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2001.5.1.発行 vol.33 [魂のグラム数 号]
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■■ [書評]のメルマガ 2001.5.1.発行
■■ vol.33
■■ mailmagazine of book reviews [魂のグラム数 号]
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■トピックス
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■田村隆一さんの詩を白石かずこさんが読むイベント
6月3日日曜日午後3時から、かながわアートホールで、詩人の白石かずこ
さんが田村隆一さんの詩を読むイベントが開催されます。ピアノやサックス
チェロなどの奏者も参加してなかなか面白いものになりそうです。
大人3000円、子供500円
問い合わせ045−335−1556
■マッチレッテルの本
珍しいマッチレッテルの本が出ます。昔懐かしいマッチ箱に張り付いていた
レッテルですね。白石書店より、1886円
また、そこの本に収録されたレッテルを含むマッチレッテル展が開かれるそ
うです。
5月1日より9日まで、日本橋のかねとう(03−3667−5531)
にて
■ミラクル福田さんお休み&発行遅れました
新聞社さん、出版社さんともに地獄の連休進行のため、今回はミラクル福田
さんがお休みです。ファンの方すみません。また、発行も1日遅れとなりま
した、大変失礼致しました。
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■「マルチ商法の向こう側に見えるもの」石飛徳樹
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★★『睡魔』
梁石日著
幻冬舎・1800円★★
3年前に「血と骨」を読んだ時、作品を貫くあまりの緊張感と、主人公・
金俊平という人物のオリジナリティーに圧倒された。
そして、梁石日は、もうこれ以上の作品は書けないんじゃないか、もう金
俊平以上の人物を造形することはできないんじゃないかと思ったものだ。
強烈なパワーを持った作品をつくり上げたことでエネルギーを使い果たし
てしまい、以後それを超えられなくなるという作家を、私たちはあらゆる芸
術ジャンルでしばしば目にしてきた。
まして、金俊平は梁石日の父親をモデルにしているというではないか。梁
石日は、ここで切り札を出してしまったのではないかと思ったのである。
しかし、外野席のそんな杞憂を嘲笑うかのような、このところの梁石日の
充実ぶりはどうだ。
昨年末の書き下ろし「死は炎のごとく」で、韓国大統領暗殺という目標を
得て覚醒する若者を、史実を元に造形したかと思えば、今回は、マルチ商法
にはまる中年男の像を、自身の体験から産み出した。
いずれも400ページを超える大長編。「血と骨」に劣らないすさまじい
エネルギーを読者に向けて放出している。
賞の話など、梁石日にしてみれば、何の関心もないのかもしれないが、今
年上期で選ばなければ、むしろ直木賞の方が権威を問われることになるだろ
う。
この小説の主人公・趙奉三は3人の家族を養う47歳のアンニュイな男。
事業に失敗してタクシー運転手を始めたが、それもやめて、運転手の時の体
験を2冊の小説に仕上げている。梁石日の経歴そのものである。
肩書は作家だが、仕事はほとんど来ず、家族にはいいかげん愛想を尽かさ
れている。
趙奉三の周りには、「類は友を呼ぶ」で、ろくな仕事もせずに酒と女に溺
れてる男がたむろっている。
その中の一人が、ジャパン・エースという会社で1枚13万円もする健康
マットを売れば、次々と金が転がり込んでくる、といううまい話を持ってく
る。
明らかなマルチ商法だと気づいていた趙奉三だったが、差し当たって仕事
がないこと、友人の必死の誘いを断るのも何となく気が引けること、当座の
金を持って帰ると家族が喜ぶこと、さらに意外に才能があるような気がした
ことなどから、次第にこのマルチ商法にのめりこんでいく……。
ここでは、マルチ商法が一般人を取り込む手口が、微に入り細をうがって
描写されている。
マルチ商法はまずい、と分かっている人間が、ズルズルと陥穽に落ちてい
く様は恐ろしいまでにリアルだ。
ただし、この小説が恐ろしいのは、単にマルチ商法の手口を描いているか
らではない。読み進むうちに、これはマルチ商法の話のようで、実は資本主
義的な発想そのものを撃っているのではないかと気づかされる。その瞬間が
恐ろしい。
趙奉三は意外にうまく立ち回って、結構な金額を手にする。しかし、決し
て途中でゲームを降りることはできない。
つまり勝ち抜けをすることができない。
競争はどんどんエスカレートしていき、やがて臨界点を超えて、破滅が訪
れる。参加者には崩壊を止めることはできない。
そして、崩壊が始まった時、組織は決して個人を守ってくれない。それは
組織のトップが人格者であろうとなかろうと関係ない。必然的に個人は切り
捨てられるのだ。
この小説は、「ジャパン・エース」という1個の会社の中の物語だったか
ら、趙奉三らは、多大な犠牲を払いつつも、元の人生を取り戻すことが出来
た。
しかし、ここでの「ジャパン・エース」が「ジャパン」、すなわち国家そ
のものだったら、どうなるか。
空恐ろしい後味を残す小説だ。
『睡魔』¥1,800円
http://www.gozans.com/bk/?b=4344000633&s=shohyo
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(石飛徳樹 朝日新聞名古屋本社学芸部記者 39歳 年間読書量100
冊 好きなジャンル・文学)
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■「」守屋淳
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『DNAに魂はあるか』クリック 講談社
<自分が今考えている>そのこと自体とか、自分の頭の中にある言葉そのもの
を意識して、とっても妙な気分になったことってないですか。
あ、自分の頭に言葉が浮かんでいるなあ
↓
って思ってるのも、そういえば言葉なんだよなあ
↓
あれ、そう思っているのも言葉だな、喋ってるのも、それを傍観しているのも
同じ自分だし、頭の中の言葉なんだけど、アレ自分はどっちがどっちで、ああ、
混乱してきた……
最後には頭がドンヨリして来て、結局、一休みして甘いものでも食べまひょか
ってな具合になってしまうのですが、〈自分〉と〈頭の中の言葉〉と〈脳みそ〉
の関係って、考えれば考えるほど不思議ですよね。というか、自分で意識して
考えると気持ち悪くなってくるというか……(笑)
ということで、今回は『DNAに魂はあるか』。著者はクリック――って、そ
うこの方は二重らせんを発見してノーベル賞をもらったワトソンークリックの
片割れ、現代最高峰の学者の方なんです。と、言っても中身は難しくて歯が立
たないってレベルでは決してないし、とっても面白いのでお薦めです。
クリックさん、結構過激です。実は脳って現代に残された最大の謎の一つなの
に、遅々として研究が進まない最大の対象でもあったりするんです。なぜかっ
ていうと、人体実験できないから。そりゃマズイですよね……。でも、クリッ
クさん科学の進歩の為だから誰か実験材料になってくれてもいいのになー(そ
れを世間が非難しないことも含めて)なんて書いてます。うーん、さすが天才、
言うことが違います(笑)
まあ、今のところ、脳を怪我とか病気とかで手術しなければいけない人に許可
もらって、ついでにチョコチョコっと実験やってるみたいですが……
で、出てきた仮説がこれまた過激。人間に魂なんてありゃしません、というも
のなんです。つまり、意識っていうフワフワした(?)何かがあって、脳を動
かしてるわけじゃないっていうんです。
じゃあ、誰が喋ってるの、誰が欲情してるの(←おいおい)、誰が身体動かし
ているのっていうと、ニューロンのネットワークがその役割をしているんじゃ
ないかって、クリックさんは言います。見たり聞いたり考えたりするときって、
たくさんある脳細胞の間を情報がいろんな経路をたどってパッパと行き来する
んですが、その行き来する複雑なパターンそれ自体が意識ではないか……と
(ちょっと、ここいらの説明は大雑把です。基本はそんな間違ってないと思う
けど)。
うーむ、そうなのか……って、それって自分の脳内で今起こっていることなの
に、まったくわからないってのがスゴイような気もします。
しかし、なぜか――ここでしみじみ子供の頃を回想しちゃうんですが(笑)、
子供向けの世界の謎と不思議みたいな本を読んたんですね、幼少のみぎりに
(確か学研の本)。
で、そこには、魂の重さが計測できたみたないトピックがあって(笑)、ある
人が死んだ直後に体重計ったら何グラムだか減っていて、これが魂の重さだ!
とかいうのあったんですが……うーむ、あれは何だったたんだろう、とそっち
の方がちょっと気になったりもします。
人間の科学的な摩訶不思議さを味わいたい方は、ぜひどうぞ。
『DNAに魂はあるか;¥2,718円
http://www.gozans.com/bk/?b=4061542141&s=shohyo
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(守屋淳 ご隠居 年間読書量100冊《仕事で他にも少々》 好きなジ
ャンル 古典)
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■あとがき
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>はあぁ、今ってゴールデンウィークなんですね
>おや、どこかに行かないんですか?
>シクシク、ほとんど仕事で潰れるんです。もう全国の遊びまくっている幸せ
者はゆるさーん。私が、一人ひとりデスラー砲で成敗してくれるぅー
>止めなさいって、返り討ちにあうだけだから(笑)
>そういえば昔、東京近攻の書店にいたとき、通勤方面がちょうど箱根に行く
道すがらだったんです
>はあはあ
>で、ゴールデンウィーク中は、車内が自分以外すべて遊びに行く浮かれまく
って楽しげな団体。僕は仕事行くのでドンヨリしたサラリーマン(笑)。も、
もう車内に火をつけてやろうかと思いましたよ、シクシク
>そうだよね、連休と関係なく働いてる人も多いんだよねーご苦労様です。
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