| 第1回 図書館はスゴイかもしれない |
1999.06.01.
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ここのところ時間が自由であることと、金銭的に不自由であることで、図書館に通うことが多くなった。
ある日、私が通う図書館を意識的に隅々まで時間をかけてなめるように見てまわった。疲れた。「どのくらいの本があるのかなぁ」と思っていると、
運の悪い図書館員が通りかかったので色々聞いてみた。
あまりに色々聞くので終いには「概要」という面白くも何とも無いタイトルのA4・100ページの冊子を渡された。
「タイトルの付け方を草思社に学べ」と言いかけたが言わなかった。
この冊子とても良くできてる。タイトルどおり「概要」が良くわかる。
私の通うその中央図書館の総蔵書数67万冊、市内に分館が6館、車の移動図書館1台。総冊数は92万冊になる。先日開店した日本一の大型店堂島
ジュンク堂が1,500坪で40万アイテム80万冊というから、アイテム 数を考えず総蔵書でジュンク堂に置き換えると約1,700坪になる。
中央図書館だけでも1,300坪クラスの書店に相当する蔵書量である。また、蔵書量だけでなくその他サービスも良く考えられている。
(サービス、システム、ネットワークその他詳細は次回以降書く予定)
この図書館(最近は私の図書館)は全国的にも有名で、この図書館に学べというということで他の図書館が研修・見学などでそのノウ・ハウを取り入
れ始めている。
ついでに全国の図書館はどうなっているのだろうと思い調べた結果が以下 の数字の羅列である。何冊かの本を調べましたが表記軸が不徹底で何かある
のではないかと少し疑っています(笑い)。私たちの税金ですからね。
図書館は大別して国会図書館・公共図書館・大学図書館の3種類である。
98年8月1日現在、
国会図書館(本館、国会分館、支部上野図書館、支部東洋文庫)
蔵書769万6624冊 前比103.9%。年間受入冊数29万457 4冊 前比142.5%。館内閲覧冊数1,815,152冊 前比97.5%。
各省庁35ヶ所。 蔵書417万6669冊 前比100.4%。
館内閲覧冊数3,138,392冊 前比103.5%
公共図書館(都道府県立・市区町村立・広域市町村圏・私立)2,524 館
前年+74館(97年2,450館、96年2,363館、95年2,2 97館)
蔵書2億6312万冊 前比105.4%。貸出し登録者数3,309万 人
前比108.1%。個人貸出し総点数4億5337万3千点 前比104 .7%。
予約件数13,457,035件 前比118.4%。前々年比146.3%。 97年度資料費(図書・雑誌・新聞・視聴覚資料費)実績369億697
2万円。
前比101.7%。98年度予算350億7383万円 97年実績比9 4.9%。
大学図書館(国立・公立・私立・短大・高専)1,638館 前年+16 館
蔵書2億5531万2千冊 前比103.6%。館外個人貸出者数10,75 6,886人前比99.8%。館外個人貸出数2749万5千点
前比100.2% 資料費1千36億2907万 前比103.2%
上記合計 図書館数・4,198館(国会1、各省庁35とする)
蔵書合計5億3030万5293冊
上記の前比を単純に見ただけでも、書店なら「伸び盛り」ということにな る。
流対協の活動のひとつに、「公共図書館の予算縮小に歯止めをかける運動」 とあるが納得せざるを得ない。
前のように蔵書合計で計算すると、662×堂島ジュンク堂になる。 あるところにはあるもんだ。
これら図書館も次世代に入り始め、ネットワーク化が急激に進んでいる。 また、2003年に予定されている国会図書館関西会館開館に向けて、今
は目に見えない作業が行なわれている。(計画書その他わかり次第お知らせ します)
知事選挙で一躍有名になった東京都の通称「箱モノ」への批判を真摯に受 けとめて作れば、目も眩むばかりの「本の場」ができるであろう。
読者としてうれしいやら、書店経験者としては恐ろしいやらでボーッとするばかりである。
そんなある日の図書館で、いつものようにリファレンスでつまらない事を 聞こうと並んでいた時のこと(最近は平日でも並ばないと聞けない。椅子も
たくさん置いてあるが午後は座れない。)
私の前の若い女性が「スプートニクの恋人ありますか?」と聞いていた。 「おととい発売であるわけないだろ」と思ったが言わなかった。
図書館員が「未入荷で予約が多くて、今ですと2ヵ月程待って頂くことになりますが・・・」
女性「何冊くらい入ってくるのですか?」
私、無言で「鋭い、いいこと聞くじゃん」
図書館員「30冊です」・・この1アイテム30冊を図書館では「複本」 という。
女性、しばらく考えた後「待ちます」。
私、無言で「買え、買え、本屋で買ってくれー」
30冊、2ヵ月待ち。図書館は貸出し期間が2週間だから120人のリク エスト予約が2日で集まったことになる。スゴイ。
質問ついでに「2ヵ月待ちだとキャンセルって多いですよね」と聞くと 「最近の方は待たれます」という答え。
帰り道、駅近くの80坪ぐらいの老舗の新刊本屋に行ってみた。
新刊台を見た瞬間に「スプートニクの恋人」が無いのはわかったが、とり あえずカウンターにいる人に在庫を聞いてみた。
少し困った様子で「出てるだけです」と言われた。
たぶん配本が無くて新聞その他の情報も入ってなくて、存在そのものを知 らないのだと感じた。
新刊・既刊本にかかわらずこれが多くの書店の現実で・・・。
これは今に始まったことではなく、ますますその傾向は強くなって・・・。
過日の出版業界研究会の講師が言っていた事を思い出し、ぞっとした。
「約20,000軒ある日本の書店もこのままだと約5,000軒になるだ ろう・・・」
出版社・取次・新刊本屋・図書館・古本屋・ネット上の「本の場」らが物 流、再販問題、経済等々と絡み合いながら、うねるように大きく動かざるを
得ないのを感じる。
次回以降に続く
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