2001.9.30.発行 vol.48 [ さわやかな現実逃避 号]


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■トピックス
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■お詫びでございます
嗚呼、たいへんな事態になってしましました。石飛さんが、古今亭志ん朝さ
んが亡くなられた件の取材などで手一杯になり、今月はお休み。さらにミラ
クル福田さんも仕事が混み合ってお休み――なんと、今号は編集担当の守屋
のみになってしまいました(この関連で発行も遅れてしましました)。二人
の書評を期待されていた方、申し訳ございません。来月こそは、ちゃんと、
うう……今号は、守屋の二本立てで行かせて頂きます。あ、殴らないで……

■こちらは訂正です
先月号でご紹介した書名と著者名に間違いがありました。お詫びして訂正致
します
×『アウシュビッツの残りもの』ジョルジュ・アガンベン 上村忠男・廣
石正和訳 2400円
○『アウシュヴィッツの残りのもの』ジョルジョ・アガンベン
でした。失礼致しました。

■アフガニスタンの歴史と現状が理解できるホームページ
これを読むと、本当にアフガニスタンは大変な国だということが一目でわか
るすごいHPがあります。「タリバン」「北部同盟」などの単語が生半可に
わかっている気になっている方、ぜひご覧下さい。こりゃ本当に一筋縄では
いきません……
http://www.mine.ne.jp/a-rans/

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■「美しき現実逃避」守屋淳
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『南の島のティオ』池澤夏樹 文春文庫

活字で表現されるものって大きくわけると、<現実に向き合う>と<現実か
ら逃げちゃう>の、二傾向に分けられるかもしれません。

今回、アメリカ多発テロ事件で、雑誌がわんさか増刊号を出し、関連する単
行本も増刷が続々あがってくるのは、まさに<現実に向き合う>系の現象で
しょう。実用書や社会問題系のノンフイクション、ビジネス書なんていうは
みんなこの系列です。

でも、こんなきな臭く、こんな不景気な世の中だからこそ、良質なひととき
の<現実逃避の道具>は必要だし、求められているのだとも思います。「ハ
リーポッター」のシリーズが大ベストセラーになっているのも、<現実に向
き合う>ことばかりではストレスが大き過ぎる現実の反動なのかもしれませ
ん。

そこで、ぜひぜひ読んで頂きたい一冊がこの「南の島のティオ」です。もと
もと楡出版というところから児童書として出されていたものですが、もとの
出版社が解散し、文春文庫に入ったものです。児童書とは言っても、気持ち
のあちこちがストレスやら嫌な世の中のせいで凝っちゃった大人にこそ最適
な一冊なのです。

タイトルでもわかるとおり、これはある架空の南の島の物語――買うと必ず
その場所を再訪したくなる不思議な絵葉書、十字路に埋められた謎のモノ、
そして神の意志に必死で抵抗する話など、ちょっと不思議で、超高級クール
ミント飴を大量に舐めまくった後のように、苛立っていた心が静まり、爽や
かな気分にさせてくれる感じのお話が10篇綴られています。

ちなみに、神の意志に主人公のティオが必死の抵抗を試みる「星が透けて見
える大きな身体」という話、僕は会社から帰る電車のなかで読んでいて、ち
ょうど駅についたときに半分くらい読んだところでした。10分ほど歩けば
話の続きを家で読めるんだけど、その10分が惜しくて駅のベンチに座って
残りを読みました。それほど魅力的なお話が満載の本なのです。

著者の池澤夏樹さんは、言わずと知れた大作家で、短編のお手本のような『
スティールライフ』(中公文庫)から、大長編『マシアス・ギリの失脚』
(新潮文庫)まで傑作揃いですが、もしまだ一冊も読んだことのない方がい
らっしゃったら、池澤さんの入門篇としてもまず第一にお薦めできる本です。

乱れがちな心のバランスを取りたい方にぜひ。そのまま南の島の魅力に取り
付かれて、どこかの島に逃亡したまま帰ってこなくなっちゃう可能性もあり
ますが。まあ、それも人生でしょうか(笑)

http://www.gozans.com/bk/?b=4167561026&s=shohyo 
(↑こちらからお買い上げ頂けます)
(守屋淳 ご隠居 年間読書量100冊《仕事で他にも少々》 好きなジ
ャンル 古典) 
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■アメリカ同時多発テロに関する緊急アピール/守屋淳
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「アメリカ同時多発テロ論議で全くなおざりにされていること」

今回のアメリカ多発テロと日本国政府の対応について、本来、真っ先に語ら
れるべき性質のものでありながら、全くなおざりにされている事柄について
お話したいと思います。

多くの人がまだ記憶に残っているであろう1995年3月20日・地下鉄サ
リン事件の生々しい映像――この事件で日本の国民が、すでに未曾有のテロ
を経験したことに異論のある方はいらっしゃらないと思います。

問題はその後処理です。死者11人、重軽傷者5500人あまりを数えたテ
ロ事件の被害者に対して、日本の政府どのような救済の手を差し伸べたので
しょうか。

地下鉄サリン事件の場合、加害者は確定され、主要な容疑者はほとんど裁判
を受けています。オウム真理教という教団自体も破算手続きを受けて、その
資産が債権者や被害者への支払いに回されました。

しかし、その被害者への配当率は、わずか22.59%しかないのが現状で
す。例えば、重い後遺症などが残り本来なら1千万保証されなければならな
いテロの被害者であれば、約226万しか支払われず、残り774万円は泣
き寝入りということになっているのです。しかもこの22.59%という配
当は、当初17〜18%だったのを、被害者からの働きかけによってようや
く国や自治体が被害者への配当を優先するという事実上の放棄をしたうえで
の数字です。(もちろん、その放棄は評価されるべきことですが、わずかに
ましになった程度でしかないのも事実です)

では、日本の政府はこの悲惨なテロの犠牲者に、さらなる救援金なり援助金、
せめてこの満たされない保証金額に対して何か補填の手などを差し伸べたの
でしょうか。皆無です。日本の政府は、自国のなかで大規模なテロにあった
犠牲者に対して、ほとんど何も手を差し伸べてはいないのです。

ベストセラーともなった村上春樹さんの『アンダーグラウンド』にも明かに
されていますが、このサリン事件の被害者には重い後遺症をわずらい続けて
いる人は大勢います。6年という時を経た今現在も、苦しみ続けているので
す。

今回、日本国政府は、テロ被害にあったアメリカに対して見舞い金1000
万ドル(約12億円)を拠出することを決めました。勿論その行為はそれで
人道にかなったことですし、必要なことかもしれません。しかし、ならば同
時に自国で未曾有のテロに会い、被害を受けた日本人たちを泣き寝入りのま
ま放置しておくのはまったく道理が通りません。今回拠出を決めた約12億
とは、地下鉄サリン事件の被害者の方々を最低限の部分だけは救済できるだ
けの金額です。

もちろん、戦争や犯罪、災害に苦しむ方に救いの手を差し伸べるのに、本来
国境など考えるべきではないのでしょう。しかし同時に、日本国の政府なら
ばまず自国の国民を救うべく全力を挙げて欲しいと願うのは的外れでもない
と思います。

また、自国でのテロ被害者に対してさえきちんとした救済なりの対策ができ
ない状態で、いくら国際的にテロ撲滅のために援助を惜しまないと叫んだ所
で、その発言にどこまで信憑性を持たせられるのかは疑問です。自分の子供
を虐待しながらマスコミで「幼児虐待は許せない」と叫ぶ親にも似て、その
姿はみずからの愚かさを誇示しているだけにはならないでしょうか。

「信なくんば立たず」――これは今の首相が座右の銘とする言葉だそうです。
しかし、今回のような施政を見る限り、一体「信」はどこに置かれているの
かと疑いたくもなります。

日本国の政府を名乗るなら、まず自国民を救う、それが始めにありきです。
そして今自分たちの身近にいるテロ被害者を救うべきではないのか――この
ことを強く主張して拙い一文を終りたいと思います。この文章に関しては自
由に転載して頂いて結構です。マスコミ関係者のかたががもし購読されてい
るなら、この件をぜひご一考下さい。失礼致しました。
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■あとがき
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>なんか、日本でも狂牛病がでちゃいましたね
>はあはあ
>あんまし言われていないんですが、ゲゲってことが一つあったんですが
>な、なんですか??
>いや、牛の肉骨粉のエサが問題になってるわけなんですけど、それって
牛のエサになってるわけですよね。
>そうですよねー
>そ、それって共食いさせてるんじゃあ……
>うう、そうですねー。考えてみれば牛版カニバリズムですな。なんか、
そんなことさせたからバチでもあたったんでしょうか。
>たたりじゃー八墓さまのたたりじゃー
>ふるー(笑)年齢バレバレですな
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