』創元推理文庫、920円
『LB中洲通信』1月号、500円
【ひとこと】フリースタイルの新刊は上下巻で一冊が五〇〇ページ以上あり、
しかもオビがついていないので、平積みされるととても目立つ。正月に数日
かけて読もうと思う。
◎書肆アクセス
谷田博幸『極北の迷宮 北極探検とヴィクトリア朝文化』名古屋大学出版会、
3800円
本の雑誌増刊『おすすめ文庫王国』2000年度版、700円
『朱夏』第15号、1381円
『貸本マンガ史研究』第3号、500円
◎明正堂書店(御徒町店)
たかさきももこ『白衣でポン』第3巻、集英社、857円
【ひとこと】今月十二日に都営地下鉄の大江戸線が全線開通したので、牛込
神楽坂という駅から乗ってみる。新しい地下鉄って、なんだか気分がいいよ
なあ。それでフラフラと御徒町で降りて、久しぶりにこの書店へ。前に来た
ときには気づかなかったが、本に掛けてくれるカバーがかわいい。
◎セブンイレブン(西日暮里)
『東京人』1月号、857円
【ひとこと】ウチからいちばん近いコンビニだが、なぜか変わった雑誌が置
いてある。『地域雑誌 谷中・根津・千駄木』が置いてあるのは、地元でも
珍しい。『東京人』は、大江戸線特集が目に入ったので、つい。ミーハーで
すなあ。
十二月十九日
◎泉書房(麹町店)
『サイゾー』1月号、657円
◎A|Z Books&Cafe(麹町)
松澤貴美子『本を愛する住まい』彰国社、2400円
【ひとこと】前日にオープンしたブックカフェに行ってみる。麹町駅と半蔵
門駅の中間ぐらいにある。店内は広く、カフェや書斎についての本を並べる
など、本のセレクションもオモシロイ。ただし、座席によっては壁面の本を
隠れてしまうのは、ブックカフェの趣旨から云ってもどうか。「定価で販売
しております」と書いてあったので、何冊かレジに持っていくと、「コレは
まだ売れません」と云われる。古物商の認可が下りてないので、まだ古書は
売れないのだとか。じゃあ、現在はこのコーナーの本しか買えないとハッキ
リ書いておいてほしい。ブックカフェというからには店の本は全部買えるか、
それとも全部展示用にして一切販売しないか、どちらかにすべきだと思う。
アタマに来たのが伝わったのか、菊盛英夫『文学カフェ』(中公新書)とい
う本を指して、店長が「コレは僕の蔵書ですから、差し上げます」と云った
のに、ますますムカついた。そんなサービスは、まったくいらんのだ。商売
人なら、ちゃんと値段をつけて売れよ。いろいろ書いたが、新しい試みだと
認めているから、本好きにとっての常識を守ってほしいだけだ。たんに本を
インテリアとして扱うのだったら、ブックカフェなんてやらなければイイの
だから。
◎三省堂書店(神保町本店)
樋口覚『日本人の帽子』講談社、3400円
兵藤裕己『〈声〉の国民国家・日本』NHKブックス、970円
さそうあきら『やまだまるもちゃん』竹書房、743円
『林達夫セレクション3 精神史』平凡社ライブラリー、1300円
岡茂雄『新編 炉辺山話』平凡社ライブラリー、1100円
リチャード・ハル『他言は無用』創元推理文庫、600円
十二月二十日
◎アマゾン・ジャパン
枝川公一『大阪・大探検』潮出版社、1400円
枝川公一『私家版アメリカ語感辞典』研究社出版、1800円
【ひとこと】この二冊と一緒に枝川さんの本を数冊注文したのだが、この回
答がふるっている。「誠に申し訳ありませんがご注文内容のうち、以下の商
品については入手できないことが判明いたしました。(略)お客様にこれら
の商品をお届けできる見込みでしたが、現時点ではどの仕入先からも入手で
きないことが判明いたしました。お客様のご期待に背くお知らせとなります
と共に、お客様にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。お客様のご
注文から、提供できない商品をキャンセルさせていただきました。ご了承く
ださい」。このうち二冊はいまは亡き旺文社文庫なので、「お届けできる見
込み」があるワケはないのだが、敢えてこう書くあたり、ナンだか老獪であ
る(旺文社文庫が消滅しているコトを知りながら、試しに注文してみるぼく
も意地悪だけど)。
十二月二十一日
◎bk1(オンライン書店)
山本直樹『テレビばかり見てると馬鹿になる』太田出版、952円
十二月二十二日
◎ブックファースト(神田店)
野坂昭如『妄想老人日記』新潮社、1100円
海野弘『新編 東京の盛り場』アーツアンドクラフツ、2200円
『ダークサイドJAPAN』2月号、648円
【ひとこと】神田は前の勤め先の最寄駅だったので、昼休みになるとこの辺
の書店を回っていた。どの店も小さかったので、「ああ、一軒だけで欲しい
本が揃う書店が欲しいなあ」とよく思っていたが、もし当時、この店があっ
たなら。ビジネス街であることを考慮して、入り口から半分は、ビジネス・
経済・法律関係がギッシリ。文芸書やノンフィクションは奥の方にあるが、
品揃えはイイ。地下には文庫、マンガと一緒にCD売り場まである。渋谷店
に続いて、贔屓にしたい。
◎前田書林
『Title』2月号、530円
【ひとこと】この店は狭いけど新刊コーナーにシブイ本を差していて、かな
り高い本を買った記憶がある。しかし、ブックファーストの真正面になって
しまったせいか、客の数が激減していた。「ポイントカードをおつくりしま
すか」と聞かれてビックリ。ブックファースト対策なのだろうか。ちなみに
『Title』の特集「2001:毒書計画」はナカナカ読ませる。
◎いずみ書店(神田南口店)
『土屋隆夫推理小説集成4 妻に捧げる犯罪・盲目の鴉』創元推理文庫、
1200円
【ひとこと】この店は、駅をはさんで二軒あり、どちらもよく使っていた。
ココでもナンとポイントカードがあるかと聞かれた。再販制がどーのこーの
と云う前に、危機を感じた地域は一斉にポイントカードの導入をはじめてる
じゃないか。
◎杉並北尾堂(通販)
北尾トロ『銀座八丁目探偵社(ボツ・バージョン)』杉並北尾堂、2800円
【ひとこと】同題の本が前月にメディア・ファクトリーから出ているが、そ
こに収められなかった章を全部収録して、著者が自分で刊行したオン・デマ
ンド本(一八〇部制作)。ナンだかこっちの方が読み応えありそうな気がす
るのは、ぼくだけではないだろう。
十二月二十三日
◎神奈川県近代美術館(鎌倉)
『美術の「戦後」』カタログ、800円
『幕末維新の銅版画 玄々堂とその一派展』カタログ、1500円
『岡本信治郎 笑うパノラマ館』1400円
【ひとこと】『美術の「戦後」』展を見に行く。佐野繁次郎の戦後の装丁作
品がまとめて展示されていた。なかでも、朝日新聞社から1954年に出た
『This is Japan』は、木箱にタイトルが焼印してあるというデザインで、
たちまち欲しくなる。この美術館に来ると、開催中の展覧会のカタログだけ
でなく、以前のカタログも一緒に買ってしまうので、たちまち荷物が重くな
る。このあと、ヨメの実家に行ったのだが、義父(前号で登場)は「なんで
そんなに大荷物なの?」と不審そうだった。
◎島森書店(鎌倉店)
島本千也『海辺の憩い 湘南別荘物語』自費出版、2000円
『探検隊 江ノ島周辺探索発見マガジン』第10号、286円
【ひとこと】島森は地元の老舗書店。1フロアだが、奥に長いつくりになっ
ている。郷土の本のコーナーが充実している。新刊の『海辺の憩い』は著名
人と湘南別荘とのかかわりを考察した本。明治期の湘南を写した絵葉書など
を図版として載せていて、一般書店でもリゾート本と並べたら、けっこう売
れるかも。もう一軒「松林堂書店」に行く。二階の奥に「展覧室」があって、
以前は展覧会をやってたらしいが、いまはその部屋にマンガが並べてあるの
で、妙なカンジだ。
◎たらば書房
ドーン・エイズ『フォトモンタージュ操作と創造 ダダ、構成主義、シュル
レアリスムの図像』フィルムアート社、2500円
【ひとこと】駅の裏にある小さな書店で、一見ナンの変哲もないが、奥に入
って左に、文学・思想関係の本がえりすぐって置いてある。新刊書店で、こ
んなに凝縮された棚を見たのは久しぶりでちょっと感動。十年ほど前によく
来たというヨメのハナシでは、この一角は以前から充実していたというから、
固定客がついているのだろう。
十二月二十五日
◎和光ホール(銀座)
『銀座の街並展 世紀をこえる銀座の活力』カタログ、1500円
◎紀伊國屋書店(新宿・コミックスクエア)
秋月りす『OL進化論』第17巻、講談社、514円
みなもと太郎『雲竜奔馬』第5巻、潮出版社、533円
【ひとこと】この売り場は新宿店の裏手にあって、歌舞伎町が近いせいか、
妙な客に出会えてオモシロイ。まず、明らかにアジア系のおたくカップル
(三十代)が店内をウロウロしてるなと思ったら、店員にナニか尋ねている。
どうも『仮面ライダー』関連の本を探しているようだ。次に、カウンターに
じじいがやってくる。「昔のレコードは置いてるの? 45回転の」。店員は
ワケわからず、困惑していた。
十二月二十六日
◎書肆アクセス
山本芳明『文学者はつくられる』ひつじ書房、3600円
山田稔『影とささやき』編集工房ノア、1800円
鈴木漁生『漁生の浪漫戦記 青春の墓場』幻堂出版、1600円
『ロック画報』第3号、1200円
十二月二十八日
◎八重洲ブックセンター(東京駅本店)
大西巨人『遼東の豕』晩聲社、1500円
山田稔『シネマのある風景』みすず書房、2266円
矢内原伊作『モンマルトル便り』みすず書房、1900円
北尾トロ『キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか』鉄人社、1238円
【ひとこと】『キミは他人に……』をけっこう探して見つける。もし店員に
聞くハメになったら、キミはこの本のタイトルを告げられるか?
十二月二十九日
◎田村書店(大塚)
『まんだらけZENBU』第9号、1429円
『クイック・ジャパン』第34号、900円
【ひとこと】千駄木・往来堂書店の姉妹店。大塚に用事があったので久しぶ
りに覗いたが、狭い店ながらも、文庫を中心に、変わった本を置くようにな
っている。同じ南口にブックオフ、北口に山下書店があるなかで健闘してい
るのではないか。
◎晶文社(版元直販)
山口昌男『内田魯庵山脈 〈失われた日本人〉発掘』晶文社、6600円
十二月三十日
◎三省堂書店(神保町本店)
安原顕『上野桜木ジャズ日記』音楽之友社、2850円
【ひとこと】今年最後の、ということは今世紀最後の書店巡り。神保町、新
宿と回ったが、取次が休みに入っているため、出てるハズの新刊が置いてな
くてアテがはずれる。まだ、不完全燃焼だったので、ウチに帰ってオンライ
ン書店でもアクセスしてみるか。
今月の購入本 98冊(冊数も金額も最高記録更新中。……いつ、読むんだ?)
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■「今日(こんにち)の芸術」/忘れっぽい天使
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今日の雑談
皆様新年そして新世紀明けましておめでとうございます。
明けて早々、悲惨な事件が頻発していますね。年末・年始、これといった
作品に出会えなかったし、今回はいささかまとまりのない「雑談」にしてし
まいましょう。
成人式の式典で、新成人たちが騒いで問題になりました。高知県の橋
本知事が「出て行け!」と叫んだ他、警察沙汰になったケースもありました。
後で出頭してきた連中、確か計画的に騒いでやろうと考えていたと言ってい
ましたね。会場で酒は飲むは、クラッカーは鳴らすは。そんなことするくら
いなら出なきゃいいのに、なんて思いますが(ちなみにぼくは出席しようと
すら考えませんでした)、これも彼らの数少ない自己表現の晴れ舞台なので
しょう。情けないことです。でもまあ、更に情けないのは地方公共団体の行
政の方でしょう。新しく成人になる人たちを歓迎しようという意志が少しで
もあるのでしょうか? 粗末なパイプ椅子に長時間括り付けて型通りの挨拶
を聞かせ、土産でも持たせてやれば御役目ごめんといったお役所仕事に、今
までの新成人たちがつきあっていたこと自体がおかしい。当人たちが主体と
して活躍できる場が全然ないじゃないですか。スペースだけ提供し、コンサ
ートでも詩の朗読でも展覧会でもプロレス大会でも、好きにやらせればいい
んです。挨拶など最初と最後だけでよろしい。若い人の心と身体の自由を縛
っておいて何が自立ですか。表現を公開することが大人への第一歩。その初
舞台を与えてやるという方向に動いていかないかなあ。
病院で不必要な筋弛緩剤を投与し、大勢の患者を命の危険に陥れた男。ハ
チャメチャな経営の病院の内情もひどいけれど、病院に仕返しをしてやると
いって何の罪もない患者を標的にするという発想はすごい。この病院に来る
前は、准看護士としてマジメな働きぶりで通っていたそうじゃないですか?
今やマジメという美徳は警戒すべきものです。聞けば医療を志したきっ
かけは、自分が怪我をした時の治療に感動したからとか。動機が純粋ですね。
筋弛緩剤を投与した動機も純粋なのでしょう。仕事を自己検証し自分が社会
の中で果たす役割を考えることなど視野の外で後先考えず目先の利害に飛び
ついてしまう。共同体の中で生きる私、という実感が薄いのですね。
先日テレビを見ていたら暴走族の特集をやっていました。最近の暴走族はほ
とんど武装集団と化し一般人に対する暴行も増えているということ。インタビ
ューに答えていた若者の言葉に驚かされます。「うるさいと迷惑がられた方がい
い」「何かあったらすぐ刺す。刺すなんて普通のこと」「自分が今面白ければい
い。将来は将来で何とかなる」といった内容でした。つまり、@今の時点での
自分の快楽が最優先 A快楽を得られるのは他人が苦しむ様を実感する時、この
2点に集約されるようです。一定のルートから落ちこぼれてしまった人間が自
己表現する場がとことんなくなっているのだな、と思いました。だから世間
がどうでもよくなって自分のまなざしだけが基準になる。負の価値をめざし
た者は歯止めがかからず、行くところまで行ってしまうのでしょう。
喜国雅彦の名作「月光の囁き」( 小学館コミック )は、変態の少年の恋愛物
語です。その中で恋愛対象の少女がヤクザの息子につけ狙われ、少年がヤク
ザのところに直談判しにいく場面があります。少年が帰った後の時の年配の
組員のセリフを引用してみましょう。
「おんなじ不良でもわしらの頃はもっとこうギラギラした目しとったはずや。
そやけど、哲雄(=ヤクザの息子)の目は生きとんか死んどんか全然わから
ん。今の奴(=少年)もおんなじじゃ。ヤクザの組に乗り込んで交渉するに
しては、目が熱うない。かと言うかて、ヤケおこしてすてばちになっとるよ
うな冷たさでもない。あいつらの目は、他人と話しながら、自分の事しか見
とらん目じゃ」。
メタレベルで物事を考えず、直接対象にぶち当たっていくのは今の若い人
の表現の特長の一つと言っていいかもしれません。身にふりかかってくる事
象を、共同体の価値観を当てにできず、自分一人が感じたことだけで解釈し
て押し切ろうとする。その結果が共同体の価値観から見て、歪んでいるかど
うかを判断することが最早自分一人ではできないわけです。
教育問題にも社会問題にも無知なぼくは適切な処方箋を書くことはできま
せん。ただ、今までマスコミに専横されていた表現の場を、インターネット
などの力を借りて若いうちから個々人が持ち、パブリックな存在としての自
分を自覚することがとても重要だという気がするのです。自分を表現する場
の少なさが、社会の外へ場を求める契機となっているように思えるのです。
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■中国古典で浅学菲才が直る!?/掩耳
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「え、一流は韓非子を読むんですか・・??」
今回は、『韓非子』――あまりに危険で魅惑的な書を取り上げてみたいと思
います。
まず、韓非子と言えば、昔、こんな本の帯をみたことがあります。
≪一流は韓非子を読み、二流は孫子を読み、三流は論語を読む(ちょっとう
ろ覚え)≫
なんの本だったか失念したのですが、これには正直ギョットしました。
一流の読む韓非子――何だかとってもインパクトがあるので、まあキャッチ
コピーとしては良いのかもしれませんが、これはド三流の人が考えた言葉だ
し、これを帯に採用した人も、考えのなさ丸出し・・としか言い様がない、
とちょっと茫然としてしまったのです。
いや、もちろん『韓非子』は中国古典上の最高傑作の一つです。さる中国文
学の泰斗も、中国古典の最高傑作として、これを挙げたということを何かで
読んだことがあります。確かにそれだけの中身と面白さが詰まっているのは
事実なのです。
じゃあ、≪一流は韓非子を読む≫というのにケチつけることないじゃん、と
言われそうですが、話はそう簡単ではないのです、ハイ。
要は、ここに挙げられた三書、まるで用途が違うものなのです。
『孫子』は前にも挙げましたが、戦争哲学の書であり、組織論には重きを置
いていない書です。さらに、『論語』は、まあ、モラルの書といっていいで
しょう。
では、『韓非子』は、というと、これは間違いなく組織論&管理者の書なの
です。
これを車で例えるなら、
「一流は車の構造のテキストを読み、二流は運転マニュアルを読み、三流は
運転マナー&心がまえの書を読む」といっているようなものなのです。もし
教習所の共感がこんなこと言っていたら、そいつは頭のネジが二・三本外れ
たのか??と思うのではないでしょうか(笑)。だって、ホントに名ドライ
バーになりたければ、三つとも読んで利用していくしかないのは明らかなん
ですから。つまり、本の帯びの文句も、頭の足りない人の駄言にしか成り得
ないのです。
そう、真の一流とは、三つとも読みこなして、状況に応じた最適なノウハウ
を適宜使いこなす者なのです。「韓非子」「孫子」「論語」それぞれが他の
二書よりも有効活用できる状況は、間違いなく現実に存在するのです。
どんなときでも『韓非子』のノウハウだけにすがってしまうような態度で、
現実に臨んでしまったなら、破滅するのは目に見えている――実は、その端
的な例が、始皇帝の建てた秦王朝なのです。次回、その具体例を見てみまし
ょう。
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■あとがき
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>この間、たまたま教育TV見たら、着ぐるみのロボットがいたんですよ
>はあはあ
>で、その動きが、いかにもロボットっていった感じでカクカクしてるの
(笑)
>ああ、人間がロボットの真似する場合、カクカク動きが基本ですもんね
>でも、今や現実のロボットって動きが結構スムーズじゃないですか。ア
イボにしろ、本田の二足歩行ロボットにしろ・・
>そういやそうですね、パラパラ躍っているロボットなんてのもいたし・・
>これじゃ、その内ロボットの伝統芸であるカクカク動きがなくなっちゃ
うんじゃないかと心配で(笑)。どうせなら、いかにもロボットだーとい
う感じで動くヤツも作って欲しいですねー。
>うーん、要はC3−POが理想ということでしょうか(笑)
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