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第4回 『愉快な機械』の岸啓介さんへのインタビュー
1999.09.15.

今回は摩訶不思議な世界を演出し、「たけしの誰でもピカソ」のアート・バ トル5週勝ち抜きグランプリ受賞を機に初の作品集『愉快な機械』ソフトバ ンク刊(9月24日発売予定)を出版される23歳のアーティスト、岸啓介さ んとのインタビューを掲載します。

以下に岸さんの作品数点を掲載しているアドレスを用意しましたので、 作品を見てからこのインタビューを読んで頂いた方が楽しめると思います。

→ http://www.atamatote.co.jp/f03/kishi_k/kish1.html

<「たけしの誰でもピカソ」の審査員の一人だった榎本亮一さんの主宰する 「アタマトテ・インターナショナル」内のページです。

岸啓介氏
1975年 横浜生まれ。
1998年 慶應大学法学部卒業

1997年/10月 アーバナート展CG部門、立体部門入選
1997年/11月 ハンズ大賞受賞
1998年/3月 『たけしの誰でもピカソ』アート・バトル3代目グラン プリ受賞
1998年/10月 ニューヨークSOHOで個展
1999年/3月〜5月 横浜ランドマークで個展
1999年9月24日予定 『愉快な機械』ソフトバンク刊  予価3200円+税
現在、雑誌連載中の作品 @「愉快な機械」---『S.M.H』誌(ホビー・ジャパン刊・季刊誌)--- 最新号・Vol.15(8/25発売分) A「スチームライフ」---『Dos/V Magazine Custom』 誌(ソフトバンク刊・隔月誌)---最新号・7月号(7/16発売分) ●印、岸啓介氏 Q→湯川

@Q→初の作品集『愉快な機械』9月24日の発売と聞きました。 もうすぐですね。おめでとうございます。今のお気持ちは?

●本の装丁や作品の撮影が難航し、一時は企画自体が危ぶまれたことも ありましたが、ようやく完成するようでほっとしています。

AQ→誰またはどんな作品に影響されてこのような作品を作られている のですか?

●小学生の時から時代劇が好きで、「江戸を斬る」や「水戸黄門」などをよ く見ていました。問答無用の勧善懲悪ぶりや、主人公登場の際の過剰なまで の演出は、何度見ても飽きがきません。それに印籠や十手など、未知の必殺 アイテム(江戸時代の階級制度など知らない当時は確かにそう見えました) も魅力的でした。
それから、西洋の科学力をもてはやす反面、お寺の力が幅をきかせていたり する、科学と儀式半々の世界というのも何となく不思議で面白いなぁと思い ます。
これらとロボットアニメの記憶が合わさって今の作品に至ったのかどうか 定かではありませんが、そのあたりにルーツがあるのではないでしょうか。

BQ→『たけしの誰でもピカソ』出演以前の創作活動についてお聞かせ ください。

●作り物一筋なのもどうかと思い、大学のときは法学部にいたのですが、や はり今と同じように作品を作っていました。卒論も表紙のデザインだけ妙に 凝っていましたね。書体を作ったりして楽しかったです。肝心の中身は 「?」でしたが。
現在も会社に勤めつつの製作なので、そういうポジションが好きなのかも 知れませんね。

CQ→誰かに師事したり、共同作業で作品を作ったりされるのですか?

●師事というわけではありませんが、学生のころの美術の先生にはとても 恵まれていたと思います。割と放任主義で、どんなジャンルもあり、という 感じでした。
共同作業の件ついてですが、そもそも作品を作る時は、「オブジェとしての 形の面白さ追求」云々の前に、「自分的世界観の構築」が大前提なので、 誰かと一緒に作るという事はほとんどありません。ただ、作品が完成して から先は、色々な方にお世話になっているなと思います。今回の出版に 際してもたくさんの方にご協力いただきました。ありがたいことです。

DQ→『たけしの誰でもピカソ』ではアート・バトルで5週勝ち抜き、グラ ンプリを受賞されましたが、番組に係わるお話をお聞かせください。

●番組の収録は本来、2本を隔週で撮るそうなのですが、私の回のときは特 番の都合で1週間の間隔で4作品
・ガスパール、メルキヲール、バルタザール
・おもちゃ男
・展開大写真
・狐の嫁入り
(※作品名は本書収録のタイトルです。)
を出すスケジュールになってしまっていたのが大変でした。その内でも、 「展開大写真」は全くの新作だったので、収録当日のスタジオでようやく 完成させたのを覚えています。

EQ→評価が良かったからグランプリを受賞されたのですが、審査員評を聞 かれてどんな感じがしましたか?

●作品もそうなのですが、素朴なキャラクターの方が好まれるようですね。 勝ち抜きの4回目で、「5回目まで行けば、遂に全ての謎が解明する!」 みたいな事を言ったら、冷ややかな目になってしまって「まいったなぁ。」 と思いました。
でも、ああ言わなかったら「同じような作品ばかりだね。」と言われていた かもしれないので、難しいところです。

FQ→そのあと、ニューヨークで個展、ランドマークで個展を開催されてい ますね。いかがでした?

●SOHOでの展示
去年の10月のニューヨークでの個展はテレビ局の撮影等の諸事情から、 1日のみの開催でしたが、(全部で10日滞在したのですが、梱包をほどく だけで4日かかってしまいました)お客さんはたくさん入ってくれたほうだ と思います。
私がかたことの英語でしか説明できなくても、皆さん非常に熱心に作品を見 ながら話を聞いて下さったのが印象的でした。 作品の方が雄弁ですね。まあ、単に私がもっと英語を勉強すればいいだけな のかも知れませんが…。

●横浜ランドマークプラザでの展示
一方、ランドマークプラザでの展示は、2ヶ月近く行うことができました。 ショッピングモールに面した場所でしたし、ゴールデンウィークの季節だっ たこともあって、さまざまな世代の方に見ていただくことができました。 照明にちょうちんを使ったり、結構凝った展示だったと思います。

GQ→皆さん、どんな反応を示していましたか?どんな質問がありました?

●洋風の作品の方がとっつきやすいようですが、和風の作品に関心を持って くださる方が多かったように思います。やはり日本人が作っているからでし ょうか。

HQ→作品集『愉快な機械』についてお聞かせください。

●西洋をも席巻するロボット製造技術「本製機関」の開発によって、三百年 以上続いた江戸時代が舞台のお話です。立体作品、3DCGそしてお話の組 み合わせで展開し、後半には開国を迫る外国の集団も登場します。
色校を見た限りでは、作り物自体はさておき、絵面の色合いがとても綺麗 でした。特に天候を管理するロボット、かみなり・おおかぜ・あめふり・ゆ きだるまの部分は色々議論しただけあって、大変満足しています。
巻末にはおまけとして、作品世界に登場するのぞきからくり「展開大写真」 の組立式モデルや、CG作品そのもののモデリングデータを収録したCD- ROMが付いています。また、製作方法も詳細に紹介していますので、造形 の手引書としてもお使い頂けることでしょう。

IQ→実際の作品をどこかで観ることができますか?

●9月18日から約1ヶ月間、リブロ池袋店美術書フロアで『愉快な機械』 収録の作品を数点、展示する予定です。
PCも用意する予定ですのでCDーROMの中身もご覧頂けると思います。

JQ→これからの活動予定と方向をお聞かせください。

●実は会社員なので、あまり手広く活動はできないのですが、当座は雑誌連 載をきちんと継続し、ここぞというときのために(!?)作品の世界観を温 めていきたいと思っています。
S.M.Hの「愉快な機械」は、和のロボットを扱っていますが、一方DOS/V の「スチームライフ」は洋のロボットを扱っています。これらは同じ時間軸 で進行しており、合流したところで一つの大きなお話になる予定です。和洋 のロボットないしは機械に対する考え方の違いのようなものが表現できると 面白いのではないでしょうか。

KQ→いやー楽しみ、楽しみ。
最後に「本のメルマガ」講読の皆様へのメッセージをお願いいたします。

●いきなり「本を買ってください。」というのも失礼な話なので、とりあえ ず、本屋さんで「愉快な機械」を見かけた折にはパラパラとめくって頂けれ ば、と思います。

L→ありがとうございました。以後のご活躍も期待しております。

はじめてお会いして作品を見せて頂いたのは、冬の寒い日だったような気が する。その後、何度となく食事をしながら話をした。

「もの静かな才能」を感じる。

それでは、また。

文責:湯川新一


■関連リンク集

・アタマトテ・インターナショナル http://www.atamatote.co.jp/f03/kishi_k/kish1.html

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