2000.12.20.発行 vol.56 [ 生きている料理集 号]

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新 し い 戦 争 ?――9.11テロ事件と思想      12月20日刊行
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■中山 元 著     46判並製/128頁/ISBN4-925220-05-5/本体1000円
■発行:冬弓舎(http://thought.ne.jp/)     地方・小センター扱い
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サイード、ジジェク、デリダ、ネグリ、ヴィリリオ、チョムスキー、ソンタ
グ、アガンベン……。知識人たちは未曾有の9.11テロ事件をどう語ったか。
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■「優香ってなんだろう?」 小林圭司
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優香というタレントを知らない人はまずいないとは思う。
事務所のプロフィールによると、

出身地 東京都
生年月日 1980年6月27日(蟹座)
血液型 O型
サイズ 身長157cm
B87cm W59cm H85cm
靴のサイズ 23.0cm
特技 フェンシング
趣味 お香

なのだそうだ。
いや、そういうことが問題なのではなくて、優香って、何をする人なんだろ
う?
よくテレビのバラエティ番組には出ている。
でも、特に何かをしたり、意味のあるコメントをするわけではない。
そういうただ横に座っていればよい若くてきれいな女の子という役回りは、
デビューしたての新人のやるべきことであるように思うのだが。
CMにもよく出ている。
でも、彼女のキャラクターと商品とが密接に結びついているとは考えられな
い。
やはり他の若くてきれいな女の子に代替可能であるように思われる。
「癒し系」とか「童顔豊乳系」とかカテゴライズしてみたところで、どうも
本質を外している。

ところが、そんな優香嬢にはまってしまう人がなぜか世の中にはたくさんい
る。
たとえば、今夏惜しまれつつも解散してしまった、日本美女選別家協会会長
であるリリー・フランキー氏。
「ある朝、目覚めるとボクは優香を好きになっていた。」
「突然降り注いできた優香という物体に、オレは自らに対して、つとめての
めり込むように命令し、どんどん、優香漬けになっていく自分に酔った。」
氏は、ことあるごとに優香について書き、優香について語り、ところかまわ
ず「優香優香優香」とわめき続けてきた、優香狂の第一人者だ。
そんなリリー氏が実際に優香に会ったときの記事が「relax」誌01年
6月号に掲載されている上記引用部分だ。
これを読んだとき、ぼくはリリー氏に対してこれまで抱いていた尊敬の念が
深まると同時に、羨望と嫉妬も覚えた。
でもそれが、のめり込むという行為に対する羨望なのか、その対象が優香で
あるという嫉妬なのか、はっきりとわからなかった。
早い話、ぼく自身も、優香が好きだからなんだけど。

『ひるねのほんね―優香がいっぱい』
優香著 角川書店刊 本体1,200円

は、優香本人が話した(書いたのではないらしい)唯一のエッセイ集だ。
ちゃんとFMの「優香@net」を聴いていないぼくのようなハンパファンが優
香のコトバに触れる機会は、こういう本と、志村けんの隣りで鼻の頭を赤く
して出ている屋台トークぐらいしかない。
さて、優香先生はどんなことを語っているだろうか。
・・・・・。
だめだ、恥ずかしくてまともに読めない。
好き嫌い云々じゃなくて、33のオッサンが当時20歳の女の子の話したこ
とを赤面せずに読めるわけがない。
しかしこれじゃ書評にならないな。
試しに、目次から抜いてみよう。
「憧れの人のためにチョコを作ったあの日」「腹が立つくらい私のハートは
伝わらない」
参ったな、こりゃ。
「名前入り緑ジャージでカラオケへ!」「ラーメンにライスは欠かせませ
んっ!」
なんなんだ、この人は?
といった具合だ。

でも、非常に納得できるところもあった。
優香はグラビア撮影がいちばん好きな仕事だという。
しゃべるのが得意ではないので、自分の素直な気持ちがいちばん出せるよう
な気がする、というのだ。
ここまで言ってよいのだろうか、同じ業界には、同じグラビア出身でありな
がら、弁が立つことや高学歴であることを売り物にしている者もいるのに。
さらには最近も女性誌「LUCi」のインタビューで「これが自分の仕事
と自信をもって言えるものがない」という。
既に「国民的癒し系」とか「CMの女王」とか言われて確固たる地位を築い
ていながら、このセリフである。
これは冷静な自己分析なのか、ただただ謙虚なパーソナリティなのか。
いや、優香ファンとしては、これこそが優香の醍醐味、と言ってよいだろ
う。
やはり30代男がはまりやすいという、つんくプロデュースな一団と比べて
みるとよい。
あの上昇志向の強さや集団としての押しの強さは、ぼくなどには耐え難いも
のがある。
勝ち組だろうが負け組だろうが、金持ち父さんだろうが貧乏父さんだろう
が、ベスト4入りだろうが予選リーグ敗退だろうが、なんだっていいじゃな
いか。
無理をして、あるべき自分の姿を求めることよりも、「自分が本当になにを
したいのか、自分自身よくわからない」という優香の言葉に頷いてしまうの
は、ぼくが既に勝負の場から降ろされたオヤジだからだろうか。

なんて適当な理由をつけてみたが、実はただ単に優香がかわいいから好きな
だけだ。
まずいな、年とると理屈っぽくなって。
最後に、リリー師匠のお言葉を前出記事からもうひとつ引用させてもらお
う。
「『・・・本当の自分は、そういうものじゃないのかもしれないって思った
り・・・』優香は慎ましく言った。そんな心配するもんじゃない。君がたと
え、どんな人間でも君を好きな人にしてみればたいした問題じゃない。それ
が愛だ。」
 
http://www.gozans.com/bk/?b=4048836293&s=shohyo 
 (↑こちらからお買い上げ頂けます)
<小林圭司 出版社営業部員 33歳 年間読書量50冊 好きなジャンル
 翻訳小説・サッカー 実は内山理名も好き>
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■『ふるさとの食卓』畠中理恵子
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 『ふるさとの食卓』中山美鈴著 著

 ふだんの食事こそが宝である、と著者はいう。
 美味しいものを食べるのが極日常になっている昨今。
 日本食もからだにいいとされ、郷土料理ももてはやされているが、
 紹介されている料理はあくまでよそ行きの着飾った料理である、と感じる
著者。
 もっと身近な、琴線にふれるような、あるがままの食に会いたい。
 食は土地と切っても切れない。
 例えば沖縄の食文化は単純に本土と比較し、その特異性を強調されるが
 食材、ゴーヤーやへちまを食べる文化は九州にも存在し、受け継がれてい
る。
 その、「くらしや風土とのつながり」を探ろうと取材が始まる。
 自分の住む九州福岡から始まり、沖縄、中国、四国と
 日本の古くからの料理を採集しに
 町々の古老から口伝えで教えてもらうために
 旅に出る。
 本書はその、「旅の料理記録集」だ。

 食べ物の本は何故こんなにも満たしてくれるのだろう。
 99種の料理を訪ねる本書も
 とりあげられる地域の背景が見えかくれし
 時代や歴史が見えかくれする。
 
 九州、黒田藩の献上品として有名な筑前葛を使う縁起の良い料理とされた
「だぶ」。
 筍、こんにゃく、干し椎茸、にんじん、れんこん、里芋などを小さく切っ
て、昆布と鰹節のだしで煮込み最後に葛溶きするお吸い物みたいな料理。
 北前舟で運ばれた貴重品、棒ダラと、タラの腸のにもので盆料理「たらの
煮しめ」。
 みその文化としょうゆの文化。
 山と海。
 300年の伝統、卓抜した技術でつくられる白髪そうめん(細いので)
 鯨を食べる文化。
 「おばあ」の工夫」から出来上がった沖縄料理の数々。
 離島では病が命取り。日頃から薬になる草や野菜、雑穀などを料理に取り
入れて暮らす。
「食はクスイムン(薬)」とは沖縄の知恵。
 海原から来訪した神を祭り、一切を秘す祭事をもつ島、パナリ島は主食は
芋と粟だった。
 その島の芋おにぎり。

 諸国雑煮巡りはこの季節楽しい。
 山口、萩の蕪ともちだけの雑煮、出雲の岩のりともちだけのもの。砂糖を
いれる小豆雑煮は松江。
 てんぷらまで入れて鍋焼きのような島原の雑煮。
 もちでなくうずら豆などを入れて作る雑煮、対馬。
 だしをとってもいりこやするめ、焼き鮎や焼き海老もある。
 まさに百花繚乱。
 食文化の多様性と人の食に対するこだわりの強さを感じる。

 美味しさは、人と人を繋ぐ。
 食は、ひとりで食べるだけのものでない、と
 遠い祖先との繋がりに気付き
 暮らしの原点をみるようだ。
 著者と二人三脚でこの旅を続ける料理人藤清光氏の想像力も
 本書に説得力をあたえている。
 まさに生きている料理集だ。
 
 できればもっと料理の写真を掲載して欲しかった。
 
『ふるさとの食卓』
中山美鈴著
 葦書房刊
 A5判/255頁/本体1900円+税/2001年12月20日 

(すみません、こちらの本はこちらのシステムでは手配できないようです)
<畠中理恵子 書肆アクセス店長 神保町の看板娘、じゃなくて看板奥様>
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■『歌舞伎者カゲキはアンデルセンを越えるか?』朝日山
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「つきとはくちょうのこ」志茂田景樹 志茂田景樹事務所

私の行きつけの本屋は、たぶん日本有数の美女揃いの本屋だと思う。本屋は
力仕事なのに男性店員はめったに見ない。ほとんどが美女で切り盛りされて
いる。そのせいか、エロ本は間違って入荷するとき以外は置いていない。ボ
サボサ頭に不精ヒゲ、さらにスリッパという、いかにもエロ本が好きそうな
出立ちで店内をうろちょろする朝日山が嫌な顔をされないのは、もてるから
ではなく、やっぱり本をそれなりに買うからだろうな(笑)

ある日、そんな調子で店に入っていくと、やはり天下一品の美貌で知られる
店長に呼び止められた。今度こそ、もうちょっとまともな格好で店に来いと
叱られると首をすくめると、さにあらず。今度やる志茂田景樹の読みきかせ
に、お子さんつれて来てくださいとおっしゃる。断れるわけがない。もっと
も、ウインクまではしてくれない(。+)\BAKI

以前紹介した編書房の「何だ難だ、児童文学」を読んでいた頃には、志茂田
景樹がそんなことをしているとは露知らず、一流作家がなぜ児童文学を書か
ないんだと思っていた朝日山としては、見逃せないイベントだ。直木賞作家
が本腰を入れて児童文学を書いていることに、エライ!あんたみたいな作家
が日本の児童文学界にいなきゃいけないんだと、ひざを叩くような気分にな
った。

だから子供二人をつれて読みきかせ会に行ったが、少々期待は外れた。志茂
田さん、全然楽しそうじゃなかった。齢六十を越えるのに、ほとんど毎日全
国行脚して疲労がたまっていたであろうし、しかも私が行ったのはダブルヘ
ッダーの終わりの方の会だ。言うのは酷かと思うけど、これではいけない。
教育テレビの子供番組に出てくるプロの面構えと比較すれば、明らかに負け
ている。

が、話の内容は決して悪くない。中でもこの「つきとはくちょうのこ」は、
いずれこの作家が「マッチ売りの少女」に比肩する作品を書くかもしれない
と思わせる出来だ。

「マッチ売りの少女」は言うまでもないアンデルセンの代表作。周囲が幸せ
に包まれるクリスマスの街中で、凍死する孤独な少女の物語。冷酷無惨な運
命に玩ばれる少女が見た至福。作品の根底に流れるセンチメンタリズムへの
痛烈な皮肉。10分とかからずに読めるボリュームで、これだけの内容を盛
り込んだお話は、他に私はO.ヘンリーの「二十年後」くらいしか知らない。

「つきとはくちょうのこ」は、「マッチ売りの少女」と基本的にベクトルは
同じ作品だ。父親を亡くし、母親を亡くす白鳥の子の運命を詩的に描く。そ
う書くと、なんだ、マネじゃんかと言う人もいるかもしれない。

歌舞伎者は、いい意味で狡猾な作家ではないだろうか?実は読み聞かせ会の
会場で志茂田景樹は、3つのお話をしてくれた。普通、こうした会をやる時
には、趣向の違う話を3つ用意するだろう。しかし、「つきとはくちょうの
こ」の次に彼は同系統だが、ある種のハッピーエンドで終わる「ぞうのこど
もがみたゆめ」をやった。もともと多彩な作風を持つ人だけに、ユーモラス
な作品も書いていれば、個人的には嫌いだが教育的な作品も書いている。読
み聞かせできる作品が他になかった可能性はゼロだ。

テレビで鍛えられたポーカーフェイスのためか、よく読み取れなかったのだ
けど、おそらく彼は子供の反応をきちんと見ていたはずだ。同系統で結末に
残す余韻が違う作品を二つ並べる理由は、それくらいしか考えられない。

志茂田景樹ともあろう作家が、「マッチ売りの少女」との類似性を知らない
でこれらの作品を書いたと思うのは浅はかに過ぎるだろう。むしろ子供がア
ンデルセンと比較することを承知でやっていたのではないか。もしそうなら
、その意図は何か?「マッチ売りの少女」を越える作品を書くための準備で
あろう。調査であろう。ウォーミングアップであろう。

それにしても思うのは、最近の、一部の子供の置かれた状況の厳しさだ。最
近、私の近所で子供絡みの事件が多い。知人に酒鬼薔薇事件にかかわった人
が二人ほどいて、彼らの嘆息に暗たんとしたけど、まだ考えが甘かったと思
い知らされた。

少なくとも酒鬼薔薇事件の場合、親は花村萬月が「少年A この子を生んで
」の書評に書いたように愚かではあったが、真面目に少年Aと対峙していた
分、わずかではあっても救いがある。しかし、近所の高速道で中学教師の車
から飛び降りて死んだ子供は、「新潮45」十月号の記事によれば、親から性
的暴力を受けていたという。

彼女が死んだ場所のこれまた近くには、親の虐待で殺され、尼崎の運河に捨
てられた少年が保護されていた施設がある。この子たちに救いはあったのか
?そんなことを考えると、己の非力、己の無能に怒りが沸いてくる。何のた
めに本を読んでいるんだ?オレは……

http://www.gozans.com/bk/?b=491615858x&s=shohyo 
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(朝日山 烏書房付属小判鮫 37歳 好きなジャンル 何だろ?)
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■あとがき
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>いやー忘年会シーズンですねー
>はあはあ
>最近、自宅用のおいしいおつまみを見つけたんですが
>何ですか?
>亀田の「えびっぷり」っていう焼き菓子なんですが、揚げていないかっぱ
えびせんっていう感じで美味しいんですよ。ビールにぴったし。しかも、焼
いているから低カロリーで、他のスナック類より太りにくいし・・
>ああ、最近お腹でてきてますもんねー
>う、それだけは言わないで(笑)。まあ、脂肪の採り過ぎはいいことない
ですから、お家で寝酒のお供にでも、ぜひ。
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