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2001.3.10.発行 vol.28 [持て余してしまう 号]
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■■ [書評]のメルマガ 2001.3.10.発行
■■ vol.28
■■ mailmagazine of book reviews [持て余してしまう 号]
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■トピックス
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■10日号がパワーアップします
来月より、10日号の編集が[本]のメルマガで人気の南陀楼綾繁(なんだろ
うあやしげ)さんに代わります。現役の辣腕編集者でもあり、今までとは切
り口で本の楽しさをご紹介していくべく、様々な企画を立ち上げ中です。ど
うぞお楽しみに。
■青山ブックセンターさんで「こりゃ豪華だ!」というイベントがてんこも
りなのでご紹介しまーす。詳しくは以下をご覧下さい。すべて参加無料、要
予約のイベントです。問い合わせ先は03-5485-5511(10:00〜22:00)
http://www.aoyamabc.co.jp/
◎「フィロソフィア・ヤポニカ」(集英社)刊行記念
「日本人は思想した」
中沢新一氏講演会+サイン会
日時: 2001年3月12日(月)19:00〜21:00
会場: 青山ブックセンター本店 カルチャーサロン青山
定員100名
◎「知のインターナショナリズム ――――Tracesを巡って」
酒井直樹氏×鵜飼哲氏 対談の夕べ
日時: 2001年3月16日(金)19:00〜21:00
会場: 青山ブックセンター本店 カルチャーサロン青山
定員120名様
◎『山形道場』(イースト・プレス)刊行記念 山形浩生氏講演会
山形道場・特別指南
コミュニケーションギャップとぼくたちの未来
日時: 2001年3月19日(月)19:00〜21:00(18:30開場)
会場: 青山ブックセンター本店 カルチャーサロン青山
定員140名
◎「早稲田文学」リニューアル記念シンポジウム第二弾
「今、小説の批評は可能か」
パネラー:池田雄一×大杉重男×鎌田哲哉×石川忠司
日時: 2001年3月20日(火)14:00〜16:00
会場: 青山ブックセンター本店 カルチャーサロン青山
定員120名
当日は「早稲田文学3月号」をご持参の上ご来場ください。会場内でも販売い
たします。
■「Z−KAN」バックナンバーフェアをBK1で開催中
カルチャー雑誌として、Z会が創刊し、惜しまれつつ休刊となった「Z−K
AN」のバックナンバーフェアがBK1で開催されています。宮台真司氏、
香山リカさんといった最前線の論客がでまくっていた本誌、手に入れておく
チャンスかもしれません。http://www.bk1.co.jp/
■ジュンク堂書店池袋本店グランドオープン なんと二千坪!!
文字通り世界一の大きさの書店が池袋に誕生しました。常時在庫150万冊
と謡っていますから、基本的に流通しているすべての本を扱っているという
ことです。本に興味のある方は、一度は行ってみるべき書店でしょう。
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■特集1 カリスマ編集者にお聞きしました
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今回は、いま出版界でもっとも活躍している編集者とも言われるプレジデ
ント社の天野恵二郎さんにお話をうかがいました。天野さんの手懸けた『上
司が「鬼」とならねば部下は動かず』は四十万部近い大ベストセラーとなり、
さらに『だれが「本」を殺すのか』も発売一カ月で四万部を越えるという快
進撃を続けています。そんな業界のカリスマを探ります。
――まず、天野さんが今まで送り出してきた本を教えて下さい。
●私は、最初サイマル出版会にいまして、20年ほど前にプレジデントに移
ってきたんですが、まずサイマルの頃は、ホワイティング氏がブレークする
きっかけになった『菊とバット』、講談社ノンフィクション賞をもらったド
ウス昌代さんの『東京ローズ』、ハルバースタムの『ベスト アンド ブラ
イテスト』、それに日本翻訳出版文化賞受賞の『膨張と共生』なんかがあり
ます。
プレジデントにきてからは、『速読の英語』や堺屋太一さんの『現代を視
る歴史』、光ファイバーの生みの親・西澤潤一さんの『独創は闘いにあり』。
それに最近では、『神戸新聞の100日』『上司は鬼〜』と『だれが「本」
を殺すのか』ですね。
――天野さんが生涯で「この1冊」と言えるような本を挙げるとすれば・・
● ドストエフスキーの『罪と罰』ですね。私が学生の頃に読んだのですが、
当時はちょうど大学紛争の最中でした。『罪と罰』の舞台であるサンクトペ
テルブルグはロシアの古都なんですが、日本で言えば京都、主人公のラスコ
ーリニコフは京大の法学部の学生といったように世相や舞台を重ね合わせな
がら読んでいましたね。当時は、まだ日本が貧しい頃で、主人公の悩みや
病気、貧困といったものと同調してしまったんですね。・・若いうちって、
こう、生き方がわからないというか、自分を持て余してしまうところがある
じゃないですか。この本にはラスコーリニコフの悩みに、共感させられ、酔
わせられる力があります。今も『罪と罰』が鞄の中に入っているんですよ
――いつも持ち歩いていらっしゃるんですか?
● いえ、そういうわけではなくて、岩波から江川卓(えがわたく ロシア
文学者)さんの新訳が出たんで、読み直しているんです。これは非常に詳細
な注がついているし、良い訳です。例えば、主人公の「ラスコーリニコフ」
は「ラス」+「スコーリニコフ」なんです。「ラス」は<分かれる>、「ス
コーリニコフ」は<派>、つまり分離派、当時の宗教的異端派ということが
わかるんですね。つまり、主人公が苦悩する源泉の一つがそれなわけで・・
ドストエフスキーはこのような言葉遊び、意味を引っ掛けた表現が好きで、
いろいろ使っていて、ネイティブにはわかるんですが、それが今までの翻訳
では現われてこなかった。ところが今回の新訳では、そこのところをきちん
と押さえているんです。
――なるほど、それは読み直したくなる新訳ですね・・ところで、話はがら
っと変わりまして、プレジデント社さんが小学館のグループに入ったという
ことで業界人が驚いていますが・・
● ああ、うちは元々ダイヤモンド社とアメリカのタイム社の50、50の
合弁だったんですが、それがダイヤさんのごたごたで100%米タイム・ワ
ーナーグル―プに移り、今度はそのタイムがAOLとの合併で株を手放すこ
とになり、そこで買い取ったのが小学館のグループだったということです。
ようやく純粋な日本の会社に移って安心して仕事ができるということで社員
一同喜んでいます。今まで出版社の親会社が変わるというと、ぼろぼろにな
って大きい所に引き取ってもらうというパターンなのですが、うちの場合は
全然事情が違いまして、アメリカではよく見られる株によるパワーゲームの
一環のようなものなのです。
――個人で言えば、ヘッドハンティングみたいなものでしょうか?
● そう、そうですね。これからの出版業界は、刃折れ矢尽き果ててどこか
に拾ってもらうというパターンと、能力があるところがヘッドハンティング
のようにして移って行くのと、二種類あるということなんでしょうね。
――ありがとうございました
天野さんのお薦めの本
『罪と罰』ドストエフスキー 江川卓訳 岩波文庫
ご存知、世界文学史上の傑作。岩波文庫はずっと中村白葉の訳でしたが、こ
の度その改版から数えても約20年ぶりの新訳が登場したわけです。江川氏
は『謎解き「罪と罰」』という著作でも有名なこの筋の大権威。ドストエフ
スキーの埋め込んだ様々な謎を生かした、見事な新訳の登場です。
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天野さんの担当した最近のヒット作
『上司が「鬼」とならねば部下は動かず』染谷和巳 プレジデント社
大宣伝をしたわけでもなく、新刊時にたいして注目度も高くなかった本書、
いつのまにか十万、二十万と重版を重ね・・そしてついに四十万越えの大ベ
ストセラー。天野さんに理由をお伺いすると≪時代風潮にうまく合った≫≪
著者にはすでに多くの著書があるんですが、今回はビジネスだけではなく、
教育問題にも踏み込んだところが新しい≫。確かに、成人式での騒動と言い
、大人のしつけが問われる昨今、求められる強い上司、親の像を提示した格
好の一書。
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『だれが「本」を殺すのか』佐野眞一 プレジデント社
倒産、構造不況、リストラ、金太郎アメ書店、ブックオフ……と端から見
ている限りはこれほどオモシロイ戦国絵巻はない出版業界の現状をリアルに
活写して、話題をよんでいる一冊。上は、イトーヨーカドー・センブンイレ
ブンの鈴木敏文氏。紀伊国屋の松原会長兼社長、下はどぶ板の裏ッ側まで知
っている業界雀まで、数百人の業界人を取材して、重層的かつ無類のエンタ
ーテイメントにしあがっています。
某中央公論社は社員全員に「この本を買って読め」とお達しを出し(買っ
てと言わないと、借りて読む不届きモノが出るから≪笑≫)。某取次ぎから
は、ネチネチと嫌がらせの電話があり(取材のときに証拠の資料をもらって
いるのに、嫌がらせの電話まで掛けたんでは、佐野さんの次の格好の題材に
されかねないことに気づかないんでしょうか。ああ、小学生レベルの脇の甘
さ・・)と、発売されてからの反応もまた傑作です。
発売一ヶ月ですでに四万部を突破。本の世界には、こんなオソロシイ事件、
派手なエンターテイメントが繰り広げられていたのかと驚愕させられる一冊。
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■特集2 神保町はオモシロイのだ ウインダム茴香(ういきょう)
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神保町――日本のカルチェラタンとか言われて、世界的な本の街として知ら
れて来たんだけど、最近元気ないんですねー。
原因の一つは、まず他地区の躍進。池袋のジュンクが二千坪なんて化け物み
たいな規模になっちゃったけど、すでにジュンクのオープン時から、新刊書
店の坪面積は池袋の方がうわまわっていた。つまり、新刊探したきゃ、池袋
行った方が、見つかる可能性高いわけ。本好きが結構そっちに流れちゃった。
それと、神保町の殿様商売。特にちょっと前まで古本屋のほとんどが土日休
みだった。神保町の古本屋って滅茶苦茶儲かっているから(日本に数台しか
ない数千万するモデルのベンツ乗りまわす金満古本屋なんてのもある)地方
から来る客なんてシッシてなもんなのだ。
で、そんなうちに気がつくと、わざわざ神保町まで来る人は減りまくり、景
気悪いね―、いかんねーとぼやいてばかりの状況になる。
でもねーはっきりいいますが神保町は面白い。この街をこのまま下降線にし
てしまうのは日本文化の損失や! ということで、今回その素晴らしさを知
ってもらうべく、こりゃお薦めのお店をいくつか紹介しましょう。
まずは、本屋さん。
神保町ならではといえば、これはもう「書肆アクセス」。地方小出版流通セ
ンター直営の本屋さんで、地方出版社の他では手に入らない本がドカドカ置
いてあって、これは面白い。特にご当地の名店・グルメ・名酒などのガイド
は、さすが地元というオモロイ本が一杯。他にも郷土史、民俗学に興味のあ
る人なんかにも、興味深い本テンコモリ。まあ、一度はいくべき掘り出し物
の宝庫です。
すずらん通りの、キッチン南海の向かい側にある。
つぎ、CD屋さん
知る人ぞ知るっていうのがササキレコード。すずらん通りの続き、みゆき通
りにあるクラシックを中心とした中古CD・LDの店なんだけど、まず安い。
しかも商品一杯。おお、っていう出物が格安で良く店頭に出ているので、要
チェック。
それと、靖国通り沿いにある古書センターの上にある、新世界レコード。
おもにロシアものを中心とする超マニアックなクラシック・ポピュラーが集
まっていて、楽しいですぜー。
そんで、食べ物屋さん。
まずラーメンで有名なのが、おもだかや。あっさり醤油味系では最高峰の一
つでしょう。夜は飲み屋さんになるんだけど、このおつまみも激ウマ。場所
は、新しい方のお店が、靖国通りの、住友銀行とマックに挟まれた道を直進
五分ほどの左側にあります。
あと、カレー屋さんだと、靖国通り沿いの共栄堂が有名でおいしいんだけど、
おいらが好きなのは、さっき挙げたキッチン南海のくろーいカレーが好き。
ただし激カラなので、口直しにキャベツも頼んどくのが通。
そして喫茶店。
これはですねー、なんといっても「さぼうる」のイチゴジュースにとどめを
差す。もう騙されたと思って飲んで欲しい。こんな旨いイチゴジュースはど
こ探してもありゃしません。作るのに手間がかかるらしく、「頼むんなら、
何人かで頼んでちょうだい。つくるの大変なんだから」とお店のおばちゃん
に怒られたこともあったけか。
最後に、お休みどころ
別にノドも乾いてないけど、ちょっと一休みしたいなーと思ったら、まず定
番は、錦華公園。山の上ホテルのチャペルなんかが聞こえてきたりします。
あとは、明治大学にもぐりこんじゃうのも手だけど、ちょっと足を伸ばして
九段公園で伸び伸びするのも手ですな。特に4月の桜は、もう見事の一言。
春になったら、ぜひ神保町においでませ
(ウインダム茴香 業界ご意見番 42才 年間読書冊数80冊)
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■あとがき
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>知り合いの大学の先生から聞いたんですが
>はあはあ
>最近の大学生って、休み時間にトイレに行かないんだって
>ええ、どういうこと?
>つまり、休み時間は友達とダベル貴重な時間。一方、授業は教師の話を聞
かなきゃいけない、どうしようもない時間。だから、トイレは、貴重な時間
を費やさず、教師が教室にやってきてから抜け出して行くっていう奴が必ず
クラスに数人いるんだそうで・・
>・・・絶句ですな
>いくら注意しても、これはもう直らないそうで・・
>その年代がそのうち企業入ってきたら、トイレ行くのは会議の時間とかに
なるんでしょうかね・・。国際会議でも平気でそういうことやるようになっ
たりして(笑)
>その内、日本人は膀胱が小さい、なんて記事が海外の新聞に載るかもしれ
ませんねーシクシク
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