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2001.7.15.発行 vol.75 [余すところがないであろう 号]
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■■ [本]のメルマガ 2001.7.15.発行
■■ vol.75
■■ mailmagazine of books [余すところがないであろう 号]
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■CONTENTS----------------------------------------------------------
★トピックス
★「全点報告 この店で買った本」/南陀楼綾繁(なんだろうあやしげ)
→今回はチェコでのお買い物まで載ってます!
★「今日(こんにち)の芸術」/忘れっぽい天使
→ロシアの驚異の芸術の紹介です。ちなみに著者は、コンサートに仕事で遅
れて、なんで歌の合間に席に入れてくれないんだと、哀し気な顔をしていま
した。
★「中国古典で浅学菲才が直る?」/掩耳(えんじ)
→こんな有名人たちが、中国古典を活用しているのです。
★「本の周りをうろついて・・」/湯川新一
→しばらく休載になりまーす。
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■トピックス
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■シリーズ「越境する知」完結記念トークセッション、明日から!
6月に完結したシリーズ「越境する知」(東京大学出版会)を記念して、ジ
ュンク堂書店池袋店にて連続トークセッションが開催されます。ふるってご
参加を。
・パート1 7月16日(月)18:30〜
栗原彬[政治社会学]+吉見俊哉[社会学・文化研究]
・パート2 7月18日(水)18:30〜
小森陽一[日本近代文学]+佐藤学[学校教育学]
会 場:ジュンク堂書店池袋本店4階喫茶コーナー(改装後広くなりました
!)
入場料:1000円(ドリンクつき)
ご予約:1階サービスカウンター またはお電話(03-5956-6111)にて
関連ページ:http://www.utp.or.jp/bulletin/junku-ekkyou.html
■朝永振一郎著作集、ついに復刊が決まりました!
うーん、やってしまいました(笑)以下、みすず書房さんの格調高い名文で
どうぞ。
ノーベル物理学賞受賞者の全貌
−親愛なる偉大な物理学者の多面的な活動のモニュメントが、ここに再び甦
る。先生の人間としての素顔を伝えて余すところがないであろう。
待望の復刊 朝永振一郎著作集 全12巻 別巻3
2001年10月より刊行−2002年2月完結
1980年代に企画・編集・刊行した『朝永振一郎著作集』は、純学術研究論文
を除いた随筆、評論、講演記録、座談会、対談記事等を収録して、好評のう
ちに完結した。
質の高い内容が平易に書かれた、これらの著作を求める声は品切れ後も多く、
2001年秋、ここに再び復刊し世に送ることにした。
第1巻 鳥獣戯画 串田孫一解説
珠玉の随筆40数篇。
第2巻 物理学と私 小谷正雄解説
文化講演4篇、忘れえぬ師友への追想ほか。
第3巻 物理学の周辺 伏見康治解説
湯川博士との対談ほか座談と晩年の講演。
第4巻 科学と人間 桑原武夫解説
最晩年の懇談会の質疑応答など、社会的発言の集大成。
第5巻 科学者の社会的責任 小川岩雄解説
バグウォッシュ会議と核・平和問題等評論・講演
第6巻 開かれた研究所と指導者たち 小林 稔解説
理研や諸研究所の歴史など回顧した評論・講演・座談など。
第7巻 物理学とは何だろうか 伊藤大介解説
絶賛を浴び大佛次郎賞を受賞した遺著、関連の講演を付す。
第8巻 量子力学的世界像 牧 二郎解説
「光子の裁判」ほか、物理学入門の名著。
第9巻 マクロの世界からミクロの世界へ 江沢 洋解説
現代物理学をやさしく説いた啓蒙講演、理科教育への提言。
第10巻 量子電気力学の発展 西島和彦解説
日本における素粒子論等への回顧と未来への展望。
ノーベル賞講演を付す。
第11巻 量子力学と私 山口嘉夫解説
量子力学、素粒子論研究の道程を回顧した講演等。
第12巻 紀行と放談 松井巻之助解説
地理文物に関するユーモラスな紀行談と、軽妙な談論7篇。
別巻1 学問をする姿勢 戸田盛和解説
プリンストン研究所の生活を綴ったエッセイ他、補遺36篇。
別巻2 日記・書簡 小林 稔解説
「滞独日記」全文と晩年の病床日記・書簡。
別巻3 朝永振一郎 人と業績 小沼通二解説
各界30人による、人間朝永論の集成。
***
Tomonaga Shinichiro
朝永先生が専門の物理学をはじめ,科学行政,科学者の平和運動などで果た
された広範な活動は,天賦の旺盛な好奇心,鋭い判断力,透徹した洞察力あ
ってはじめて可能であった.先生が生涯の各時点でとられた行動を決定した
のは,幼少の頃から生来虚弱な体質と不断に対決しながら感得された宿命へ
の諦念,いわば"一期一会"の人生観であったといえるだろう.
1906年東京生まれ.1965年ノーベル物理学賞受賞.1979年逝去.
***
主な対象読者:理学部・工学部・教育学部在籍の研究者および研究室。図書
館
初版1981-85年/四六判上製カバー装 360〜390頁
各巻3000円(本体)/全15冊合計価格45000円(本体)
製作部数:各巻1000部限定
刊行サイクル:2001年10月:1・2・3・4・5巻
2001年12月:6・7・8.9・10巻
2002年2月:11・12・別1・別2・別3巻
内容見本作成中。お問い合わせ、ご請求は営業部まで
みすず書房
東京都文京区本郷5-32-21
Tel.03-3814-0131 Fax 03-3818-6435
■早川純子版画展「Concentrate」
新潮社のPR誌「波」に連載中の柴田元幸氏翻訳によるバリー・ユアグロー
「憑かれた旅人」で、その題字/挿し絵をてがける注目の新進版画家が個展
を開きます。
7月16日(月)〜7月28日(土)各日12時〜20時(祝/土曜は18時まで。日曜
休み)。ギャラリー「愚怜」(東京都文京区本郷5-28-1/電話03-5800-0806)
にて。東京大学(本郷)の赤門の斜向かいです。
早川氏の作品は下記のサイトで見れます。
「鹿角版画室」
http://www.umiusi.net/antler/index.html
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ペ ヨ ト ル 興 亡 史――ボクが出版をやめたわけ 7月20日刊行
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■今野裕一(ペヨトル工房主宰)ほか著 A5判並製/244頁/本体2000円
◇帯文:山形浩生 ◇装幀:ミルキィ・イソベ
■発行:冬弓舎(http://thought.ne.jp/) 地方小出版流通センター扱い
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この本で、自分がこの20年の間にやってきた、ゲリラ的経営のこと、本作り
のことをすべて顕にしながら、次の流通やゲリラのやり方のヒントが生まれ
ると嬉しい。(今野裕一「ペヨトル工房解散日記」より)
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■「全点報告 この店で買った本」/南陀楼綾繁
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全点報告 この店で買った本
第15回 「読めない本」を買う楽しみ
五月の末に、半年ぶりに海外旅行に出かけた。まず、ソウルに数日滞在し、
それからフランクフルト経由で、チェコのプラハに行ったのだ。海外に行っ
ても普段の習性は変わらず、、書店を覗いてオモシロそうな本を買う。今回
のプラハでは、コレまで訪ねたどこの国よりも、書店(新刊書店も古書店も)
雰囲気が良く、装丁やイラストが素晴らしい本が多く、しかも安いとあって、
わずか八日間の滞在で、十の新刊書店と十五の古書店を駆け巡った。当然な
がらすべてチェコ語の本で、辞書の引き方さえよくワカラナイのだけど、表
紙を眺めたりページをめくっているだけで、自分にとっての本の世界が少し
だけ広がったような気がして、なんとなく楽しいのです。
六月三日
◎Knihkupectvi Kanzelsberger(アンデル駅近く)
『Anglicko-Cesky Cesko-Anglicky』Fragment、109コルナ
【ひとこと】ホテルの近くのアンジェル駅前にある二階建ての新刊書店。チ
ェコ語で新刊書店は「Knihkupectvi」らしい(以下、チェコ文字はメールマ
ガジンでは化ける文字があるので、ローマ字に置き換えます)。1階が文芸
書、2階が生活、美術、専門書など。平積みが少なく、棚差しが多いので、
歩ける空間が広い。ヨメと一冊ずつ、ポケット版のチェコ語=英語辞書を買
ったが、滞在中、この辞書はかなり役に立った。ちなみに、1コルナは約3円
なので、この辞書は330円。
六月四日
◎Knihkupectvu Na Mustku(ムステーク駅近く)
K.HAVLICEK-BOROVSKY『BASUNE A EPIGRAMY』CHVOJKOVO NAKIADATEISTVI、
170コルナ
JOSEF LADA『MAJE ALECEDA』ALBATROS、99コルナ
JOSEF LADA『RIKADLA NASEHO KADLA』DIALOG、99コルナ
JOSEF LADA『LIDOVE PISNE A RIKADLA PRO NEJMENSI』DIALOG、99コルナ
JOSEF LADA『VESELY KROK PRES CELY ROK』DIALOG、99コルナ
◎Knihkupectvi Seidl(旧市街広場、フランツ・カフカ書店)
KAREL CAPEK『FOTOGRAF』OBECNI DUM、922コルナ
【ひとこと】この店はフランツ・カフカについての本が多く、チェコ語・ド
イツ語・英語など各国語版のカフカの著作や研究書が置いてある。それで「
フランツ・カフカ書店」という愛称もある。ちなみに、カフカの生家もこの
近くにある。壁には文学書がギッシリで、平台には美術関係の本が積んであ
る。狭いけれど、ゆったり本を選べる雰囲気だ(東京で云えば、東急Bunka
muraの地下にある丸善の美術書店といったカンジかな)。『FOTOGRAF』は、
作家カレル・チャペックが撮った写真をまとめた本。
六月六日
◎ヨゼフ・ラダ記念館
JOSEF LADA『Omalovanky』『Rozpustila zviratka』『Zviratka Jedou』
『Bubaci ahastrmani a jine pohadky』『U potoka,zastodolou』
『Domalovanky:Ptaci』『Domalovanky:Brouci a Hmyz』など10冊
【ひとこと】プラハから2時間ほどかけて、ぼくの好きな画家であるヨゼフ
・ラダの生地と、記念館へ。館では、動物を描いた絵本(ペラペラのパンフ
レットみたいなもの)を一冊50円ほどで何種類も売っていた。思わず、全種
類買い込む。
◎The Czech Museum of Fine Arts
『objekt/objekt』カタログ
『Echoes of Cubism』カタログ
六月八日
◎Knihkupectvi Kanzelsberger (アンデル駅近く)
『JOSEF LADA』670コルナ
『Obrazky Josefa Lady』250コルナ
『Ceska Moda 1918-1939』325コルナ
ほか3冊
六月九日
◎Knihkupectvi Seidl(旧市街広場、フランツ・カフカ書店)
JOSEF LADA『POHADKA O HONZICKOVI A ZLATOVLASE ISOLE』VYDALA GALLERRY、
280コ
ルナ
◎Praha Palac Kinskych Reprezentacni(旧市街広場、キンスキー宮殿)
『XU-BING:A BOOK FROM SKY AND CLASSROOM CALLIGRAPHY』THE NATIONAL
GALLERY IN
PRAGUE、155コルナ
【ひとこと】プラハにある各美術館のカタログ、ミュージアムグッズなどを
まとめて置いてある店。短い滞在期間に、そんなに美術館を回れるワケでは
ないので、いまどんな展覧会がやっているかが判ってとても便利。なお、プ
ラハでは他に、絵本の出版社として世界的に有名な「アルバトロス」社を取
材して、その場で絵本を何冊か買ったり、「Aulos」というアーティストブッ
ク出版社の直販書店でカタログを買ったりして、その辺まで含めるととても
数え切れない(というか、数えるのが恐ろしい)ので略。
六月十二日
◎bk1(オンライン書店) http://www.bk1.co.jp/
R・D・ウィングフィールド『夜のフロスト』創元推理文庫、1300円+税
(以下同じ)
高部晴市『きんぎょのうんどうかい』フレーベル館、1300円
六月十三日
◎深夜プラス1(飯田橋)
清原なつの『千の王国百の城』ハヤカワ文庫、800円
『本の雑誌』7月号、505円
『噂の真相』7月号、448円
【ひとこと】前日に帰国して疲れているのだが、ちょっと書店へ。清原なつ
のの文庫本は、ただのベストものかと思って買ったが、巻頭に単行本未収録
の「お買い物」が入っていて、しかもそれが雑誌掲載時に自分で担当した作
品なので、ウレシイ驚きだった。
六月十五日
◎書肆アクセス
『さっぽろ喫茶店さんぽ』ノーザンクロス、667円
『関西ブックマップ』創元社、880円
『LB中洲通信』7月号、477円
『おまめ』62粒め、300円
◎東京堂書店
『国文学 解釈と教材の研究』5月号、1048円
『東京人』7月号、857円
【ひとこと】レジ前の台で、雑誌「編集会議」が選ぶフェアというのをやっ
ていた。みなもと太郎『風雲児たち』(潮出版社)が全巻揃っていたのがウ
レシイ。リイドコミック増刊の『コミック乱』で、連載も再開したことだし。
ところで、この店の前で呼び込みしている英語学習の「キャンペーン」とい
うシロモノ、どうにかならないのか。本屋に来る客が英語に興味があるとは
限らんだろうに。
六月十六日
◎往来堂書店
大倉崇裕『三人目の幽霊』東京創元社、1800円
山田満郎『8時だョ!全員集合の作り方 笑いを生み出すテレビ美術』双葉
社、1800円
車谷長吉『業柱抱き』新潮文庫、476円
いぢちひろゆき『全日本顔ハメ紀行 〈記念撮影パネルの傑作〉88カ所めぐ
り』新潮OH!文庫、638円
竹中労『芸能人別帳』ちくま文庫、950円
六月二十日
◎ナディッフ(表参道) http://www.nadiff.com/
田之倉稔『イタリアのアヴァン・ギャルド 未来派からピランデルロへ』
白水社、3400円
El Lissitzky『experoments in photography』HOUK FRIEDMAN、4500円
『etc』6月号、200円
◎皓星社(直販) http://www.libro-koseisha.co.jp/
大屋幸世『蒐書日誌』一、二、皓星社、各2400円
六月二十一日
◎タコシェ(中野) http://www2.pot.co.jp/tacoche/
つりたくにこ未発表作品集『彼方へ』青林工藝舎、1000円
『井上デザイン作品集 1987-2000』井上則人デザイン事務所、1000円
藤本和也『ふらりふらり』第1部、MOCHIYA BOOK、400円
山川直人『シアワセ行進曲』1000円
山川直人『父への手紙』800円
山川直人『コートと青空』1000円
『ザ・ワセダエトセトラ』第6号、286円
『車掌』第20号、650円
『ロマンポルシェ。FC通信』3・5号、
『ホシノコエ』第1号、740円
『form』第2号、600円
『ロカンボ』第15、16、22号、各100円、第26号、150円
『OKAW』第2号、200円
『韓国旅行記』
『Juicy Fruits Pack』第1、5、6号、各100円
『金米糖通信』第12号、
『SHOPPE』第5号、200円
『ペンシル』第3号、300円
寺上匠・辻直之『スクラップ国への旅』
【ひとこと】新しい仕事の参考にと、最近出たミニコミを買い込むが、個人
的シュミに走ってしまう。藤本和也『ふらりふらり』は大傑作。発行元の
「餅屋ブックス」は、デザイナーを本業とするオリタ氏が始めた個人出版社。
七月中(?)に、『藤本和也作品集』を出すらしい。楽しみだ。
http://www.mochiya.nu/
◎明屋書店(中野店)
『サイゾー』7月号、657円
六月二十三日
◎三省堂書店(神保町本店)
谷沢永一『「新しい歴史教科書」の絶版を勧告する』ビジネス社、1400円
土屋隆夫推理小説集成3『赤の組曲・針の誘い』創元推理文庫、1200円
多岐川恭『落ちる』創元推理文庫、760円
【ひとこと】五月に一階の売り場を模様替え。小さいフェア台が増えたけど、
かえって棚が見づらくなったように思う。あと、エスカレーターのヨコの壁
が、全部、集英社の女性雑誌『BAILA』のポスターで埋め尽くされていたが、この雑誌、そんなに売
れてるの?(あるいは売れてないの?)
六月二十七日
◎文鳥堂書店(飯田橋店)
沼田元氣・堀内隆志編著『ぼくの伯父さんの喫茶店学(カフェロジイ)入門』
ブルース・インターアクションズ、980円
『Title』7月号、505円
『ダークサイドJAPAN』648円
六月三十日
◎bk1
吉田豪『男気万字固め』エンターブレイン、1400円
枝川公一『IT革命は幻想なんかじゃない』太陽企画出版、1600円
【ひとこと】吉田豪の新刊は、買おうかどうか迷っていたのだが、「今日の
オススメ」での大プッシュぶりがよかったので、ポンと肩を押されたような
カンジで注文する。こういう買い方は気持ちよい。なお、数日前にサイト内
個人書店「ブックス安藤」がオープンした。店長の安藤哲也さんが自分の気
に入った本を、いかにして客に気持ちよく買わせるか。bk1が本当にオンライ
ン書店としてやっていけるかの試金石になるのでは?
◎旭屋書店(銀座店)
赤瀬川原平『全面自供!』晶文社、2840円
会津泉『アジアからのネット革命』岩波書店、2000円
清丸恵三郎『出版動乱 ルポルタージュ・本をつくる人』東洋経済新報社、
1700円
山本容子『プラハ旅日記』文化出版局、1500円
秋山満『ハンガリー・チェコ鉄道の旅』光人社、1900円
◎近藤書店
『アックス』第21号、933円
◎青山ブックセンター(ルミネ2店)
『あかまつ』第1号、2000円
『ロック・ミーツ・アート』(ストレンジ・デイズ・コンパイル・シリーズ
1)、ストレンジ・デイズ、2667円
Robert Opie『The 1950s SCRAPBOOK』New Cavendish Books、3000円
今月の購入本 計89冊(チェコの安い本とミニコミばかりなので金額はさほ
どでも……)
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■「今日(こんにち)の芸術」/忘れっぽい天使
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「聞き手」としての立場を考え直すこと
−ポクロフスキー・アンサンブル公演(紀尾井ホール)
芸術作品というのは何だかんだ言っても人の生活から生まれてくるものだ。
売れてくれればいい、という俗受けのみを狙った小説やPOPSは「金を儲
ける」という生活の経済面の必要から生まれてくるものだし、評価を受けれ
ばいい、という「高級」な純文学や前衛芸術は「文化人としての位置を獲得
する」という生活の文化面の必要から生まれてくるものなのだろう。
総じて、現代の芸術は生活と芸術を対立させるという仕方で成立すること
をスタンダードな形としていると言えるだろう。表現者と受け手との対立。
クラシックのコンサートにおける聴衆とオーケストラの関係は、一方向的な
この対立関係を代表している。「作曲家の意図」を解釈する指揮者、指揮者
の指示に従うオーケストラ、オーケストラが奏でる音を押し黙って聞く聴衆。
日常生活から隔絶された別の秩序の中で、厳密な上下関係が築かれていく。
日常に対する別世界を開くことで自立した市民の精神生活を豊かにしていく
というのが現代芸術のパラダイムとひとまず言えると思う。
しかし、宗教などの儀礼や結婚式、パーティ、葬式など生活の諸局面とじ
かに結び合った社会機能性の高い芸術もたくさんあるのであって、多くの「
民俗芸能」というものはこの部類に入るだろう。日本でも田植えの際の音楽
や踊りなどに面白いものがいくつもある。
1973年創立の合唱団、ポクロフスキー・アンサンブルはロシア民謡という
ジャンルで生活と芸術の結びつきに注意を向けさせるパフォーマンスを披露
してくれる。7/9に紀尾井ホールでコンサートがあり、心から楽しめた。
ロシア民謡と言っても、ポクロフスキー・アンサンブルが演奏するのはク
ラシック音楽の歌唱法で歌われる19世紀以降の大衆歌ではない。くせのある
こぶしを聞かせたコサックの音楽や、アジアっぽいグルジアの音楽などの「
民族音楽」である。中にはアラブ的な旋法を持つものもあるし、歌い方はベ
ルカントの均質性とは程遠い。ポクロフスキー・アンサンブルのメンバーは
民俗学の学者がするようにロシア各地をフィールドワークして歌を採集して
いる。五線譜では捉えられない微妙な声のうねり、複雑極まりない楽節の構
成から、踊りやパフォーマンス、衣装、生活様式に至るまで研究し尽くした
上で舞台に上がっている。
草原で歌われる歌は広々した場所で遠くまで響くように歌い、森で歌われ
る歌は残響をあてにするかのように歌う。踊りも達者で、寸劇も演じる。三
羽の鶏を三人の女性が演じた曲など、ユーモアたっぷりで笑えた。
歌唱のレベルは恐ろしく高い。グルジア音楽など、複雑なポリフォニーが
基調なのだが、アンサンブルに乱れが全くない。
こうした音楽をコンサートホールで聞くということに関して、意見の分か
れるところだろう。社会性を共有しないのに音楽が理解できるのか、という
ことだ。そもそもこの合唱団はプロの集団なのだから、いかに研究している
とは言え、現地の人とは違ったふうに、専門家として音楽を捉えているとし
か言いようがないわけだ。生活を共有する同士の中の双方向性芸術が、コン
サートホールでは実現できていないことになる。
しかし、ぼくは敢えてそれでもいいのだと思う。この合唱団を聞いている
間、音楽を専門の「聞き手」として聞くというぼくたち自身の「民族性」が、
鮮明に浮かび上がっていることだろう。それを意識できるだけでも価値があ
るというものだ。ぼくたちは現地の村人たちのように(だいたい現地におい
ても、ここで歌われた歌は忘れ去られつつあるのだ)、次の瞬間には歌い、
踊る側に転換する、というわけにはいかない。ここで歌われる歌に対し、異
常な聞き方をしているということ。だが、それも一つの聞き方には違いなく、
ぼくたちは歌を聞く行為により「聞き手」としての自我の解体を経験すると
いう、現地の人の知らない歌の楽しみ方をしているだけのことなのだ。
ポクロフスキー・アンサンブルは、「聴衆」というカテゴリーに身をおい
て音楽を聞くという自分の姿を相対化するきっかけを与えてくれる。その時、
目の前で繰り広げられる音楽や踊りは、意識の変革を静かに促している。こ
れらの歌をあくまで「鑑賞」するか、自分の音楽に対する接し方を考え直す
きっかけとするか−それは聞く人次第なのである。
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■中国古典で浅学菲才が直る!?/掩耳
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なぜか西欧で(もちろん日本でも)熱心に学ばれている中国古典
――跋にかえて
世界の億万長者といって思い浮かべるのは、今は何と言ってもビル・ゲイツ
氏ですねー。
で、そのゲイツ氏、実は『孫子』を熱心に読んでいるようなんです。
自著『思考スピードの経営』(日経BP)のなかで、ずらずら『孫子』を引
用しているんですが、凄いのは、いったい『孫子』のどこから引用したんだ
が、訳文読んでもすぐにはわからないこと(笑)。ちょっとアメリカの孫子
の訳を――たぶん解釈がかなり違うんでしょう――読んでみたくなる引用で
す。
実は今、仕事で『孫子』を活用している人を調べているんですが、芋ズル式
にその他の古典を読んでる人とかもずるずると出て来て、へー中国古典って
まだまだ読まれて活用されているんだなーとちょっと嬉しくなりました。
なんといっても人気があるのは、やはり『孫子』。そして『論語』などの儒
教系ですね。で、面白いことに、パソコンとかソフトの業界でよく読まれて
いるんです、これが。
例えば、,ヒューレット・パッカード(HP)の社長兼CEOに就任したカー
リー・フィオリーナさんが、日本にやってきて記者会見したときに引用した
のが、『孫子』だったと幾つかのメディアで紹介されています。
ただ、何だかなーと思うのは、その言葉って『孫子』じゃないんです(笑)
毎日インタラクティブの記事を引用すると――
≪また、リーダーシップについては、孫子の「悪い指導者は憎まれる。よい
指導者は尊敬される。偉大な指導者は、部下が自分でやったと思わせる」と
いう言葉を引用、「これまで以上の有能な組織を作りたい」と述べた≫
おいおい・・孫子はそんなこと述べてませーん(笑)。恐らくは韓非子の言
葉なんですが、本人、または通訳やマスコミの方が間違えたのかわかりませ
んが、なんだかなー『孫子』といえばみんな納得するのかいオイオイと言い
たくなる事例ですねー。
他にはソフトバンクの孫正義会長が『孫子』の研究家なのは有名ですし、N
ECの社長と会長を歴任した関本忠弘氏も書かれたものに引用しています。
そうそう、業種は違うけど、積水科学の「積水」も『孫子』からとっている
んですよねー。
次に、ちょっとだけ儒教系。
元祖行革のシンボル・土光敏夫さん(うーん、若い人は知らないんだろうな)
の座右の銘が、「まことに日に新たに、日日に新たに、また日に新たに」と
いう『大学』からの名言だそうで、うーん、これって構造改革とか言ってる
現代にもそのままキャッチコピーにできそうな名言ですね。あ、翻訳すれば
「毎日新たな気持ちでがんばるぞー」ってなもんです。利権にどっかり安住
している方にはイヤな名言かもしれませんねー(笑)
あ、そういえば、小泉首相の座右の銘も、「信なくんば立たず」っていう
『論語』の言葉なんですよね。しかしこの言葉って、裏読みしちゃえば、人
民が例え飢え死にしようと、国の根幹には信頼こそ必要という姿勢で――失
業者がどれほど出ようと、構造改革やるぞーというのになんだかちょっと似
ていて、うーんコワイですね(笑)
というわけで、それなりの組織人って中国古典を活用しているひとがたくさ
んいます。みなさんもご一読いかがですか?? 以下、手始めに何かという
方にお薦め翻訳です。
『孫子の兵法』三笠書房 知的生きかた文庫――たぶん最良の翻訳
『現代語訳 論語』岩波現代文庫――碩学・宮崎市定先生の名訳
『中国思想ノート』信山社 長尾龍一著――中国古典思想の見取り図として
は、一番エスプリが効いてて面白い。著者の本業が法学というのもなかなか
グッドです。
そして――
いろいろ考えたましが、中国古典の連載自体を今回でいったんお休みにしよ
うと思います。次回からは、僕が昔勤めていた書店で考えていたこと――大
書店の販売ノウハウについて、ぼちぼち書いていこうかと思います。
いや、なんかそっちを今のうちに書いておかないと、忘却のかなたにいって
しまいそうで……あ、あくまで売上を伸ばすノウハウだけです。業界の裏話
はありませんのであしからず(笑)
――ひとまず完――
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■あとがき
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>あのー前々から不思議に思っていたことがあるんですが
>はあはあ
>十三日の金曜日は不吉だとか言うじゃないですか。
>ああ、そういえば、つい一昨日がそうでしたよね。
>でも、その日が大安だったら、一体どっちを信じればいいんでしょうね
(笑)
>うーん、これは難問ですね。日本人はクリスマスも正月も節句もお祝いす
るくせに、葬式ではお世話似なりまくりの潅仏会は無視したりする妙な国民
ですもんねー。
>そうそう、結婚式場とかこういう日は混むんですかねー? がらがらにな
っちゃうんですかねー??
>またー、自分にはまったく縁のない話を気にしてどうするんですか(笑)
>うう、それだけは言わないで、シクシク
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