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2001.10.15.発行 vol.84 [「意外性」を愛し合う 号]
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■■ [本]のメルマガ 2001.10.15.発行
■■ vol.84
■■ mailmagazine of books [「意外性」を愛し合う 号]
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■CONTENTS----------------------------------------------------------
★「全点報告 この店で買った本」/南陀楼綾繁(なんだろうあやしげ)
→なんと、買う本を着々と減らしていくそうです。ホントかな(笑)
★「今日(こんにち)の芸術」/忘れっぽい天使
→ロシアのおもろい映画を取り上げます。
★「書店を面白くするためノウハウ」/掩耳
→棚をつくるための前提、衝動買いの謎に迫ります。
★「アメリカ同時多発テロに関する緊急アピール」/守屋淳
→「書評のメルマガ」に載ったモノと同じです。既読の方は、飛ばしてくだ
さいまし。
★「本の周りをうろついて・・」/湯川新一
→しばらく休載になりまーす。
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■「全点報告 この店で買った本」/南陀楼綾繁
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第18回 もう衝動買いはしない!?
カッコつきの「戦争」がはじまったからというワケでもないのだが、このと
ころ、多少意識して新刊書の購入冊数を減らそうとしている。理由は簡単、
自分の部屋に積んである本がついに飽和状態になったからだ。一年半前に引
っ越したときにはかなりの冊数を処分したし、そのあと田舎に書庫(という
名の小屋)をぶっ建てて、コレでしばらくは安心と思っていたのだが……。
田舎は年に数回しか帰らないので、読みおわった本を適宜送ってはいるのだ
が、部屋から出て行く本よりもはるかに入ってくる本が多かったのだ。つい
でに云うと、仕事場の本棚も今年春に整理したばっかりなのに、すでに満杯
です。こうなると、せっかく買ってもどこにナニがあるのか、見当すら付か
ない。数カ月前に新刊で買ったコトをすっかり忘れて、古本屋で安くでてい
るのをもう一度買ってあとでガクゼンとしたり。自分の蔵書が把握できなく
なっているみたい。ですので、今後はなるべく衝動買いをしないよう心がけ
ます。「南陀楼は今月何冊買ってるか」を楽しみにしてる方(悪趣味だなァ)
には申し訳ないですが、その分、店や本について丁寧にコメントしますので。
九月一日
◎青山ブックセンター(表参道本店)
橋本毅彦+栗山茂久編著『遅刻の誕生 近代日本における時間意識の形成』
三元社、3800円+税(以下同じ)
【ひとこと】相変わらず店内でいくつものフェアをやっている。今回は、レ
ジ横のコーナーでやっていた、「大竹伸朗が選ぶ夏休みの課題図書」という
のがオモシロかった。一人で213冊を選ぶというボリューム感がイイ(絶版
品切れ本も入っているので、棚に並んでいるのはその半分ぐらいか)。この
リストをコピー小冊子にして配っている。自分が何冊読んでいるかチェック
してみると、けっこう楽しい。
九月三日
◎往来堂書店(千駄木)
服部真澄『ディール・メーカー』祥伝社文庫、838円
九月五日
◎リブロ・ブックセンター(池袋店) http://www.libro.jp/
末永昭二『貸本小説』アスペクト、1800円
トマス・H・クック『心の砕ける音』文春文庫、581円
【ひとこと】リブロはコレまでホームページを持っていなかったが、最近オ
ープンした。いまのところ、コレといった特色はないけれど、店舗と連動し
てナニか新しい試みをやってくれるのではないかと期待している。
九月十一日
◎リブロ・ブックセンター(浅草店)
『噂の真相』10月号、448円
トム・サヴェージ『捕食者の貌』ハヤカワ文庫、880円
【ひとこと】たまにしか来ない自分が悪いのだろうが、この店は、来るたび
にオモシロくない方向に変わっているような気がする。浅草で唯一の大型書
店だけに、惜しいなァと思うのだけど。
九月十三日
◎三省堂書店(神保町本店)
青山光二『純血無頼派の生きた時代 織田作之助・太宰治を中心に』双葉社、
1800円
坪内祐三『文学を探せ』文藝春秋、1619円
『本の雑誌』10月号、505円
【ひとこと】『文学を探せ』は、雑誌をあまり買わない(買っても読み終え
るまでに数カ月掛かる)ぼくにしては珍しく、そのほとんどの文章を初出誌
『文学界』で読み、リアルタイムで連載を読む楽しさを味わった。本にまと
まった今度は、夜中まで掛かって通読した。そしてその後、本文に出てきた
中島和夫『忘れえぬこと 忘れたきこと』(武蔵野書房)を、あのbk1で
検索し、注文した。「あの」にはツボウチ流に傍点を振っていただきたい。
そして、なぜ「あの」なのかは、本書を読めば判る。
九月十五日
◎bk1(オンライン) http://www.bk1.co.jp/
ルイ・シュヴァリエ『歓楽と犯罪のモンマルトル』上・下、ちくま学芸文庫、
各1600円
ルイ・シュヴァリエ『落日のモンマルトル』上・下、ちくま学芸文庫、
各1500円
【ひとこと】bk1に載っているレビュー(書評)には、いい文章であって
も実際にその本を買わせる力のあるモノがまだまだ少ない気がする。その点、
今月からはじまった小田光雄の「ペーパーバック万華鏡」は、意外なセレク
ションと本の組み合わせ、的確な内容紹介、その旧刊書をいま読む意義まで、
ちゃんと押さえられている。珍しく「食指の動く」原稿だと思う。シュヴァ
リエの4冊も、第2回「松本清張と社会派ミステリ」で紹介されたもの。い
ずれは読みたいと思っていたが、「文学と歴史と都市の幸福な合体」という
評に惹かれ、ついでに「24時間以内発送」の文句につられ、注文してしまっ
た。これは「衝動買い」ではない(と思う)。
九月十六日
◎東京ステーション・ギャラリー http://www.ejrcf.or.jp/station/
『シュルレアリスト山本悍右 不可能の伝達者』図録、2000円
◎八重洲ブックセンター(東京駅本店)
今西英造『演歌に生きた男たち その栄光と挫折の時代』中公文庫、781円
道江達夫『昭和芸能秘録 東宝宣伝マンの歩んだ道』中公文庫、857円
◎東京国立近代美術館フィルムセンター(京橋)
『1930年代日本の印刷デザイン 大衆社会における伝達』図録、1500円
【ひとこと】東京駅から京橋まで、散歩しながら美術館と書店を回る。ホン
トはココにINAXブックショップが入ると、完璧なコースだったのだが、日曜
日なので休みだった。
九月十八日
◎創文堂書店(本駒込)
『サイゾー』10月号、657円
九月二十一日
◎芳進堂書店(飯田橋本店)
中島るみ子・畑中三応子『東京バスの旅』文春新書、790円
岩瀬達哉『新聞が面白くない理由』講談社文庫、648円
『編集会議』10月号、838円
◎ブックスサカイ深夜プラス1(飯田橋)
田山幸憲『パチプロ日記』第10巻、白夜書房、2400円
【ひとこと】7月4日に田山幸憲が亡くなっていたコトを、『パチプロ日記』
第10巻の予告が出るまでウカツにも知らなかった。数巻前から舌ガンとの闘
いが続いていたことは承知していたのだが……。見つけ次第買うつもりでい
たが、平積みスペースの少ないこの店で、この本をどーんと積んでいた。そ
の入れ込み方に共感して買う。
九月二十三日
◎bk1
半村良『黄金伝説』祥伝社ノン・ポシェット、544円
【ひとこと】中学時代に熱狂して読んだ半村良の「伝説」シリーズ。久しぶ
りに読みたくなって、文庫での復刊を注文したが、届く前日に近所の高校の
文化祭で、元版(祥伝社ノン・ノベルス)を10円で手に入れ、その日のウチ
に読んでしまった。文庫本は未読のママ、友人にプレゼントしよう。
九月二十六日
◎丸善(御茶の水店)
天藤真推理小説全集17『犯罪は二人で』創元推理文庫、820円
土屋隆夫推理小説集成5『不安な産声・華やかな喪服』創元推理文庫、
1760円
と学会『トンデモ本の世界R』太田出版、1480円
【ひとこと】1995年から刊行されてきた天藤真の全集も、本巻で完結。途中
で増巻(短編集だけで8巻も)した上でちゃんと有終の美を飾ったのはエラ
イ。今度は戸板康二の推理小説全集を出してくれないかな。
◎東京堂書店
外岡秀俊『地震と社会 「阪神大震災」記』上・下、みすず書房、各2800円
峯島正行『評伝・SFの先駆者今日泊亜蘭 韜晦して現さずの生涯』青蛙房、
2200円
九月二十七日
◎bk1
中島和夫『忘れえぬこと 忘れたきこと ある文学的回想』武蔵野書房、
2000円
柏木ハルコ『ブラブラバンバン』第5巻、505円
九月二十九日
◎資生堂アートハウス(掛川)
http://www.shiseido.co.jp/s9604art/html/index.htm
『研究紀要 おいでるみん』第4号から11号、資生堂企業資料館、各500円
『資生堂ものがたり 資生堂企業資料館収蔵品カタログ(1872-1946)』
1000円
【ひとこと】山名文夫展が開催されているというので、一度は覗いてみたか
った資生堂資料館・アートハウスを見に、新幹線でお出かけ。以前、古本で
買ったことのある紀要『おいでるみん』が全冊置いてあった(しかも一冊
500円)のには驚いた。ほかに、資生堂のポスター復刻版(10枚で1000円は
安い!)や絵葉書などを買う。どうも、その館限定の出版物やグッズにヨワ
イよなァ。
九月三十日
◎東京芸術大学(「ヌーベルまんが宣言」)
http://www.boilet.net/jp/nouvellemanga.html
Emmanuel Guibert『La Guerre D'alan』L'association、1400円
David B.『L'ascension du Haut Mal』vol.5、1400円
【ひとこと】毎年秋に開催している「アートリンク上野谷中」の一環で、日
仏のマンガ家の原画展を見る。フランスの出版社で出されたマンガが何冊も
販売されていた。コトバは判らないけど、印象的な絵を描く作家が多い。ナ
ニか一冊買うと、この展覧会のパンフレットが付いてきた。
◎セブンイレブン(西日暮里店)
『ほんとうにこわい嫁・姑』第8号、562円
『BUBUKA』11月号、371円
【ひとこと】コレは衝動買いというか、ヒマつぶし用。『ほんとうにこわい
嫁・姑』は、600ページぐらいあって全編、嫁・姑のいさかいを描いたマン
ガばかり載っている。こういう雑誌がもう8号も出てるのだ(同じ版元の同
趣向の雑誌に、『ご近所の悪いうわさ』というのもある)。衝撃的だったの
で、思わず、いいシーンだけを切り抜いて、ノートにスクラップしてしまう。
一冊を解体して編集する作業に、ナンだかすっかり没頭してしまった(夜中
にナニやってんだか)。見たい方にはいつでもお見せします。
今月の購入本 計42冊(来月はコレをさらに下回る予定……です)
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■「今日(こんにち)の芸術」/忘れっぽい天使
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庶民という楽しさ
−ロシア映画「不思議惑星キン・ザ・ザ」と「チェブラーシカ」
世界で今、途轍もない規模の闘争が起こっていることは周知の通り。宗教
の違いと地域の経済格差が憎しみの感情を生み、暴力を生む。所属する共同
体が違うというだけの理由で、本来助け合い笑い合える人間同士が殺し合い
をすることとなるのは悲しいことだ。
そんな時、心暖まるロシア大衆映画を2本見た。
一本目は「不思議惑星キン・ザ・ザ」(ゲオルギー・ダネリヤ監督 198
6年)。
分類すれば「SF」映画だが、「未知との遭遇」やら「スター・ウォーズ」
やらのカッコいいハリウッド映画とはまるで別物なのだ。
故郷の星に帰りたいと街角で叫ぶ男が持っていた空間移動装置に手を触れ
てしまったのがきっかけで砂漠だらけの星プリュフに来てしまった二人の男。
途方にくれる二人の前にやってきたのはオンボロとしか言えない釣り鐘型の
飛行船。中から出てきたのは何とも地球的な、これまた冴えない格好の二人
組みの男たち。プリュフ星では話の大部分を「クー」の一言で表わし、何故
かマッチを貴重品扱いし、身分の上の者にはペコペコし下の者には威張り散
らす習慣が定着している。地球人二人は騙されたり騙されたり、助けたり助
けられたりしながら、地球へ帰る手立てを探し続ける。
カルト的ユーモア映画として知られていたが、この度渋谷ユーロスペース
でロードショーされることになり、連日満席の賑わいをみせている。
公式サイトまで登場(http://www.pan-dora.co.jp/kin-dza-dza/)。
この映画はSFという「よそいき」になりがちな衣装を徹底的に「普段着」
として着てみようという変わった野心に支えられている。ロシアの、現実に
存在する庶民の気質をできるだけ明確に面白く浮き彫りにすることが狙いな
のだ。姑息な裏切りの場が何度となく現れ、プリュフ星人が決して「いい人」
でないことが強調される。マッチの貴重さに比べれば迷い込んできた地球人
の行く末などどうでもよく、また、他人に対して威張り散らす機会を得たい
がためだけに身分の上昇を願う。だが、「悪い人」とも言いきれない。矮小
な欲望に突き動かされつつも、恩義に目覚めて、最終的には地球人二人を故
郷に帰すことに奔走する。欲と人情の間を行ったり来たりする様子が笑える。
騙しあいつつも、それなりに仲良くなっていく過程のディテールがひたすら
丁寧に描かれている。丁寧に描かれるがために、常軌を逸した場面設定が意
外な説得力と安定感を持つようになる。
もう一本の「チェブラーシカ」(ロマン・カチャーノフ監督 1969−
1974年)は子ども向けのアニメ映画。オレンジの箱の中で眠った姿で発
見される、耳の大きいサルのような正体不明の生物。発見した果物屋はこの
生物に「チェブラーシカ」(行き倒れの意味)と名づける。チェブラーシカ
は、動物園で「わに」として働くわにのゲーナ(奇妙な言い方だが、ここの
動物園では動物たちは毎日各自の家から「出勤」して見世物の役割を果たし
ている)、ちょっと意地悪なイタズラ好きのばあさんシャパクリャクらと知
り合って世間へ出て行く。今回は三つの短編を上映したが、このチェブラー
シカというキャラクターはロシアで国民的な人気を得ているのだという。
このアニメの面白さは各登場人物の性格づけにある。アコーディオンの名
手でもあるわにのゲーナは、50歳という年配者で、チェブラーシカに世間
を教える立場にあるが、彼自身が極めて世間常識に疎い。好奇心も旺盛、正
義感も人一倍なので、善いと思ったことには何にでも挑戦するのだがすぐ失
敗して、逆にチビのチェブラーシカから心配の目で見られてしまう。意地悪
ばあさんのシャパクリャクは、二人がすることにちょっかいを出す役割。こ
とあるごとに邪魔をする。だが、彼らの敵かと言えばそうでもない。最後は
必ず打ち解けてくる。チェブラーシカ自身はどちらかと言えば主体者ではな
く、「子どものような大人たち」が繰り広げるドタバタをあっけに取られた
目で傍観する役回りなのだ。哀愁のある音楽もいい。
ハリウッド映画が、各人物の性格づけの範囲をきっちり明確にした上で話
の進行の面白さで勝負していくのに対し、この二本のロシア映画はお話より
も各人の性格づけのズレ具合を楽しむところに力点が置かれているようだ。
ある人物を、こういうキャラクターの持ち主だ、と決めつけて観ようとする
と、彼や彼女の意外な側面がすぐに提出されてはっとさせられてしまうのだ。
存在の動的な状態、微妙ながら絶えず移り変わっていく「生きている」とい
う状態の生々しさが伝わってくる感じである。ハリウッド映画のように、磨
かれたキャラクターの枠に静かに収まるヒーローやヒロインを大衆が仰ぎ見
るという構図ではない。庶民が庶民自身を対象にしている映画だ。観ながら
いつのまにか自分自身が参加している気になってしまうから不思議。そして
その庶民たちは一人一人個性がある。平凡な人物ほどその個性が際立ってく
るのだ(ここらへんが、キャラクターの個性をはじめから制限しがちなハリ
ウッド映画と違う)。更にその個性には「意外な一面」というものが幾つも
あり、それが少しずつ披露されていくだけで楽しい時間が幾らでも過ぎてし
まう。
日本でも50、60年代にはこの手の映画が盛んに作られていたように記
憶するが、現在ではヒーロー志向の凝り固まった映画ばかりが作られている
ようだ。ヒーロー・ヒロインは観ている人の「期待」を裏切らないために、
その性格の造形の幅は狭い。それに対して庶民の性格の造形は弛みを許すが
故に意外性に富んでいる。それがロシア映画の魅力の中心をなしている。
「意外性」を愛し合うところから人間の相互理解が始まるのではないか、
などとふと考えたりしてしまうのである。
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■「書店を面白くするためノウハウ」/掩耳
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2)棚は書店の顔なのだ。特に、衝動買いしたくなる本のある棚は……
女優にとって顔は生命(あれ、歯でしたっけ??)、同じように、書店にと
って棚は生命です。それをどう作っていくのか、というのは基本中の基本の
問題といえましょう。さらに棚と一口にいっても「差し棚」の部分と「平積
み」の部分に分かれます。
では、販売における両者の違いってなんだかおわかりになりますか?? え、
平積みはたくさん積める?? うーん三十点。小学生じゃないんだからそん
なこと見りゃわかります。 表紙が見えて売れやすい?? うーん六十五点。
もう一歩ですな(笑)
以下の記述は、前にも書いた通りこの連載が大型店向けのノウハウだから言
える部分もあるのですが――
何か特定の既刊書を探している人って、「差し棚」は探しても「平積み」は
探さない(業界人ならいずしらず、一般の人は新刊でもそうだったりしがち
かもしれません)傾向が強いのです。そして、「何か面白い本ないかなー」
とぼんやり棚を見るときは、逆に平積みは見ても、細かい差し棚はかなり時
間があるときではない限り、一冊一冊をいちいち見ないということが挙げら
れます(もちろん、例外の方もいらっしゃるでしょうが)。
ここまで書いて、おいおい、平積みって「新刊」とか「話題の本」「ロング
セラー」を積むものじゃないの、という疑問を抱く方もいらっしゃるかと思
います。ごもっともですな。僕が、書店に入ったころの研修で、平積みとは
棚で回転率のよいものを、その本が差しているなるべく真下近くに置くもの
みたいな説明読んだこともありますし。
しかし、後二つはまだしも、「新刊」というのは、イコール本当に衝動買い
しそうな本なのか、というのは疑う価値のあることだと思います。
確かに、新刊はマスコミで宣伝もされますし、既刊本よりもいろいろな意味
で露出の高いものだとは言えます。だいたい、結構な量の配本があるので、
とにかく平積みにしないとストックしておく場所がないという悲しき現状も
あるのですが(笑)
そして、だからこそ他の店と差異化できるチャンスが生まれるとも言えます。
量的な問題で、新刊は平積みしなければならないとしても、その中で問題外
のもの(なんの工夫も無い二番煎じとか)は排除し、既刊のなかで、さまざ
まな理由からより衝動買いされそうなものを置く。ライバル店が新刊ばかり
で平積みを埋めているなら、「へーこっちの本屋の方が、より面白そうな本、
置いてあるじゃん」という風になる可能性が高めれらるわけです。
ここで問題になるのが、衝動買いをしたくなる本/したくならない本(笑)
の差は、どこで見分けるのか、という問題。根本的には、自分がその本を衝
動買いする/しない、がまずは基準になります。え、本なんか読まないから
衝動買いもしたことない?? うう、そりゃラーメン食べたことないのに、
ラーメン屋さん開くようなものです。日光にでもいってお猿さんと反省して
ください(笑)
で、個人の好悪や審美眼以外に、何かないのか、というと、もし付け加える
なら時代風潮を読め、ということになるかもしれません。おお、なんか格好
良い言葉を、出しちゃいました(笑)
これについては、個人的経験を書いてみたいと思います。今から十年くらい
前、中国とソ連ってケンカしていたんですが、ゴルバチョフが大統領のとき
に仲直りのために中国訪問したことがあります。
これって当時の国際情勢からしたら結構な大事件で、当時、新書を担当して
いた僕は、中ソのミニフェアをしようと思って、岩波新書中心に「中ソ和解」
フェアをやったんです。で、そしたらゴルビー訪中をきっかけに、余りに有
名な天安門事件が勃発(近所の鰻屋で父と鰻食べてたら、TVでやってて腰
抜かした記憶があります)。お店のフェアの本は、ダ――ッっと無くなりま
した。いや、美味しい話ってあるんだなーとちょと驚きましたね(スケール
ちっちゃいけど)
これに味をしめて、時代風潮を先取りしたようなフェアや品揃えをやりたい
なーといつも思いながら、仕事をしてもいました。そしてその経験から、ポ
イントはキーワードを見つけること、とも悟ったんですね。
キーワード――
例えば、いま現在どんなキーワードがあるのか。いろいろあると思いますが、
僕が思い付くのは(みんなそんなことわかりきってる可能性もありますが)、
「平安および平安貴族」。
なぜ、こんなキーワードが出てくるのか? 子供にヒットしているのは、「
おじゃるまる」。売れている小説・コミックは「陰陽師」。そして、やはり
売れているコミック「ヒカルの碁」で主人公にとりつくのは平安貴族の亡霊
……
単純だなーと言われそうですが、こんなキーワードをいくつも貯め込んでお
いて、何かひっかかりがあったときにすかさず使っていくわけです。
ちなみに、僕は昔は、「文藝春秋」「中央公論」といった論壇誌の目次は毎
月必ず全部、なかで面白そうな論考は飛ばし読みで目を通すようにしていま
した。とにかくキーワードを貯め込もう、という意図があったからです(続)
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■「アメリカ同時多発テロに関する緊急アピール」/守屋淳
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「アメリカ同時多発テロ論議で全くなおざりにされていること」
今回のアメリカ多発テロと日本国政府の対応について、本来、真っ先に語ら
れるべき性質のものでありながら、全くなおざりにされている事柄について
お話したいと思います。
多くの人がまだ記憶に残っているであろう1995年3月20日・地下鉄サ
リン事件の生々しい映像――この事件で日本の国民が、すでに未曾有のテロ
を経験したことに異論のある方はいらっしゃらないと思います。
問題はその後処理です。死者11人、重軽傷者5500人あまりを数えたテ
ロ事件の被害者に対して、日本の政府どのような救済の手を差し伸べたので
しょうか。
地下鉄サリン事件の場合、加害者は確定され、主要な容疑者はほとんど裁判
を受けています。オウム真理教という教団自体も破算手続きを受けて、その
資産が債権者や被害者への支払いに回されました。
しかし、その被害者への配当率は、わずか22.59%しかないのが現状で
す。例えば、重い後遺症などが残り本来なら1千万保証されなければならな
いテロの被害者であれば、約226万しか支払われず、残り774万円は泣
き寝入りということになっているのです。しかもこの22.59%という配
当は、当初17〜18%だったのを、被害者からの働きかけによってようや
く国や自治体が被害者への配当を優先するという事実上の放棄をしたうえで
の数字です。(もちろん、その放棄は評価されるべきことですが、わずかに
ましになった程度でしかないのも事実です)
では、日本の政府はこの悲惨なテロの犠牲者に、さらなる救援金なり援助金、
せめてこの満たされない保証金額に対して何か補填の手などを差し伸べたの
でしょうか。皆無です。日本の政府は、自国のなかで大規模なテロにあった
犠牲者に対して、ほとんど何も手を差し伸べてはいないのです。
ベストセラーともなった村上春樹さんの『アンダーグラウンド』にも明かに
されていますが、このサリン事件の被害者には重い後遺症をわずらい続けて
いる人は大勢います。6年という時を経た今現在も、苦しみ続けているので
す。
今回、日本国政府は、テロ被害にあったアメリカに対して見舞い金1000
万ドル(約12億円)を拠出することを決めました。勿論その行為はそれで
人道にかなったことですし、必要なことかもしれません。しかし、ならば同
時に自国で未曾有のテロに会い、被害を受けた日本人たちを泣き寝入りのま
ま放置しておくのはまったく道理が通りません。今回拠出を決めた約12億
とは、地下鉄サリン事件の被害者の方々を最低限の部分だけは救済できるだ
けの金額です。
もちろん、戦争や犯罪、災害に苦しむ方に救いの手を差し伸べるのに、本来
国境など考えるべきではないのでしょう。しかし同時に、日本国の政府なら
ばまず自国の国民を救うべく全力を挙げて欲しいと願うのは的外れでもない
と思います。
また、自国でのテロ被害者に対してさえきちんとした救済なりの対策ができ
ない状態で、いくら国際的にテロ撲滅のために援助を惜しまないと叫んだ所
で、その発言にどこまで信憑性を持たせられるのかは疑問です。自分の子供
を虐待しながらマスコミで「幼児虐待は許せない」と叫ぶ親にも似て、その
姿はみずからの愚かさを誇示しているだけにはならないでしょうか。
「信なくんば立たず」――これは今の首相が座右の銘とする言葉だそうです。
しかし、今回のような施政を見る限り、一体「信」はどこに置かれているの
かと疑いたくもなります。
日本国の政府を名乗るなら、まず自国民を救う、それが始めにありきです。
そして今自分たちの身近にいるテロ被害者を救うべきではないのか――この
ことを強く主張して拙い一文を終りたいと思います。この文章に関しては自
由に転載して頂いて結構です。マスコミ関係者のかたががもし購読されてい
るなら、この件をぜひご一考下さい。失礼致しました。
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■あとがき
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>最近、牛肉を食べまくっているんです
>はあはあ……って、それ大丈夫なんですか?
>ふふふ、ちゃんとオージービーフ食べているんで安心なんです。しかも、
人気がないせいかとにかく激安(笑)牛肉百グラム89円、焼き肉のタレも
半額くらいでセールしてたし。
>そりゃ安いですねー。高級な豆腐って300グラムで250円くらいするか
ら、遜色ないじゃないですか(笑)。でも、オーストラリアには狂牛病はな
いんですか?
>ECかなんかの調査で、危険度は1(最低)だそうです。日本はなんと3
>それ、高いんですか??
>レベル4がイギリスだけで、3はヨーロッパ諸国並に危険ってことらしい
ですよ。しかも、この検査かなり前にやったもので、レベル3の結果が出そ
うとわかったところで、農水省が調査への参加を取りやめたらしいですよ。
>農水省、とんでもないですねー。
>これから農水省のお方は、毎日牛の脳みそステーキ食べて懺悔ですな(笑)
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