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2001.6.31.発行 vol.39 [関心のない人を 号]
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■トピックス
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●朝永振一郎集、復刊決まる!
以下、みすず書房さんの格調高い文章でお送りします。
ノーベル物理学賞受賞者の全貌
−親愛なる偉大な物理学者の多面的な活動のモニュメントが、ここに再び甦
る。先生の人間としての素顔を伝えて余すところがないであろう。
朝永振一郎著作集 全12巻 別巻3
2001年10月より刊行−2002年2月完結
1980年代に企画・編集・刊行した『朝永振一郎著作集』は、純学術研究論文
を除いた随筆、評論、講演記録、座談会、対談記事等を収録して、好評のう
ちに完結した。
質の高い内容が平易に書かれた、これらの著作を求める声は品切れ後も多く、
2001年秋、ここに再び復刊し世に送ることにした。
第1巻 鳥獣戯画 串田孫一解説
珠玉の随筆40数篇。
第2巻 物理学と私 小谷正雄解説
文化講演4篇、忘れえぬ師友への追想ほか。
第3巻 物理学の周辺 伏見康治解説
湯川博士との対談ほか座談と晩年の講演。
第4巻 科学と人間 桑原武夫解説
最晩年の懇談会の質疑応答など、社会的発言の集大成。
第5巻 科学者の社会的責任 小川岩雄解説
バグウォッシュ会議と核・平和問題等評論・講演
第6巻 開かれた研究所と指導者たち 小林 稔解説
理研や諸研究所の歴史など回顧した評論・講演・座談など。
第7巻 物理学とは何だろうか 伊藤大介解説
絶賛を浴び大佛次郎賞を受賞した遺著、関連の講演を付す。
第8巻 量子力学的世界像 牧 二郎解説
「光子の裁判」ほか、物理学入門の名著。
第9巻 マクロの世界からミクロの世界へ 江沢 洋解説
現代物理学をやさしく説いた啓蒙講演、理科教育への提言。
第10巻 量子電気力学の発展 西島和彦解説
日本における素粒子論等への回顧と未来への展望。
ノーベル賞講演を付す。
第11巻 量子力学と私 山口嘉夫解説
量子力学、素粒子論研究の道程を回顧した講演等。
第12巻 紀行と放談 松井巻之助解説
地理文物に関するユーモラスな紀行談と、軽妙な談論7篇。
別巻1 学問をする姿勢 戸田盛和解説
プリンストン研究所の生活を綴ったエッセイ他、補遺36篇。
別巻2 日記・書簡 小林 稔解説
「滞独日記」全文と晩年の病床日記・書簡。
別巻3 朝永振一郎 人と業績 小沼通二解説
各界30人による、人間朝永論の集成。
***
Tomonaga Shinichiro
朝永先生が専門の物理学をはじめ,科学行政,科学者の平和運動などで果た
された広範な活動は,天賦の旺盛な好奇心,鋭い判断力,透徹した洞察力あ
ってはじめて可能であった.先生が生涯の各時点でとられた行動を決定した
のは,幼少の頃から生来虚弱な体質と不断に対決しながら感得された宿命へ
の諦念,いわば"一期一会"の人生観であったといえるだろう.
1906年東京生まれ.1965年ノーベル物理学賞受賞.1979年逝去.
***
主な対象読者:理学部・工学部・教育学部在籍の研究者および研究室。図書
館
初版1981-85年/四六判上製カバー装 360〜390頁
各巻3000円(本体)/全15冊合計価格45000円(本体)
製作部数:各巻1000部限定
刊行サイクル:2001年10月:1・2・3・4・5巻
2001年12月:6・7・8.9・10巻
2002年2月:11・12・別1・別2・別3巻
内容見本作成中。お問い合わせ、ご請求は営業部まで
みすず書房
東京都文京区本郷5-32-21
Tel.03-3814-0131 Fax 03-3818-6435
■こちらは講演会のお知らせ
新しい批判的空間を求めて
――『トレイシーズTRACES』の多言語刊行を機に――
昨年11月に日本語版が創刊された多言語文化理論誌『トレイシーズTRACES』
は、その後、韓国語版(2001年1月)、英語版(2001年3月)が相次いで刊行
され、まもなく中国語版も現れようとしています。日本での第二号の刊行も
間近に迫ったこの7月に『トレイシーズTRACES』の編集責任者である酒井直
樹氏(米国、コーネル大学)と、韓国語版の出版責任者である姜來熙氏(韓
国、中央大学)をお招きし、米国や韓国の思想状況と『トレイシーズ』刊行
の意味めぐってシンポジウムを開催いたします。在日本の『トレイシーズ』
編集同人から、岡真理氏(大阪女子大学)、崎山政毅氏(立命館大学)が加
わります。
反動的な文化政治が国境を越えて響きあっているグローバルな時代にあって
は、批判もまた国境を越えた連帯のもとでのみ力を発揮し得るでしょう。ト
レイシーズ・プロジェクトと同様、このシンポジウムもまたそのような新し
い批判的な社会性を生み出すことを願って開催されます。ふるってご参加く
ださい。
日 時 : 2001年7月21日(土)午後一時半より五時半まで
場 所 : 一橋大学 佐野書院(国立駅より一橋大学正門を通り過ぎて最
初の路地を右折)
出席者 : 姜 來 熙氏(韓国、中央大学)
酒井直樹氏(米国、コーネル大学)
岡 真理氏(大阪女子大学)
崎山政毅氏(立命館大学)
* 報告・発言は英語と韓国語で行われます。通訳がつきます。
* 午後六時半より、シンポジウム終了後、会場内でレセプションを行いま
す。
連絡・問い合わせ先 :
一橋大学・伊豫谷登士翁研究室
電話・ファクス:042−580−8650/Eメール:FZH01225@nifty.ne.jp
岩波書店編集部・小島潔
電話:03−5210−4087/ファクス:03−5210−4153/Eメール:
kojima@iwanami.co.jp
■ミラクルさんの休載
今回、ミラクル福田さんがお仕事過重のため、お休みです。ファンのかたご
めんなさい。
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■「軽いミステリーの枠組みで作者がやろうとしていること」石飛徳樹
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「魔女」
樋口有介著
文芸春秋・1905円
樋口有介のミステリーはいつも軽くて、あっと言う間に読めてしまう。
しかし、軽さの中に、意外に真剣な主張がさりげなく含まれている。
この配合の仕方を見ると、作者が誰にその主張を聞いてほしいかがよく分か
る。
樋口作品の主人公には、若者と中年の2つのパターンがある。
どっちのパターンも、
外見・中身ともひどくはないがそれほど目を引くわけでもない。
そんな主人公が、震い付きたくなる美女になぜか迫られたりしつつも、
結局は、一見女らしくない身近な女性の中に、
女らしい魅力を発見して恋に落ちる。
その間に殺人などの犯罪が絡んでくるのだが、
あっと驚くようなトリックや、大向こうをうならせるどんでん返しがあるわ
けではない。
派手好みのミステリーファンには、恐らく物足りないだろう。
しかし、その分、現実離れした不自然さや馬鹿馬鹿しさを感じなくて済む。
今回の主人公は、若者の方だ。名前は広也。
ただ今就職浪人中と、案の定パッとしない。
(しかし、なぜか年上の美しい恋人がいる)
ある日、広也は、テレビの報道記者をしている姉から、
昔のガールフレンドの千秋が不審死したことを知らされる。
姉の特ダネに協力するため、広也は千秋の足跡を調べ始めるが、
調べれば調べるほど、
広也の知る千秋とは似ても似つかない像が浮かび上がる。
彼女は一体何者だったのか?
最終的には、千秋を殺した犯人が明らかになり、ミステリーとして完結する。
しかし、例によって、さほどあっと驚くわけではない。
これもいつものことだが、
作者の関心は、読者を驚かせたり怖がらせたりすることではないのだ。
広也が調査をしている時、助手のようにくっついてくる女がいる。
女と言うよりも少女か。
千秋の妹のみかん。名前と同様、変わった子だ。
初めは持て余していた広也だったが、次第に情が移ってくる。
樋口有介の今までの小説のように、
広也はみかんに恋をするのか、あるいは年上の美女を選ぶのか。
このあたりの揺れの描写が、手練れの技で読ませる。
ただ、作者が本当に書きたかったのは、恐らくその部分でもない。
隠しテーマは、幼児虐待であり、それに伴うPTSDだ。
過去の虐待が事件の鍵を握っていることに気づいた広也は、
幼児虐待について書かれたものを読みあさり、ある感想を抱く。
これがとても悲しくて深く考えさせられる。
単に今、世間で話題になってるから、
という不純な目的で扱ったのではないことが伝わってくる。
幼児虐待を扱った小説に、数年前のベストセラー「永遠の仔」がある。
大変な名著だが、全編、重苦しさに満ち満ちており、
この問題に関心のない人の中には、敬遠した人も多いだろう。
しかし、樋口有介のこの小説は、軽い気持ちで手に取れる。
幼児虐待がテーマだなんて、これっぽっちもうかがわせない。
恋愛ミステリーの軽いタッチの中に、さりげなく、ほんの少しだけ挟み込む
ことで、のどに刺さった小骨のように、妙に引っかかったまま、後々まで残
るのだ。
物書きが、幼児虐待問題を何とかしようと思った時、
その問題に既に関心のある人を共感させたり、
さらに深く考えさせたりすることも必要だ。
しかし、問題に関心のない人を少しでも考えさせること、
こちらの方が、より重要でかつ難しい。
樋口有介は軽い恋愛ミステリーで、そんなことをやろうとしている。
http://www.gozans.com/bk/?b=4163199802&s=shohyo
(↑こちらからお買い上げ頂けます)
(石飛徳樹 朝日新聞名古屋本社学芸部記者 39歳 年間読書量100
冊 好きなジャンル・文学)
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■「人間とは自然とは、なんじゃらほい」守屋淳
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『精神と自然』グレゴリー・ベイトソン 新思索社 3000円
『精神の生態学』同 6500円
ベイトソンは、言うなれば二十世紀の知の巨人なのです。その凄さをずらず
ら書けば、下記のようになります。
エコロジーやニューサイエンスの始祖の一人にして、ルーマンの『社会シス
テム理論』(かの宮台真司センセイが批判的に準拠枠としている本)には、
どかどかと彼の概念が引用・流用され、結局別れちゃったけど、奥さんは文
化人類学で著名なマーガレット・ミード。でもってベイトソンに触発されて、
かの浅田彰氏が書いたのが『ダブル・バインドを超えて』という著作。さら
にさらに出版社メタローグの社名の由来はこのベイトソンの著作からとられ
てもいる――こんな凄い人がベイトソンなんです。
そして、わたくし実は某大手書店でブイブイ言わされてた(言っていたわけ
ではないところに注目≪笑≫)ころ、人文書の売場でもっとも問い合わせが
多く、かつ品切れと聞いて返っていった人が多いのがこのベイトソンの『精
神と自然』、そして『精神の生態学』だったのです。
「品切れでいつ重版されるか全然わかんないんですよねー」
「(うなだれて)そうですか・・じゃあ、いいです」
という応対を、もう何年続けたことやら……。そして、その本が昨年復刊さ
れたのです。
そんな、凄い思想家、いったい何を語っていたのか??
これは、ある意味で西洋近代合理主義批判なのです。そして、そこを乗り越
えた知のありようとは何か。
なんか、いきなり漢字が十個も続いて小難しそうになってきましたが、そん
なこともないんです。
ベイトソンは、例えばこんな例(本文ではちょっと違うけど)を出します・
2,4,6,8,10,12と続いた次の数は?
ほとんどの人は、14と答えそうですが、ベイトソンは違うのだといいます。
それは27なのだ、と。
え、なんでそんな数が出てくるの? と思う方には続いてこんな数列が出て
きます。
2,4,6,8,10、12,27,2,4,6,8,10,12,27、
2,4,6,8,10,12,27、
なるほど、では27の次の数は――お察しのとおり、これはなんでもいいの
です。前の数列で12の次は27と答えてしまったのがいわゆる合理主義と
いわれるものですが、しかし、これは現実や自然といったものとは対応して
いないのではないか、とベイトソンは指摘するわけです。なるほど。蝶々が
一直線に飛んでいるからといって、次の瞬間も真っ直ぐに飛んでいるという
保証はどこにもないわけです。
ベイトソンのこのような発想のもとには、精神分裂病患者やアルコール中毒
者の研究――これにより、有名なダブル・バインドセオリーが産まれ、また
AAAというアメリカの今でも著名な禁酒協会の設立に参加したりした――
や、東洋の禅の思想の影響もあったようです。
例えば、ベイトソンは、こんな魅惑的な問いを投げかけてきます。
目の不自由な人が道に杖をついて歩いている。さて、この人自身の意識とい
うのはどこまでを言うのか。杖の先端? 杖の中ほど? 杖を持っている手
?
どう思われますか? ベイトソンの叡智に満ちた答えを知りたい方は、ぜひ
この2冊読んでみてください。
『精神の生態学』
http://www.gozans.com/bk/?b=4783511756&s=shohyo
『精神と自然』
http://www.gozans.com/bk/?b=4783511764&s=shohyo
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(守屋淳 ご隠居 年間読書量100冊《仕事で他にも少々》 好きなジ
ャンル 古典)
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■あとがき
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>そろそろ選挙ですね
>はあはあ
>しかし、今の政党って何がなんだかわかりませんねー
>と言いますと?
>だって、構造改革やるって言ってるのも、それを骨抜きにしようとしてい
る人たちも、みんな自民党のセンセイで、どちらの勢力もも自民党にプレッ
シャーかけてるわけでしょ。
>まあ、そうなりますわな。
>しかも、民主党の議員もみずから、TVで自分の党には守旧派がいるとか
いっちゃってるんですから(笑)
>やはりここは「血がどろどろの構造改革党」と「利権はいいよーの守旧派
党」に再編制してほしいですね。
>なんか、どっちも嫌な名前だなあ(笑)
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