2002.3.20.発行 vol.65  [ギャグの定石 号]

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■■ [書評]のメルマガ                             2002.3.20.発行  
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■トピックス
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■畠中さん、お休みです
今回、畠中さんがお休みです。ファンの方申し訳ありません。次回、請うご
期待です。
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■男の子って、たいへんだ/小林圭司
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男、特に父親が求められている役割は、えらく厄介で複雑なものになってい
る。
外で働いて収入を持ち帰るという、旧来からの役割。
家庭内で家事や育児を受け持つという、比較的新しい役割。
この二つを完璧にこなそうと思ったらいくら時間があっても足りない。
あちらを立てればこちらが立たずで、多くの父親は後者を犠牲にしているの
ではないだろうか。
ちまたにあふれかえる育児エッセイは、困難やら葛藤やらが当然あっても、
結局は成功した育児についてのものだ。
そんなのは早い話、親の自慢話に過ぎない。
中には「自分はあまり出来のよい親ではなかったが、子どもはちゃんと育っ
てくれた」パターンのものもあるが、それは「なにかしなければ」という強
迫観念に駆られた親に安心を与えてくれるものではない。
子ども、中でも男の子という何かと間違いを犯しやすいヤツラをどう扱う
か。
なかなか日常的に息子とかかわる時間をとれないお父さんたち、放っておく
とどうなってしまうかわかりませんよ。

そんなお父さんたちにぴったりの本が出た。
『男の子って、どうしてこうなの?』
スティーヴ・ビダルフ著/草思社刊/本体1400円
だ。
男の子を持つ親の悩みに答えてくれる、ありがたい指南書である。

この本を理解するためには、まず序章を流さずにきっちり読む必要がある。
そこに今日、男の子という連中が置かれた立場について、著者がどのように
考えているかが述べられているからだ。
女の子が自分に自信を持ち、目的意識があるのに比べ、男の子はぶらぶらし
がちで、暴力・アルコール・ドラッグなどにさらされる危険性が高いと著者
は言う。
男の子は乱暴で攻撃的で、本など読まず、女の子とどう接すればよいかわか
らず、15歳までの少年は同年代の少女よりも3倍死ぬ確率が高い(それも交通
事故や暴力、自殺で)。
男の子というのはなんとまあ愚かな生き物なのだろう。
もちろん例外はあるし、ある文化の中では男の子が偏重され奉られさえする
ことについても言及されている。
でも、男であることの不自由さを少しでも感じたことのある人ならわかるの
ではないか。
男の子に手を差し伸べてあげなければならないということが。
著者は心理学者だが、メンズ・リブの代表的理論家でもあるそうだ。
ジェンダー・フリーの意義を認めつつも、少年と少女が実質的に同じだと見
なすのではなく、よい意味で異なっていてその違いを大切にしなければなら
ないという立脚点からスタートしないといけない。

9章に分かれているうち、はじめの3章は生理的な要因について書かれてい
る。
男の子の成長の3段階、男性ホルモンの影響、男女の脳の違いは、男の子の
抱える問題が避けられない原因によっても誘発されるということであり、
ちょっとほっとさせられる。
しかし、残りの6章は全て、親の(特に父親の)心構えについて書かれたもの
だ。
要点は、男の子のために時間を割いてやれ、ということに尽きると思う(こ
れが一番難しい…)。
様々なケーススタディや寄せられたエピソードが盛り込まれていると共に、
親がすべきことについても簡潔にまとめられてはいる。
が、これをそのまま実行せよ、ということが言いたいのではなく、これを
ベースにそれぞれの親が子育てについての考えを深めていく必要がある。
いや、男の子を育てるということだけではなく、そもそも「男というのはな
んなのか」ということについて考えていかなければ、男の子をめぐる不幸な
状況は改善しようもない。

僕自身にも、4月から小学生になる息子がいる。
これまで自由な校風の幼稚園に通い、草花や人形遊びを愛する彼は、学校と
いう制度に困惑や困難を覚えることになるだろう。
それを理解したり、適切な方向に導いてやるべき最初の人間は、父親であ
り、男であるという問題を共有している僕なのだろう。
そんなときにまた読み返してみたくなる本に違いない。

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<小林圭司 出版社営業部員 33歳 年間読書量50冊 好きなジャンル
 翻訳小説・サッカー>
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■「戸梶圭太はキャメロンになれるか」/朝日山
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「ショッキングPINK-SKY」秋里和国 小学館フラワーコミックス

シュワちゃんの映画の中で、読者のみなさんは何をベストに推すだろうか?
私は「ターミネーター2」を推したい。単純な映画だけど、何度見ても飽き
ずに泣いてしまうからだ。だけど、映画としてのできの良さといえば「トゥ
ルーライズ」を推す人の方が多いのではないだろうか。大笑いしながら、あ
れほどハラハラドキドキさせられる映画はそれほどない。

読書の感動は、映画のそれより上になりやすいと私は思っている。ビジュア
ルの優位性があろうと、2時間、長くとも3時間程度で収めなければならな
い映画と、いくらでも時間をかけられる小説とは受け手の自由度が違う。だ
ったら「トゥルーライズ」のような小説があったっておかしくないのだが、
私は未だにそんな小説とは巡り合えないでいる。が、漫画だったら見つかっ
たぞ。これがこいつだ。

この漫画の主人公、青井めのうはマンハッタン航空のスチワーデス。小さい
ころ、今は行方不明になっている初恋の人、林蔵に「ブスはスチワーデスに
なれない」と言われて発奮、だったらなってやろうじゃないのとスッチーに
なった。いつか林蔵と再び巡り合いたいと「ボケデス」呼ばわりされながら
もスチワーデスを続けている。これは、まあまあ普通の少女マンガの設定だ。

ぶっ飛んでいるのは舞台だ。彼女がふとしたきっかけで勤めることになった
マンハッタン航空は、アメリカ資本の国際キャリア。スチワーデスは一人し
か搭乗せず、いるのは絶世の美男子を揃えたスチワードばかり。営業方針は
「空飛ぶホストクラブ」という航空会社なのだ。んなもん、あるわけねーだ
ろ(笑)

マンハッタン航空に入っためのうは、同僚のジェイムズというスチワードに
目を見張る。日系アメリカ人であるジェイムズは、よく見ると林蔵に良く似
ている。ジェイムズは、もちろん林蔵ではない。しかし、ジェイムズは林蔵
という男の行方を知っていた。しかし、ジェイムズはめのうに、林蔵につい
て知らぬ存ぜぬで通す。なぜジェイムズは林蔵を知っているのか。なぜ知ら
ないふりをするのか。林蔵とめのうは再び巡り合えるのか。それとも……お
ぉ、これぞ少女漫画の王道だ(笑)

いかにもあり得ない設定と、ぶっ飛んだストーリー。ぶっ飛んだストーリー
といえば、小説の世界でも戸梶圭太あたりはそれなりに面白いものを書いて
いる。戸梶圭太のハチャメチャは、作家の過剰な熱気によるものだが、秋里
和国は違う。熱気で押すのではなく、技巧で押す。だから読後感は、ホント
に上手いなぁとなる。

まず登場人物の多彩さに目を見張る。ジェイムズの恋敵、夢野は医者にして
すし職人。突飛な行動をする変人、マーバック社長にヒューストン機長。謎
の女SEIKOなど、特に人物造形が深いことはないが、楽しい人物がたく
さん出てくる。

もちろんメインストーリーは、めのうとジェイムズの恋物語で、ストーリー
はギャグで進むのに、時々シリアスでドキっとするサブストーリーが挟み込
まれていて、読者の気を引き締める。と思ったらシリアスで引っ張ったスト
ーリーをひっくり返してギャグにしてしまったり、どんでん返しを多用する
のがこの作者は大好きだ。あ、どんでん返しはギャグの定石か?

そんな感じであれやこれやで最終巻まで読み進めると、いよいよ秋里和国の
パワー全開、大団円の始まりはじまり〜〜と、ここからは実際に読んでいた
だくことにしよう。最初から少しづつ明らかにされてきた伏線がここで一気
に繋がる。個人的には駄作だと思っている「タイタニック」のクライマック
スより面白い結末は、見事の一言に尽きる。

小説で、こんなのを書けそうな作家の筆頭は、個人的には戸梶圭太だと思う。
この作家、決して文章の上手な人だとは思わないが、この人ほど読者を楽し
ませようとする熱気が文章に現れている人は他に例がないのではないかと思
う。彼に秋里和国の軽さと技巧が加われば、大化けしてジェームス・キャメ
ロンが映画にしようと言いだすような作品を書くんじゃないだろうか。あぁ
、そんなのが読みたい……。

http://www.gozans.com/bk/?b=4091375715&s=shohyo 
 (↑こちらからお買い上げ頂けます。巻数が多いので一巻目のみです)
(朝日山 烏書房付属小判鮫 37歳 好きなジャンル 何だろ?)
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■あとがき
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>最近、はまってるTVアニメがあるんです
>はあはあ
>ウチの方ではTV神奈川でしか見られないんですが、「ザ・シンプソンズ」
っていうアメリカのアニメなんです
>ああ、CCレモンのコマーシャルに出てた、鳥みたいに口の突き出たお父
さんと真っ青な棒アイスみたいな髪型の奥さんが出てくるやつですね。
>そうそう。もう、これがアメリカのセルフ・パロデイのオンパレード。前見
たのでは、奥さんがいきなり宇宙人に誘拐されて妊娠、タコみたいな赤ちゃん
生んじゃうの。で、前に日本でも深夜にやってた、トラブルの当時者が全員出
てきて殴り合いになっちゃうTV番組にシンプソン家族と宇宙人が出て、しま
いに宇宙人がビームで司会者と観客皆殺し、おいおいって感じで(笑)
>うむむ、日本の家族ドラマといえば「サザエさん」に「ちびまるこちゃん」
ですからねー。こりゃアメリカさまには何があっても敵いませんね(笑)
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