|
2001.06.25.発行 vol.73 [一身上の都合 号]
|
■■-----------------------------------------------------------------
■■ [本]のメルマガ 2001.06.25.発行
■■ vol.73
■■ mailmagazine of books [一身上の都合 号]
■■-----------------------------------------------------------------
■CONTENTS-----------------------------------------------------------
★トピックス
→雑誌新創刊イヴェント、取次情報、ゴダール「映画史」DVDがすごい。
★「脱・書店員日記」/aguni(あぐに)
→増殖するメカニズム。バイラルかティッピングポイントか?
★「現代思想の最前線」/五月(ごがつ)
→記者のやんごとなき一身上の都合によりやむなく休載御免。
★特別寄稿/ウィンダムういきょう
→例によって突然登場。本屋の「棚」思想を語ります。
---------------------------------------------------------------------
■トピックス
---------------------------------------------------------------------
■『批評空間』第三期創刊イヴェント!
2000年4月の第二期終刊から一年余の準備期間を過ぎ、いよいよ「批評空間」
編集部が独立、本年(2001年)9月から第三期が新創刊される。その批評的可
能性を、中心メンバーの五氏が創刊に寄せる決意を込めつつ徹底討論するイ
ベントが、以下の通り行われる。必聴!
第126回紀伊國屋セミナー・批評空間独立創刊イヴェント
《第III期「批評空間」を創刊する》
日時:2001年7月7日(土)午後6時半開演(6時開場)
会場:紀伊國屋ホール(新宿区新宿3-17-7・紀伊國屋書店新宿本店4F)
入場料:1700円(全席指定・税込)
前売:キノチケットカウンター(新宿駅東口・紀伊國屋書店新宿本店5F)
電話予約:紀伊國屋書店事業部(03−3354−0141)
主催:紀伊國屋書店・批評空間
2001年7月公開予定→ http://www.criticalspace.org
※2001年9月中旬には「第三期第一号」とともに、柄谷行人氏の単行本『トラ
ンスクリティーク』が刊行予定!『群像』誌連載原稿に大幅加筆した大著が
出現する!乞うご期待!(株式会社批評空間:電話03-5689-5222)
■日販「本やタウン」、自宅まで宅配開始!
出版取次大手日販のサイト「本やタウン」(http://www.honya-town.co.jp/)
が、6月25日からインターネット直販を開始する。従来は小売店への配慮などか
ら、ネットで注文を受けた場合も小売店での店頭受け渡しを原則としてきたが、
アマゾン、bk1などオンライン書店に対抗するために直販に踏みきった。料
金は1回の注文につき250円。
■日販、大阪屋、栗田出版販売、太洋社、物流を統合!
日販、大阪屋、栗田出版販売、太洋社の出版取次4社は来春をめどに物流事業
の統合に乗り出すと発表した。共同出資会社を設立し、まず2002年に雑誌部門
の返本処理を統合。2003年にこれを文庫、新書、コミックスなどに拡大予定。
■ゴダール「映画史」ビデオ発売なる!さらにスグレものDVDは近日!
映画監督ジャン-リュック・ゴダールのライフワーク『映画史』(1998年)がつ
いにビデオ化された。全世界より「今世紀の映画芸術の金字塔」と評され、本
邦でも蓮実重彦氏、浅田彰氏をはじめとした数多くの識者に絶賛を浴びた四時
間三〇分の超大作は、「上映権」付きの団体向けビデオ4巻組みセットが税別
12万円で先行販売されていたが、一般市販用のVHS・BOX全4巻(最新マ
スタリング版)が先ごろ2万7000円で限定2001セットのみ販売開始さ
れた。ビデオ版特典として、BOXに封入のハガキで申し込めば、96頁の劇場
用限定発売本「ゴダール映画史テクスト」が無料進呈される。
さらに朗報!浅田彰氏の監修で、DVD・BOX版も近日発売予定。驚くべき
ことには、『映画史』で網羅されている映画・文学・美術・音楽について、順
引き/逆引きで検索できる機能がついており、注釈画面が満載なのだ。浅田氏
は「(この映画を)体験し、そこからどれだけ生産的な反響を引き出せるかが、
われわれに問われている」とコメントしているが、まさにその氏の思い入れと
博識を未曾有なまでにつぎ込んだ、バケモノDVDが完成間近。世界に先駆け
日本で先行発売される。鶴首して待ちたい。
詳報は→ http://www.cinefil-imagica.com/eigashi/
---------------------------------------------------------------------
■「脱・書店員日記」/aguni(あぐに)
---------------------------------------------------------------------
第25回 らいおんはーとはライディーンの夢を見るか?
ここのところネットで爆発的に広がって話題となったものといえば、もちろ
ん、らいおんはーと、じゃなくて「小泉内閣メールマガジン」である。
創刊号配信前日の6月13日までに,なんと58万5000部の登録を集め、6月21日
に配信された第2号の登録者は182万人。
ちなみにこのメルマガのサイズは、10,599byteであったから、単純計算で
最初の約10KBが約18,200,000KBに増殖したことになる。・・・細かいか。
ところがそうも言えないのである。
とあるMLで、これに広告をつけて税金対策に貢献しては?という話があっ
たけれどもまったくで、広告媒体としてはこんなに効果がありそうなものはな
いだろう。しかもこの自己増殖ブリときたら!
と、考える。このメルマガはなぜ、増殖したのだろうか??
◆小泉内閣メールマガジン
http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/index.html
(と、アドレスを入れておくと、登録していない人はきっと登録したくなる
でしょう。)
これにはもちろん、小泉首相のキャラクターというのが大きい。「米百俵」
もそうだけど、何をやってもネタになる。実際、「小泉内閣メールマガジン」
を登録しようと思ってパソコンを買おうとしている中高年の方々も増えている
ことだろう(想像)。インパクよりも経済効果がありそうだよなぁ。
そこに注目したマーケターが話題にし、マスコミが取り上げ、それは人の口
に上り、ネットで飛び火し、一週間であっという間に3倍に増殖した。このよ
うに、形を持っている情報というものは増殖しやすい性質を持っている。
このような「口コミ」や「噂」がマーケティングにおいて「効率的」である
というのはマーケティング担当者ならみんな思っていて、iモードにしてもプ
リクラにしても、成功者はみんなその秘訣を話したりするのだけれども、しか
し、その成功譚が役に立った、という話は聞いたことがない。(知らないだけ
だったら、どなたかコッソリお聞かせください。)
しかし難しいことろなんである。「話題になる」とか「ベストセラー」など
というところには一種、暴力的なところがある。
先日、職場から家に帰る途中、都議会選挙の候補の走らせる宣伝カーから名
前と政党を連呼する声が聞こえてきた。あんなんじゃ誰も政策を広めてくれな
いだろうに。ご苦労なことである。しかし過剰な広告は同じような印象を与え
かねない。本でいうと「ベストセラー」。って書店に山のように積んでいて、
「お前、知らんのか、読め!」と言ってるような気がしませんか? 特に「売
る」とか「金」とかいうとなんだか「悪」のように感じるという日本人にとっ
て、商売が絡むとちょっと楽しいものにはなりそうになりかねない。ネットや
オンラインで物を売ろう、ってのはその罪悪感が緩和される気はするのだろう
けど、それにしても、慎重にならざるを得ない。
その点、「小泉内閣メールマガジン」はなんだか楽しいのである。人に勧め
てもなんだか笑えるネタになりそうなんである(失礼)。
やっぱり「ユーモア」や「ジョーク」が要素としてあると良い。だって、よ
く考えるとジョークなんて、ほっといたって世界を超えて広がっているじゃな
い?
「ツボ」をつく(ティッピング・ポイント)のか、増殖するシカケ(バイラ
ル)を考えるのか。どちらにしても、広める「楽しさ」がないとダメなんであ
る。人を楽しませること。これがひとつ、自然に広がる「物語」の「要素」で
あり、「強さ」なのだ。
---------------------------------------------------------------------
■特別寄稿 /ウィンダムういきょう
---------------------------------------------------------------------
『棚って思想がせめぎあってたりするんだよーん』
どーも、ウインダムどぇーす。五月さんが家庭の事情でお休みなので、満を持
して再登場したんだよーん。え、誰も覚えてない? 引っ込め? そ、そん
なーウウウ。
気を取り直して、今回は、本屋さんの棚の話。
本屋さんの棚って、二つの思想がせめぎあってるのはご存知ですかな?
いろいろ名前はあるけど、ひとつは「衝動買い思想」。派手でカッコイイ書店
員あこがれの棚(?)
で、もうひとつは「探しやすい並び主義」って感じの奴。地味だけど、あなど
れない実力派なんだな、これが。
本屋っていうのは、この二つの思想がせめぎあっているんだよね。
まず、「衝動買い思想」。これは「今泉棚」って名前で業界では有名なやつ。
今泉さんっていうのは、もとリブロブックセンターにいた偉い人で、その人が
人文書の担当しているとき、関連しあっているものを目線の高さをメインに蜘
蛛の巣状にはりめぐらせたような棚をつくりあげた。今から二十年くらい前の
話。
例えば、ある本を手に取ると、それと関連した本が周囲に芋づる式につながっ
てくるって感じ。だから、そのジャンルに詳しい人がその棚みると、「おお、
こいつの隣にこんな本が、しかもその隣にはこんな本が、すげー、ここの担当
者わかってるー」ってなるわけ。こりゃすごいよね。そうそう佐野眞一氏が、
往来堂にいたころの安藤氏(現BK1)の棚見て、「これほど読書家の生理が
わかった棚はない」みたいなこと書いていたのは、要はこういう棚ができて
たってこと。ただ、元祖である今泉さんのとこ取材にいかなかったのは手抜か
りだったかもね。
で、この思想、格好良いし、成功すればその担当書店員すごいって業界から絶
賛されるんだけど、ひとつ問題がある。わからない人にはその棚ってさっぱり
わからないこと。
数人でやってる小さい書店ならいいんだけど、ある程度以上の規模になると、
社員もアルバイトもわんさかいる。そいつらに棚の知識全部教えるなんてでき
ないから、担当者が休みだったり休憩中だったりするとき、他の社員とかが
「この本ありますか?」と聞かれると、どこ探していいんだかまったくわから
なくなっちゃうわけ。
それにこの棚、下手すると担当者以外維持できない棚になってしまう。その棚
の青写真は担当者の頭の中以外ないわけで、下手すると普遍性を欠いてしまっ
て担当者が休むと誰も納品できないし、辞めちゃったりするとアッという間に
維持が出来なくなる。担当者は名声を博してそれでいいかもしれないけど、周
りは結構迷惑しかねない棚なわけ。
で、これに対抗するのが、「探しやすい並び主義」。これは、誰でもわかる法
則性――典型的なのは、著者や書名の五十音順とかで並べるってやつ。これ
は、誰でもわかるから「この本ありますか」って聞かれてもアッという間に探
せてしまう。ただし、この本の隣にこの本があるから一緒にってな具合な衝動
買いは望めない。
で、最近のPOS管理ってある意味この二つの思想を統合できるかもしれない
武器だった。
関連書を網の目のように張り巡らせておいて「衝動買い」もしてもらえるし、
もし「この本どこ」って聞かれたら、コンピューターで検索すれば棚のどこに
あるかが表示されるっていう――
ね、理想的でしょ。でも、業界そうはならなかった。コンピュータ―導入する
のって結構金かかるから、その分人件費削っちゃえって方にいっちゃったんで
す書店が。で、面白い棚つくれるような人が活躍もできず、なんだか多くの書
店が≪コンピューターで検索できるだけの面白くない棚≫ばっかり産むように
なっちゃわけ。
これじゃあ、出版不況になるよねー。
不肖ウインダム、予言してしんぜよう。POSを巧くつかって「衝動買い」と
「探しやすさ」をうまく両立させた棚をつくった書店がこれから生き残ってい
くと。だって、そうならないと、面白くないと思いませんか??
(ウインダムういきょう 出版業界のどぶ板の裏まで覗きたい四十二才)
---------------------------------------------------------------------
■編集同人備忘録
---------------------------------------------------------------------
田中真紀子さんのTVでの答弁の声が和田アキ子さんに聞こえた。ごめん
なさい。ついでに告白します。小泉首相はライディーンにも似ていると思い
ます。似てない? これまたごめんなさい。(あ)
---------------------------------------------------------------------
■広告募集のお知らせ:当メルマガでは広告を募集しています。一回につき購
読者数(現在3950人)×1円×5行以内でしたが、創刊二周年を迎え、更にご利
用しやすい広告枠を検討しています。詳しくはメールでお問い合わせ下さい。
=====================================================================
■ 電子メールマガジン「[本]のメルマガ 」(毎月5・15・25日発行)
■ 発行:[本]のメルマガ発行委員会
■ 掲載された内容を小会の許可無く転載することはご遠慮ください。
■ COPYRIGHTはそれぞれの記事の記者が有します。
■ ご意見・ご質問は25日号編集部まで gucci@aguni.com
■ 掲示板もご利用ください http://www66.tcup.com/6629/anjienji.html
■ HPアドレス http://www.aguni.com/hon/
■ このメルマガは『まぐまぐ』を通じて発行しています。
■ メールマガジンIDナンバー:0000013315
■ 購読・解除・変更手続きは http://www.mag2.com/ より行えます。
=====================================================================
|